HTMLクイックチェッカ

2005-02-27

リンク切れが増えてゆく

HTML に慣れていると、HTML で文書を作る機会が多くあります。 いわゆる「ホームページ」もそうですが、例えば HDD に溜まったファイルの目録を作ったりします。 ファイルの素性を記録しておくのは大切ですからね。 昔(MS-DOSの頃)は readme.doc1 とかテキストファイルを作成していた事が、HTML文書になっただけとも言えます。 でも HTML を使うと、ハイパーリンクが圧倒的に便利です。

自分の場合、こういった目録ファイルは対象ファイルと同じディレクトリに配置するのが普通です。 なので、ファイルを階層ディレクトリで整理していくと、目録の HTMLファイルも複数出来る事になります。 だんだん目録が増えてくると、それらをまとめる目次ファイルが出来て… と、だんだんダウンロードサイトの様な感じになって行きます。

或いは、運用している最中に「整理」を行なう事があります。 通常はディレクトリが増える一方なのですが、時々はディレクトリを移動させたり、名前を変えたりします。 こんな時は、目録/目次の HTML ファイルも変更に追従しなくてはいけません。 けど、普段使わない所ってのは、だんだんリンク切れして行くのです。

「HTMLクイックチェッカ」

そこらをチェックできるツールは無いものかと探したていたら、いいのが有りました。 その名を「HTMLクイックチェッカ」。 松本 要 氏のフリーウェアです。

□ Kanameの小部屋 ―本棚と床とダンボール―
  http://www.tcp-ip.or.jp/~mt2knm/index.html

どんなソフトなのかは、取扱説明書に手際よくまとまられています。 概要を引用してみましょう:

HTMLクイックチェッカ」は、Windows上で動作する、HTML構文とローカルリンクの簡易チェッカです。 複数のファイルをまとめてチェックでき、ソース中の問題部分を表示できるので、迅速な修正が可能です。 ファイルのタイムスタンプを調べて、更新されたファイルのみをチェックする機能もついています。 ブラウザ表示を眺めたり、ソースとにらめっこしただけでは発見が困難なケアレスミスをほじくり出す(笑)ことができます。

使ってみて思ったのですが、ホントにこの通りのツールです。 言い得て妙とはこの事です。

何がいいって、リンク切れの他に HTML の文法チェックもやってくれる事でしょう。 当サイト(のローカルデータ)で試してみたら、開始タグと終了タグの整合が取れていない物が多数見つかりました。 使ってはいけない文字も見つかりました(例えば、本文中では < を &lt; と書かねばなりません)。

Webブラウザの表示結果を見ながらのチェックでは、問題の存在にすら気付きません。 このツールを使うと、おぉその通り!みたいな指摘がどんどん見つかります。 そして、どんどん直せます。 非常に調子がいいです。

文法チェックなら、W3C Markup Validation Service でも可能です。 いや、こと文法に限るなら、もっとも信頼できるチェッカのひとつでしょう。 けど、そても使い易いものではありません。 ものぐさな自分では、興味半分に試してみる程度が関の山です。 その点、アプリケーションソフトでやってくれるのは楽です。

少し詳しく見てみましょうか。

まず、HTMLファイルの保存されているフォルダを丸ごと指定します。 チェックを実行すると、指定のフォルダ内の .html ファイルを探し、個別にチェックを行ないます。 画像ファイルなどもリストアップされますが、当然チェック対象ではなくエラーにはなりません。

ひと通り文法のチェックとローカルリンクをチェックすると、結果が一覧されます。 特に問題がなければチェック済の印が付いていますが、何らかの問題があれば警告やエラーの印が付きます。 ファイル名をダブルクリックすれば、問題のソースをエディタで開きます。

ソース編集は2ペイン構成になっていて、上段がソース,下段がエラー情報となります。 エラー情報をクリックすれば、ソース上の問題のある箇所へジャンプします。 ここで修正していけばよいのです。 残念ながら、少しでも編集してしまうとエラー情報とソースの行との関係は断たれてしまいます。 編集によって行番号が変わる事を考慮した結果と思われます。 1箇所修正しては1ファイルのチェックを繰り返すことになります。

サイトチェッカではない

ここまで出来ると、ついサイト管理用に使えそうな機能を期待してしまいます。

例えば、どこからも参照されていないファイル(リンクの張り忘れ)のチェックはできません。 まぁ、普通にやっていれば、これはリンクする側の「リンク切れ」になる筈です。 けど、リンクし忘れているかも知れませんし、インライン画像を貼り忘れているかも知れません。 報告だけでも有れば助かるのですが。

また、外部サイトのリンク切れはチェックされません。
アンカーとインライン画像辺りを、時々手動操作でチェックできると便利なのですが。

しかし、既に触れたように、このソフトはHTML構文とローカルリンクの簡易チェッカなのです。 いくらサイト(いわゆる"ホームページ")の管理に使えそうでも、それを目的にしている訳ではありませんから、 そこら辺はちゃんとわきまえて利用するのが吉。

オススメです

とは言うものの、サイト管理にはとても便利だと思います。 当然ながら、HTMLが正しくマークアップ2されている事や、ローカルリンクが切れていない事が求められますから。 幾らかの要望はあるものの、すでに目的を達成するための機能は揃っています。

Webページを作っている向きは、試してみてはいかがでしょう?

  1. readme.doc
    当時は、拡張子 .doc は現在の .txt と同様にテキストファイルなのが普通でした。 どちらを使うかは、好みの問題でしかありませんでした。 けど、某社ワープロがその文書ファイル用に拡張子 .doc を使ってしまったため、それ以降は拡張子 .doc はテキストかバイナリか判断できなくなってしまいました。 なので、現在は readme.txt を使う事が多いようです。

  2. 正しくマークアップ
    HTML構文チェックのこと。 「適切に」マークアップされているかどうかはチェックできません。 内容に関わる事なので。

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