グーワタナベのバッグ

2005-04-17

必要に迫られ

主に通勤に使っているショルダーバッグが崩壊しつつあります。 バッグ本体のショルダーストラップを止めている部分が裂けてきて、今にも千切れそうな状態。 すでにショルダーストラップは使用不能状態になっており、かなり不便です。 急いでバッグを新調しなくてはなりません。

思い起こせばこのバッグ、かれこれ5年くらい使っているでしょうか。 まだ5年とも言えますが、自分の使ってきたバッグとしてはまーまーの寿命でしたか。 駅ビルに入っている鞄屋で購入したのですが、ビジネス用で縦型という物はコレが唯一でした。 お店の人の話によると、ほとんど横型になってしまったとの事。 1万円くらいだったと記憶しています。

どういう理由かは分かりませんが、通勤時に観察すると圧倒的に横型のバッグを持っている人が多い様です。 容量的には大きそうですが、ナニを入れているのでしょうか。 同僚のバッグを観察しても、大した荷物を運んでいる訳ではなさそうです。

次もやはり縦型のショルダーバッグで行きたいところです。

もうちょっと希望を詰めてみましょうか:

…けっこうワガママです。 これを既製品の中から探すのは大変そうです。 大きな専門店に行けばそれなりに希望に近い物は見つかりそうな気もしますが、なかなか気乗りしません。

そんな折、知人からグーワタナベさんを教えてもらいました。 自転車つながりなので、そもそもは自転車用バッグの話題だったんですが。 帆布と革の組合せが得意らしいです。 Webページを見ると少々高価ですが、モノは良さそうです。 既成のオリジナルバッグ1も有るので、良さそうなのがあればその中から。 ダメそうなら、オーダーを検討してみましょう。

オーダー

グーワタナベ2さんのお店は、吉祥寺にあります。 地図を開いて眺めると、自宅からは二子玉川に出て環八を北上すれば迷わず行けそうです。 試しにカシミール3Dでルートを作成してみたら、片道 16km 程度。 最適でない道その他を含めても、往復 35km 程度です。 これならば自転車で行くしかないでしょう。

と言う事で、Moulton APB で散歩を兼ねて出かけました。

お店には自転車で乗り付ける訳ですが、駐輪場なんかありません。 店の前のガードレールに路駐するのもいいけど、たぶん店の中(展示スペース)に入れさせて貰えます。 必要とあらば、スポーツ車用のスタンドも貸してくれます。 自転車屋さん以外で、ここまで対応してくれるのは珍しいですね。

さて、その展示スペースには既成のバッグが飾られています。 とりあえず崩壊寸前の鞄を持参して、サイズを比べながらウロウロ物色します。 けど、やっぱり縦型のビジネス用ショルダーバッグは見当たりません。 比較的近いサイズの縦ショルダーがある程度でしょうか。 でも女性用みたいな雰囲気で、オヤジが使うには抵抗が有ります。

どうしようか迷っていたら、相談に乗ってくれました。 ここぞとばかりに上記の希望を述べるわけですが、「35,000円になっちゃいますけど、作れますよ」との事。 さすが、オーダーメイド。 何でもありです。 既製品を適当に使うか。 オーダーしてみるか。 ちょっと迷いましたが、そもそも既製品が期待できないから来店したのであって、オーダーを決断するまでにそう時間は掛かりませんでした。

あとは仕様ですね。 どんなバッグが欲しいのか。 相手はプロですから、与えられた条件で最高のモノを作ってくれます。 往々にして、客側のビジョンに明確でない事が問題になりがちです。 手っ取り早くかつ安全な方法として、(崩壊しつつある)現在のバッグをベースに不満点を改良する方向で進める事にしました。 それが上記の要望という訳です。

基本設計は、上記のサイズ的に合いそうな縦バッグです。 これと、既存の型紙が使えるのでコストを抑えられるそうです。 もちろんゼロから型紙を起こすのもアリです。 変な形3のバッグなんかは、それなりのお値段になってしまうのでしょう。

オーダーの場合、前払いを基本にしているようです。 が、生憎と現金の持ち合わせがありません。 近くに銀行(かコンビニ)はないか訊ねると、「あるけど手数料がかかっちゃうからもったいない」とのお答え。 そして「これならウチで手数料を負担できるから」と出されたのは、郵便振込み。 これを使う事にして、 翌々日くらいに振込みました。

完成

オーダーしたのが 2005-03-20(日)、仕上がりは 2005-04-02(土) でしたから、2週間くらいで対応してくれました。 特に根拠は無いのですが、3週間くらい? と思っていたので、早く仕上がった印象です。 崩壊寸前のバッグを見せていたので、急いでくれたのかも。(^^; ただ、一般的には日数に余裕をみて調達したほうがよいでしょうね。 「取りに来る」と言っていたので、当日に電話で連絡をくれました。 注文の時に、配送してもらえるオプションもあります。

仕上がった縦型ビジネスバッグは、縦ショルダービジネスバッグの合の子の様なデザイン。 けど、全体から受ける印象は、なかなかカッコいいではないですか。 少し明るめと言うことで選んだ茶色ですが、革とのコントラストが強すぎず弱すぎず、いい感じです。

正面には2段になったファスナー付ポケットがあり、上段はフタを閉じると隠れます。 上段のポケットは、このバッグの中でいちばん厳重にフタのある箇所。 出番が少ない貴重品(保険証やら通帳)を入れるのに使っています。

下段は肩から下げたまま自由にアクセスできます。 財布を入れておくと、チョットお買い物という時に便利です。 出社時にパンやミネラルウォーターを購入しているので、随分便利になりました。 帰りはオーディオプレーヤやヘッドフォンを入れています。 立っていても座っても出し入れし易く便利です。

背面はボタン止めのポケットが、内部後ろ側にはフタなしのポケットが付いています。 フルサイズなので、薄くて大きい A4クリアファイルなんかを入れるのに便利です。 また、自宅の鍵を入れるためにファスナー付のポケットを付けてもらいました。 大きさは選べるようですが、あまり大きくないものを選択。

帆布は防水加工がしてあるので、普通の雨なら心配無用とのこと。 むしろ革が濡れる方がダメージがあるので、陰干しで乾かしてくださいと。 温風を当てて乾かすと、革が反ってしまうので禁止です。

発注時に想定通りの使い方をしているので、いろいろ便利になりました。

難点

2週間ばかり使ってみましたが、 難点も無いではありません。

まず、D環に接続する金具(名称不明)がフタを噛んでいる事が多いです。 片方だけなので、微妙な反り具合の違いとか、そんな理由かも知れませんが。 実用上はあまり問題はないのですが、そこだけ革が痛んでしまいそうです。 フタの上部は、ストラップを避けるように少し凹ませると良かったかも知れません。

持ち手は、指2本分くらい大きい方が良かったかも、と思うケースがありました。 ほとんど片手でしか持たないのですが、ときどき両手で提げる事があります。 その場合、指が入り切りません。 ショルダーが基本なので持ち手は小さい方がカッコいいのですが、判断が微妙なところです。

あとは、やはり少し大きいという事でしょうか。 前のバッグでは小さかった経験が多いので「ひと回り大きく」と指定したので、バッグの問題と言うよりは、要求と運用のズレです。 荷物の量が固定されている普段使いには、ギリギリのサイズまで小さくしたバッグが欲しいかも。

って、またバッグを作ろうとしてますか?>自分
罠にはまったかな…。

  1. 既成のオリジナルバッグ
    なんか妙な表現ですが。 オリジナルのバッグを請けて製作するわけですが、その時の型紙を使って同じバッグを製作可能です。 シリアル 001 は完全なオリジナルで、002からは既成という事でしょうか。 ただ、既製品バッグと言うには違う気もするのでこんな表現となりました。

  2. グーワタナベ
    Webページのロゴは「グーワタナベ」。 アトリエの看板には「GOÛT Watanabe」とあります。 その下には「グー渡辺」ともあります。 表記に困りますが、とりあえずカタカナ表記で。

  3. 変な形
    専用設計という意味です。 楽器や包丁など、妙な物を入れる専用バッグも製作しているみたいです。

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