沖縄・八重山Tour Again その11 陸路のない集落・舟浮






4/29〜5/1/1998 陸路のない集落・舟浮

# 2-63
陸路のない集落・舟浮は,人口は50人ほどで,黒真珠の養殖が主な産業ということ以外,そこにどんな生活があるのか見当がつかないという意味で今回の旅行の目玉だったのですが,かなり期待はずれなのでした。
天気に恵まれなかったこと,舟浮泊が沖縄7泊目でちょっと疲れてきた頃だったこと,民宿の雰囲気があまりにも悪かったことなど,悪い要因が重なったからもあるのですが,観光の匂いがまったくなく,あまりにも何もないというのは面白くないものだなあと思った次第です。

# 2-64
まず,民宿「かまどま」の予約の電話では,おばさんは「食事はありませんので,白浜で食べてきてください」とそっけない。
「まあいいか・・・」と,白浜からカヌーに乗って舟浮に上陸して,まず目に入ったのが舟浮海運という建物。この建物には,民宿「ふなうき荘」と書かれているのですが,尋ねたところ民宿は今はやっていないとのこと。
舟浮海運は,白浜までの日に3便の定期船を運行しているのにプラスして,観光船もあるらしいのですが,こちらは開店休業のようでした。

# 2-65
次に,集落を歩き回って感じたことは「狭い」こと。集落の端から端まで歩いて,10分もかからない。自動車はなかったけれど,自転車は結構あったなあ。どこを走るんだろう。
集落の左手の行き止まりは,戦時中の陸軍の要塞跡のトンネル,右手の行き止まりは妙に新しい小中学校。
鳩間島という西表の近くの離島と同じ条件と思えばよいわけですが,深い森によって地続きながら道がないというのは,何か強い閉塞感を感じるところです。

# 2-66
白浜に戻って食事をして(なぜか妙にしゃれたレストランがあった),白浜発午後5時50分の定期船で舟浮に戻ると,船には地元の教員のかたが居て,少し話をすると,
「舟浮に民宿なんてあったっけ?」という様子。
実際,民宿「かまどま」は,看板も出ていない商店の2階で,明らかに空き部屋をおまけで提供している程度の施設。
商店には,4月にして「賀正」の張り紙がある。そのわりに自動販売機なんかはあるんだな。


# 2-67
おばさんが相手をしてくれるわけではなく,同宿の人がいるわけでもなく,集落に他に店があるわけでもなく,ほんと何もやることがない。
洗濯をしようと思っても洗濯機の中にはクモが巣を作っているし,シャワーを浴びようにも,シャワー室にはいろいろ虫がいそうだし・・・(-_-;)
くしくも4/29ということで,ゴールデンウイークの初日,えらいところに舞い込んでしまいました(^_^;)
仕方がないので,送り返す用の荷物の整理やら,明日からの旅程をたてたりして過ごします。
開き直ってこの夜お酒を飲まなかったのは,なかなか重要なできごとだったかも・・・

# 2-68
舟浮の近くには,絶好の釣りのポイントがあるらしいけど,私が釣り人なら釣りは舟浮でやっても宿は白浜に取るか,もしくはキャンプを張ることでしょう。
次の日の朝10時35分の船で白浜に戻るまで,雨がそぼ降る舟浮にたたずんでいたのですが,旅先でこれだけノリの悪い空気で過ごすことも珍しいことだなあと思うことしきりなのでした。
朝に部屋にメジロの幼鳥が迷い込んできたのと,溝に大きなカニ(ヤシガニかなあ・・・)が居て遊べたのが,せめてもの救いだったかな?

# 2-69
旅行者としては面白くなかった舟浮ですが,しっかり根付いた生活がそこにあるのは確かなようで, 「島の中の離島」という珍しい形態の集落が元気で居てくれることは,とても嬉しいことです。
機会があったら,ほぼ同じ規模の集落を形成する鳩間島に行って,その様子を比べてみたいと思うところです。






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