MKEditor - 綾織用定義

2003-04-07 1

単にエディタ言えば…

単に「エディタ」と言った場合、「テキストエディタ」の事だと思うんだが、世間的にはどうなんだろう。 「エディタ」は何かを編集するモノで、編集対象を限定する時は「○○エディタ」などと言ったりする。 グラフィックエディタ2,リンケージエディタ3,とか。 テキストファイルを編集する道具が「テキストエディタ」。 「エディタ」と略される事も多い。

少し前に、MKEditor for Windows (以下"MKEditor")を使い始めた。 Kouichirou Urano氏の開発するフリーソフトウェア。 タブを使用したマルチドキュメントのスクリーンエディタ。 レジストリを汚さない。 grep検索を標準装備。 (表示の)カスタマイズが可能。 などの特徴がある。

職場でソフトの開発に使ってるPCにエディタが入っていなくて不便だったの MKEditor を入れてひとりで使っていたのだが、割と好評で、結局みんなが使うようになった。 そーか、やっぱり良いか。 まぁ万能ではないので問題もあるが、全体からすれば些細なことである。

と言う事で、ちと紹介してみたい。

どういった使い方を想定するかだが、ここはひとつ「綾織プログラミング」で行ってみたい。 まぁ普通にテキストを扱う場合なら全般にオッケーなわけで HTML 編集など有りがちな状況でも構わないんだが。 ただ、これらは広く行われている分「MKEditor じゃなくても構わない」度が強い。 具体的には「HTML 編集だとタグに色が付いてると便利だよね」といった事ができるエディタは、フリーウェアに絞っても相当数がある。 タグエディタを含めればもっと多いだろう。 C言語のソースプログラム編集なんかも、似たような状況。

そんな事で、他のエディタじゃ対応不可能(或いは対応が面倒)な状況としての「綾織プログラミング」は格好の題材じゃなかろーか。 一応ここはペルソナベンダのサイトであるからして、綾織を扱うのは当然であろう。 世界中に40人くらいの、貴重な視点だ。(^^; 綾織プログラミングを目指す人(←居るのか?)の参考になるかも知れないし。

MKEditorの導入

MKEditor の導入はとても簡単で、配布アーカイブを適当なフォルダに伸長するだけである。 無難に "c:\Program Files\MKEditor\" とかにしておけば、「どこに置いたっけ?」と悩む事も減るだろう。 インストーラを使うとインストール情報をレジストリに登録するので、「アプリケーションの追加と削除」からアンインストールできたりするかも知れない。 ま、フォルダごと消せばいいだけなので、インストーラを使う意味はあまり無いかも。

あとは好みに応じて MKEditor.exe のショートカットを作ればよい。 そうそう、拡張子 .aya 辺りに MKEditor を関連付けしておけば幸せになれるかも知れない。 試した所では、こんな手順だった:

  1. Windows Explorer から [ツール]→[フォルダオプション]→[ファイルの種類]タブ を開き [新規]

  2. 拡張子 "aya"

  3. ファイルの種類 "綾織プログラム"

  4. アクション "開く(&O)" を追加して、関連付けるアプリケーションに MKEditor を指定。DDEは使わない

  5. 適当なアイコンに変更しておくと分かり易い

MKEditor が起動したら、好みに応じカスタマイズ。 [ツール] や [表示] 辺りに色々ある。

キーワード明示

綾織用定義

さて、今どきのエディタのトレンドとして、「キーワードの明示」機能が挙げられる。 前述の HTMLタグに色を着けるような話で、テキストがグッと見易くなり一度使うと単色のエディタには戻りたくなくなる機能である。 プログラミング言語でも、予約語などが着色されるだけで随分と見易くなる4。 綾織も同様。

でまぁ、綾織の予約語を色分け定義してみましょうと。

ここまで割と抽象的な事を書いてるんで何事かと思っているかも知れないが、要するにそれだけである。 拡張子 .aya は PWS 0.93系/PWS2002系で共通なので、両者を使い分けられないのは残念。 もっとも、両バージョンを同時に扱う必要のある人はあまり居ないと思うが。

で、作ってみたので配布してみたり。

MKEditor と同じフォルダに伸長して、[ツール]-[エディタオプション] から [定義]→[読み込み] で mkaya093.mke か mkaya2002.mke を開けばひと通り設定されるハズ。 適当な *.aya ファイルを開いて、action だの if といったキーワード,コメント等が着色されていれば成功である。 サンプルの LF-HPX-02 "絢夏"5 のソースでも眺めて欲しい。 同じファイルをメモ帳で開いて比べると、この機能の有難みが分かるかも知れない。 あ、現在公開されてる奴は PWS 1.5系だから、mkaya2002 の方を使ってね。

フリーのエディタを幾つか試したところ、この部分のカスタマイズの自由度は案外低いのでは…と思えた。 例えば TeraPad は予め用意された「編集モード」で使う分には、とても強力だ。 が、これを綾織に適用するには、少々アクロバチックな手を使う必要がありそう。 TeraPad で綾織な話は、いしだなおと氏が Croakers HomePage で公開しているので参考にされたし。 SDI6 が好きな人は、MKEditor よりも TeraPad を無理矢理カスタムする方がいいだろう。

愛用の MIFES では正規表現などを駆使して指定できるのだが、PWS2002対応のキーワードを定義をするには件数が足りないようだ。 PWS0.93系の頃は問題なかったんだけどねぇ。 Hira的には最強かつ最安定の誉れも高い MIFES だが、PWS2002キャラクターの開発においては残念感が漂っているな。

スペルチェッカとして

キーワードの明示はファイルを見易くするが、実はスペルチェッカとしても機能する。 つまり、予約語(のつもりで書いたモノ)が強調表示されていなければ、それはスペルが間違っていると言う事だ。 また、switch-case構文などで break を入れ忘れた場合なども、見た目が違うので気付きやすい。

そんな訳で、これから綾織プログラミングを始める向きには、是非試してもらいたい MKEditor である。 あ、メモ帳とかで編集している向きにもお勧めですぞ。 試す分には(←ずっと使い続けても)無料だし、気に入らなければキレイに除去できるし。 すでに愛用のエディタがある向きには、敢えて勧めませんが。

  1. 2003-04-07
    鉄腕アトムの誕生日だそうで。 東京・高田馬場の科学省で誕生との事。 その縁なのか、JR東日本・山手線 高田馬場駅の発車メロディは「鉄腕アトム」だ。 お茶の水博士は 1952年生まれ,天馬博士は 1966年生まれ…らしいぞ。 そんな事まで分かるんか。 なんと言うか、検索すれば幾らでも出てきそうな感じ。 もちろん MKEditor の話とは関係ない。

  2. グラフィックエディタ
    お絵かきソフト。

  3. リンケージエディタ
    リンカ。 LINK.EXE とか。 コンパイラ(やアセンブラ)が生成した再配置可能なオブジェクトを連結して実行モジュールを作成するための道具。 オブジェクトやライブラリを結合する他、アドレスを解決して書き換える(Static Link)辺りが「編集」かな?

  4. 見易く
    "見易さ"なんてものは主観的な話。 他の人が見易いかどうかは、分からない。 実際、色が着いているのが嫌いな人もいる。 下手にコントラストを下げると見づらくなる人もいる。 自分だって、あまり派手なのは見づらいしな。 これは現在の筆者の主観であって、参考にはなるが結論ではない点に注意。

  5. サンプル"絢夏"
    2003-04-19、サンプルキャラクター「タイヤネコ」が正式に公開された。 PWS 2002 ネイティブなキャラクターのサンプル。 これにより、PWS 1.5系サンプルとしての "絢夏" は公開中止に。

  6. SDI
    Single Document Interface。 ひとつのウィンドウにひとつの文書を表示する方式。 Windows に付属のメモ帳なんかがそう。 MKEditor の様にひとつのウィンドウに複数の文書を表示する方式は MDI (Multiple Document Interface) と言う。

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