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青春のビジョン

「北を目指そう!」 と、威勢良くジュリの家を出発した、 ニャニャニャンとポポロンさん。 しかし、お茶のセットが入ったバスケットが 重くてなかなか前に進みません。 「だから、こんなもの要らないって言ったんだぁ!」 ニャニャニャンは怒鳴りましたが、 ポポロンさんは平気な顔。 「そろそろ、お茶にしようか?」 「バカヤロー、まだ30分も歩いてないじゃないかぁ!」 そうやって、じゃれ合っていると、 前方歩いてくるのは、中山美穂。 「あ、ポポポンだ!」 「ん? 人間の女じゃねーか。CMで牛すじ食ってた奴だ」 そう、タヌキのポポポンが化けているのです。 証拠に、両手にいっぱい赤いトウモロコシが 詰まったバッグを持っています。 「またジュリのところに嫌がらせに行くんだね」 ミポリン(ポポポン)は、にっこりとうなずきました。 「赤いトウモロコシをいっぱい玄関に 置くくらいじゃあ、ジュリはこたえないよ。 そうだ! ポポポンもそんな後ろ向きなことしてないで、 僕らといっしょに旅に出ようよ!」 「おいおい、勝手に決めるなよ! なんでタヌキを道連れににしなきゃならないんだ! お前だけでもそうとうアシデマトイなんだぜ!」 ん、僕を誘ったのはニャニャニャンなのになぁ、 とポポロンさんは思いましたが、 さすがクマができてます。怒りません。 にっこりとして、 「ポポポンは何にでも化けることが出来るんだよぉ。 例えば、駅員さんに化ければ 電車にタダノリ出来るかも知れないし、 コックさんに化ければ ごはんをタダで食べれるかも知れないよぉ」 ゴクン、とつばを飲み込み、 しめしめと内心思いつつも ニャニャニャンは 「仕方ねー、連れてってやるかぁ」 と言いました。 さあ、3人組になって、新たに出発です。 しかし、もう、夕暮れ時です・・・・。 「オラ、お前がノロノロしてるから、 こんな時間じゃねーか! 送れた分を取り戻すためにダッシュだぜ!」 「もう、これ以上、走れないよ」 ・・・そして、その晩は、 ジュリの家に泊めてもらうことになりました・・・・。 ジュリは、フフン、と 鼻で笑いつつも迎えてくれました。 もちろん、赤いトウモロコシを握りしめた ポポポンだけは家には入れませんでしたけどね。 いよいよ、明日こそ、3人の新たなる門出です!

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