PC Parts Impression
「YMF724」

PCパーツ紹介,第2回は,ちょっと小粋なサウンドチップ,YMF724
を搭載した,A-Trendの3DS724Aを取り上げます.


YMF724の特徴

さて,このYMF724ですが,さすが,本家YAMAHA製の事はあり,
しっかりXG規格に対応しています.

特徴としては,やはり,MIDI演奏向けのチップという事でしょう.
今まで,サウンドカードに搭載されるMIDI音源は,GM互換の物が殆どでした.
そのため,他人様のデータを聞く場合,かなり物足りない物となってしまいます.
ところが,このYMF724ですが,れっきとしたXG規格のMIDI音源です.
能力としては,MU50相当(完全互換ではない)ですが,ちゃんとXGのエフェクトが効きます.
また,TB-300互換のモードも持っているようで,SC-55程度の曲ならば,かなり「聴ける」レベルで演奏してくれます.
SC-88用の曲は,さすがに聴いていて無理があります.
 それでも,そこいらの音源よりは,遙かに再現性が高いと思います.)
また,音色自体も,2MBのウェーブテーブルとは思えないほど高音質の音色です.

また,WAVEの発声についても,複数のオーディオストリームを扱えます.
MP3を聴きながら,ICQでチャットするなんて人も,これで安心でしょう(笑)

ゲーム対応についても,DirectSound3D(Sensoura)に対応しています.
さらに,実はこのチップはA3D非公式にサポートしています.
実際は,A3DをDS3Dにてエミュレートするという形式をとっているようです.
本家Aureal側の規制で,ゲームソフト側からは似非A3Dとして認識されてしまうみたいですが,
今後,A3Dのゲームも出来る可能性があるなど,楽しみな部分であると思います.


YMF724の問題点

かなりお買い得のYMF724チップですが,いくつかの問題点が有ります.
一つには,CPU占有率が,他のPCIサウンドカードと比べ,多少高めであるという事です.
もっとも,これは十分許容範囲内であり,決して高すぎるという事は無いでしょう.
MIDIを聴きながら他のジョブをこなしても,十分実用になります.
ただ,MVP3などの互換チップ系のMBで使用する際には,このCPU占有率の高さと,
MVP3のバス転送能力の低さから,音飛びが発生する可能性があります.
3D系のゲームなど,バストラフィックを酷使する際には注意が必要だと思います.
(まあ,3D系のゲームをする人がSocket7は使わないか)
また,多少の相性の報告もあります.
ただし,いずれも重度の問題ではないので,それほど深刻になることは無いでしょう.


YMF724購入の傾向と対策

さて,3DS724Aですが.
私が買ったときは出始めで6000円以上しましたが,今秋葉原では4000円程度で入手することが出来ます.
これだけの値段の割には,ノイズも少なく,非常にCPの良いカードであると言えます.
また,このボードには,SPDIF OUT端子が付いており,もしMD PlayerやDATを持っているのなら,
高音質のサウンドを得ることが出来るでしょう.
(ただし,光出力では無いので注意が必要です.)

最近では,YMF724を搭載したボードが数多く登場してきました.
基本的には,安価なボードが多く,どれを選んでも差がないような印象が有りますが,
一点注意しなければならない事があります.
それは,どこのCODECを使っているかという事です.
通常,YMF724には,YMF730というCODECが使われます.
(専用のCODECは,YMF727ですが,これはDolbyの5-1スピーカーシステムに対応した物で
 現在,これを使っているボードは無いようです.)
しかし,他社製のCODECを使っているボードもあり,こうした製品では,
音質が悪いものが多いようです.
購入時には,基盤自体の出来を確かめると共に,確認したい点です.

YMF724搭載のボードのうち,NEC製とYAMAHA製の二つについては,他の製品とは価格に一線を画しています.
この二つの出来が良いのは当然ですが,YAMAHA製のボードには
デジタル入出力の端子が付いていない事に注意しましょう.
また,NEC製のボードのSPDIF OUTは光出力ですので,こちらの方が使いやすいかもしれません.

Last update [1998.10.29]