山根麻以
山根麻以

(写真撮影:湧井朗己良)

 コンセントインタビューの第一弾は、新世紀を迎えた本年を締めくくるに相応しい、AWAKENINGな歌姫−山根麻以さんにお願いいたしました。

 山根さんに辿り着いたのはほとんど偶然に近く、「シャーマン」というキーワードで検索してた時でした。果たして、強く惹かれたは仕組まれていたのではないか、と思うくらいにコンセントのイメージにピッタリのお方でして、これにはもう不思議な縁を感じずにはいられません。

 どうぞ、山根さんからの小説コンセントとの共鳴−その想い、私たちファンへの心温まるメッセージに、暫し御耳を傾けてください。

インタビュアー : 大山 俊政


1.小説コンセントのご感想をお聞かせください。

 インパクトのある作品でした。

 この本を買ってから読み始めるまでの5日間、毎晩変わった夢を見ていました。世の中の感情という感情が一気に噴出しているような夢です。感情の海をずっと漂っているようなそんな感じ。なんでこんな夢を見るのかしらと、不思議に思っていました。

 読み進めるにつれて、この本に書かれていることを、夢の中で体験していたのかもしれないという気がしました。人の気がこもったものは何でもそうですが、それがストレートであればあるほど無意識の領域に語りかける力が強いものです。きっと田口ランディさんが発しているバイブが直線的で、裸の心に強く響くのだと思いました。

 ユキがジャングルジムの上で体験した、全てが繋がっていく瞬間の描写が始まると、私の気持ちもきらきら喜んでいくのがわかりました。自分の人生の中で起こったことを回想し、大事なことを再確認しているような気分です。

 「自分には幸せになる資格はないんだ」と勝手に決めて、なげやりに時間を過ごしていた頃のこと。自分を痛めつけながらそれでも生きていることに、「もしまだ生きていることに必然性があるんならその理由を知りたい」と精神世界の本を読み始めた頃のこと。どんなことが起きても、誰に何を言われても、絶対に揺るがない本当のことを知るために、事務所もレコード会社もやめて自分探しの旅を続けた頃のこと。ようやくその答えを見つけ、そこを「まんなか」に据えて生きようと決めた時のこと。

 ひとつのことをいくつかの視点で見てみると、その中心がハッキリします。この角度は今、必要だと思いました。
 

2.お読みになられて、ご自分はコンセントだと思いますか?
 人をスピリチュアルな存在であると考え、「自分」と「自分の本質」を繋ぎやすくするための状況を提供している、という意味で私もコンセントのひとりかもしれません。感動による魂の共鳴です。私は音楽をそのツールに選びました。

 ものすごく大雑把な話をします。私たちはたいていの場合、肉体という限定された世界を「自分」だと思っています。そしてその中にさまざまな感情を生み出す「心」があり、そのさらに奥に、見たことはないけれども「魂」というものがある、という感じ。肉体→心→魂というベクトルです。

 これを逆のベクトルにして自分を感じてみるとどんな感じがするでしょうか?まず魂があって、心がその周りにあって、そして肉体がある。魂→心→肉体。

 個人的には、こっちのベクトルで自分を捉えた方が拡がりがあって、自由で楽な気がします。肉体側から自分を見ていくと、外側の世界と内側とが分離する感覚がありますよね。自分という境界線が見えてくるというか。でも逆にすると流れが自然で無理がない。自分のコアがずーっと広がっていった先に、結果として外の世界につながる。そして、出発点の魂は、源の意識(超意識・宇宙意識・神の意識、どんな呼び方でもいいんですが)とつながっている。

 私たちは心というのぞき窓から外の世界を見ていますから、この窓がきれいな時はいいんですが、曇っていたり汚れていたりするとそこを通して見える世界にもフィルターがかかります。さまざまな感情や傷、トラウマ、インナーチャイルド、いろんな呼び方がありますが、みんな心が作り出した思考や行動の傾向です。ヒーリングやセラピーは、心の傾向を見ていって、そこに潜む問題をひとつずつ解放していく作業です。

 私自身、この数年間実際にヒーリングやリーディングをしてきましたが、心を病み、それが肉体にも影響を及ぼしている人たちを見るたびに、究極の癒しはその人自身の気づき・覚醒しかないと思うようになりました。元気のなくなった枝先の葉を治すのには、根や幹をチェックし、そこに栄養をあげることです。結果、枝もはっぱも元気になります。

 感動は魂を共鳴させます。私たちの最も純粋なコアに響くのです。そこを共鳴させることによって、波が心に届き、知らない間にくっついた曇りや汚れや荷物をはずしていきます。すっかりきれいで軽くなった心は、私たちの本質である愛に満ちたよろこびの視点で外側の世界を見るようになるのです。

 その窓から見る地球は、きっと感動の宝庫です。地球をひとつの生命体と考えれば、その美しさを感じ、感謝し、共鳴することで、地球自体も更に輝きを増し、そして私たちはまた新しい発見に感動し共鳴する。感動のキャッチボールです。

 しあわせな心が放つエネルギーは、確実に周囲の人たちにも伝わっていく。(悪い病気も伝染しますが、しあわせもまた伝染します。)そういう感覚って、いきいきと希望に満ちている感じがして私は好きです。

 私たちの本質はよろこびです。全て知っている意識。不可能がない世界。これは私の体験による実感です。そういう意味ではみんなコンセントだといえる。それを自覚するかどうかの違いです。

 ちょっと話しは変わりますが、私は1997年から、山梨県大月市にあるピラミッドを拠点とするAPGという組合の代表者のひとりとして、セミナーやイベントのオーガナイズをしています。「アセンション・プロジェクト 銀河の声」というのが正式名称なんですが、「中に入っただけで体も心も軽くなり、意識が変わる、そんな空間を作ろう。みんなに楽しい体験をしてもらって、そこで生まれた喜びの波動を世界へ放送しよう。」というコンセプトに賛同する有志が集まり、運営しています。昔ヒンヤというピラミッドパワーに関係したグッズがありましたが、それを開発した山田孝男氏(彼は私のパートナーでもあります)が発明した意識テクノロジーを使って、調和的なバイブを保っています。ここで神秘体験をする人もいるようです。ある意味ではここもコンセントといえるかも知れません。
 

3.今、音楽活動を通じて感じられることは何でしょうか?
 良い音楽は、それだけで感動を生み人の心を癒します。多種多様な音楽があって、聞く人達がTPOや気分に合わせて自由に選んでいけるような状況がいいですよね。個人的には、インスピレーションやイマジネーションを刺激する音がもっと出てきて欲しいと思います。
 
4.今後の地球と人類の未来に、音楽はどう関わってくるとお考えですか?
 今後の地球と人類の未来は、私たちひとりひとりがそれをどう思い描くかに係っていると思います。人類は集合意識という意識の大海で繋がっていますから、夢や希望に溢れる明るい未来を選ぶ人が増えればその方向に行くだろうし、反対に破壊的な感覚を持つ人達が多ければ不安はますます大きなエネルギーになるでしょう。世界平和のための最良の活動は、まず自分の内側に平和な宇宙を持つことです。

 自分たちで思っている以上に私たちの思考エネルギーには影響力があります。他人のせいには出来ません。だからいいことを考え、そのイマジネーションをふくらましていけば、それはそのまま地球の力になると思うんです。

 これからは、みんなの内側にある創造的なエネルギーを刺激するような音楽、イマジネーションをどんどんひろげていってくれるような音楽が必要になると思います。

 私はソロとしての活動以外にNEW ARCHAIC SMILE(通称NAS)というチームで音楽を作り、瞑想やヒーリングのセミナーの音楽を担当したり、野外レイブパーティに出演したりしています。「AWAKENING MUSIC」と呼んでいるNASの音楽は、とにかく気持ちよく、幸せになる音楽。オーソドックスなんだけど、ユニークな世界です。

 レコーディングにスカラー波発生装置を使い、実音と倍音、それを越えた周波数の領域をあるバランスでまぜて、聞く人の意識の周波数の幅を広げ、いろんな次元に効くように作っています。これはまだ科学的に証明出来ていない意識テクノロジーの世界ですから、実際にライブやCDでその効果を体験してもらうしかありませんが、感覚的には、実音の音楽としての世界を可聴域を越えた倍音で彩り、さらに別次元のエネルギーで光のマンダラを編んでいるような、そんな感じです。CDのインナーにも書いていますが、一度最初から最後まできいてもらったあと、再び1曲目に戻ると、最初には聞こえなかった音が聞こえたり、意識が変化しているのを感じる人もいるかもしれません。音楽を楽しみながら、センサーの感度を高めるといったかんじでしょうか。

 みんなの想像力がこの世界を作る原動力であると考えれば、音楽に限らず優れたアートは、これから先とても重要な役割をしていくと思います。
 

5.新作「きんのひも」のコンセプトなどをどうぞ。
 「きんのひも」は私の瞑想体験から来たものです。私が自分を完全に許し、受け入れたとき、魂の源の意識と繋がりました。その時ビジョンの中で目の前にきんのひもが現れ、私は無意識にそのひもを右手でつかんで喉のあたりから体に入れました。すると、世界中の雷がいっぺんに落ちてきたような強烈な衝撃が体中に走り、しばらく続きました。      

 だんだん落ち着いてくると、このきんのひもが自分の魂の源とのラインであること、これはもともと繋がっていたもので、今もこれから先も絶対に切れることのないものであることが直感的に分かりました。そしてみんなそうであるということも。そこにはそれまでに体験したどれとも違う「安心」がありました。

 この人生で体験してきた全ての問題は、この「安心」から切り離されたようなどうしようもない孤独感や疎外感が原因だったと思いました。それらが怒りや憤り、時には自虐的な心境を生み出していたのです。同時に、それは自分のどこかが、絶対に切れないこのつながりを知っていたから起きた現象なのだということも分かりました。

 このお里帰りはものすごいエネルギーチャージです。人間という衣装を着て、肉体というUFOを乗りこなし、宇宙的なアンテナをメンテしながら、バイオロジカルな制限時間をどう楽しんで生きていくか。源のエネルギーと交信しながらどんなにすてきな地球ドラマを創っていくか。ひとりひとりが創造主であるということは、自分のかかわる世界にひとりひとりが責任を持つことなんですよね、きっと。

 「きんのひも」は魂と心を繋ぐ琴線です。聞いてくれる人の中に、情熱が湧いてくるようにと願って創りました。「あ、このままでいいんだ。」と感じてもらえたらうれしいです。
 

6.2002年の活動予定とそのビジョンなどをお願いします。
 「MEDITATIVE LIFE」というシリーズの音楽をNASで創っていこうと思っています。「瞑想的な生活」というと、仙人のような俗世間とは縁のない人たちを思うかもしれませんが、瞑想はじつはとてもパワフルです。

 慣れてくると、数回の呼吸で深い意識状態に入れ、心は静まり、源の意識とクリアな意識状態でコンタクトできます。きちんと座っていなくても、その意識状態のまま他のことをすることも出来ます。私は大切なことを決める時も、音楽を創る時も、まずこの意識状態に入ります。特にクリエイティブな作業をする時にはインスピレーションと集中力の点でとても役に立ちます。じつは唄っている時も変性した意識の状態にあるんです。

 瞑想に限らず、精神的な部分を大切にして生きることは、心を豊かにしてくれると思います。

 ライブの時にもよく話しているのですが、簡単に心があったかくなる方法を紹介します。よかったら試してみてください。 

 軽く目を閉じて、自分のフルネームに敬称を付けて呼び(これがポイントです)、その後に「ありがとう」と続けます。

「○○○○さん、ありがとう。」

 これをゆっくりと3回繰り返します。しばらくすると、胸の奥がじわーっとあったかくなるのがわかります。そのあたりが私たちの中心、ハート・チャクラです。結婚などで姓が変わったことのある人は、以前の名前でも同じようにやります。声に出すのが恥ずかしい人は心の中で言ってもOKです。 

 あとはもう一枚唄のCDを作りたいですね。やはり私は唄うのが一番好きですから。
 

7.コンセントたちと、田口ランディファンサイトのみなさんにメッセージをお願いします。
 敏感な方々にお勧めしたいのは、自分を客観的に見て、知る作業です。方法はいろいろあるでしょうが、とにかく、さまざまな情報を受け取り、あらゆるものの感情を察知し体験している「私」という意識は何か、ということを探し当てることです。

 「準備の出来た時に起こる解体」のあとに出会うのは、「解放された本来の自分」ですから、その準備として、まず意識のメカニズムを知り、それをコントロールするマインドの力を養うことが必要だと思います。また、目に見えない環境の整備に気を遣うことも大切です。

 自分以外の人達の感情の波がやって来たときも、幽界をさまよう死者の意識も、世界や宇宙の様々な情報も、それをどの視点から見るかがポイントですから、自分の本質を知り、そこに立ち返る方法を持っていれば、どんなに多量の情報がやってきても、それを見極め、整理し、時にはいったんアンテナをオフにして必要以上に感応することなく自分の好きな世界へチューニングを変えることもできるでしょう。

 最近は特に、いろんな次元に多種多様な情報やエネルギーが渦巻いていますから、自分が感応していいところかどうかを冷静に見ていくのは大事です。それは好みにも関係しますが、そのエネルギーを感じてみて威圧的だったり、これは特別なことだともったいつけて仕事を与えられたり、強制的に何かをさせられそうな雰囲気だったらちょっと考えものです。

 創造の源のエネルギーは、まったく自然です。同調するととたんに胸がパーッと開いて満たされた感覚になるところ、ものすごく意識がクリアになり、現実生活の方が眠っているような感じがするようなところには、様々なアイディアや知恵が溢れています。どこかなつかしい「美」の世界です。 

 いろいろ書いてきましたが、私はただ単純に、平和で愛に溢れる地球を望んでいる人間のひとりです。そこで仲良く、互いを思いやりながら暮らしている人々のことを思います。たくさんの人が自分の本質に目覚め、そこを中心に生きるようになり、それがある数を越えた時、それまで普通ではなかった世界が普通になります。愛と真実が治める世界がやってきます。

 生きざまをアートだと考えれば、みんなそういう意味ではアーティストなわけですよね。自分の人生は自分の作品。そしてそのドラマの脚本家は、どこかの偉い先生ではなく、自分自身です。私は自分の作品を最高に魅力的に仕上げたいと思っています。


2001.12.18  山根麻以


▼ 山根麻以 プロフィール

1958年 10月9日   島根県出雲市に生まれる−血液型はA型。
1979年 3月      シングル「午前0時」でデビュー。
1980年〜1990年   10枚のCDを制作。その後フリーランスとなる。
1995年         「ふつうの唄」と題した定期コンサートを始める。
1997年         3曲入りCD「ふつうの唄」を発売。
2001年         名前が「山根麻衣」から「山根麻以」へ。
2001年12月     「きんのひも」をリリース。

 「魂の本質を取り戻すための音楽・AWAKENING MUSIC」を軸に、野外レイヴからロックイベント、癒しのセミナーまで、幅広い演奏活動を開始する。

 様々なアーティストのコーラス、バックボーカルとしても参加しており、代表的な名を上げると、大黒摩季、中島みゆき、福山雅治、尾崎豊、浜田省吾、つのだ☆ひろ、LUNA SEA、渡辺美里。サウンドトラックでは、「COWBOY BEBOP」 、「天空のエスカフローネ」、「MACROSS PLUS」、「炎の蜃気楼」、「劇場版 BLACK JACK」、etc ……。他にも多くのアーティストと共に音楽活動を展開。

 現在は「山根麻以 with NEW ARCHAIC SMILE」として活動中。


▼ 山根麻以 ファンサイト 『 Husky Voice 』

 上記のプロフィールはこちらのファンサイトを参考にさせていただきました。この場をお借りしまして、深くお礼申し上げます。

 ファンサイトでは「ふつうの唄(1997.11.21)」のサンプル版が視聴できます。どうぞご訪問くださいませ。右の画像はそのジャケットになります。

ふつうの唄


▼ Casta DIVA Music

 山根麻以さんが所属するレーベルです。「Casta DIVA」とはイタリア語で、意味は「清らかな天使」となります。女性ヴォーカリストだけの歌姫達によるミュージック・レーベルで、女性アーティストによるアーティスト物のヒーリング・ミュージックをリリースしています。

 こちらにあったプロフィールも参考にさせていただきました。この場をお借りしまして、深くお礼申し上げます。

 2001年12月5日に、山根麻以さんのNEWアルバム「きんのひも」が発売されました。「ふつうの唄」以来、実に4年ぶりの唄入りのCDです。右の画像がそのジャケットになります。上記サイトでもサンプル版が視聴もできますので、ぜひぜひご訪問のほどを。

きんのひも


▼ A.P.G.(アセンション・プロジェクト・銀河の声)

 山根麻以さんの活動拠点。1997年6月に発足。代表者のひとりである山田孝男氏は、日本中でブームになった「ヒランヤ」の発明者でもあり、「目に見えないエネルギー」の専門家として知られています。詳しくは上記の「インタビュー その2」を参照の事。


▼ 他のインタビュー記事(外部リンク)

アロマテラピー・ニュース・レター 14号

なまえのない新聞102「いのちの祭りレポート」特集


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