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陽のあたる場所

ポカポカ陽気の春の日の午後、 ポポロンさん日向ぼっこをしようと、庭に出ました。 そこは、いつもジュリの車が止めてある場所です。 案の定、お日様はキラキラ、ポカポカと ねっころがるにはちょうど良いあんばいです。 去年の夏、調布の花火大会に持って行った、 ビニールのシートを敷いて (そういうとこだけは、キレイ好きで几帳面なんだ) ねっころがって絵本を見てました。 しばらくすると、 しっぽが引っ張られるような感じがしてきました。 「おやおや、なんだろう?」 無視していると、こんどは おしりのあたりを引掻かれるような心持ち。 「ややや、痛いなぁ、誰だい? 僕のおしりを引掻くイタズラさんは」 起き上がり、見ると、そこには猫がいました。 「ははーん、ジュリ父といつもケンカをしている イタズラ猫さんだなぁ。なんで、僕のおしりを引掻くんだい? せっかく気持ちよく日向ぼっこをしているというのに」 「そこは、俺様の場所だぜ! 間抜けなクマさんよ」 「キミの場所だって? いつから決まったんだい?」 「いつからって・・・・・俺様が、ここは 俺様の場所だと決めたら、俺様の場所なんだ!!」 「強引だねぇ。僕もここがお気に入りなんだよ。 一緒にねっころがろうよ」 「ケッ、だれが、クマなんぞと 日向ぼっこが出来ますかってんだよ!」 そう言うと、イタズラ猫さんは、 ポポロンさんを引掻いたり、噛みついたりしました。 ポポロンさんはケンカが大嫌いですから、 イタズラ猫さんに場所を譲って、 気持ちよさそうに寝転がっている猫さんに言いました。 「仲良くしようよ。ポポロンって言うんだよ」 「ケッ、人間と仲良くしている動物の風上にも置けねえ、 間抜けクマと仲良くできるかよ!」 ちょっと、困ってしまいましたが、 ポポロンさんはなおも努力しました。 「人間だって、動物だよ。みんな、仲良くしなきゃ」 「なにを言ってるんだ。人間ほど勝手な動物はいないよ。 ここの場所を気に入ったから、昼寝をしていても、 人間が帰ってくれば追い出されるんだ。 だれが、ここを人間のモノだって決めたんだ? いつも、俺達を追い出して、自分たちだけ いい思いをするのは人間じゃないか!」 「キミも、僕を追い出したよぉ」 そう言って、ポポロンさんは笑いました。相変わらず、 イタズラ猫さんは、ケッと言って、そっぽを向きました。 しばらくして、ポポロンさんが庭に出ると、 イタズラ猫さんがいません。辺りを見回すと、 塀の上にいました。 「もう、そこも飽きたからよぉ。他を探すぜ。 それに、人間と同じだなんて言われたら胸くそ悪いからな」 「ありがとう、ニャニャニャン!」 「勝手に、間抜けな名前をつけるんじゃねー!」 そういうと、ちょっとだけ笑みを浮かべて、イタズラ猫さんは 隣の家の屋根の上を元気よく走って行きました。 それから、相変わらず悪態をついたり、 口は悪いですが、ニャニャニャンはポポロンさんを 訪ねてきては、お話するようになったのです。

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