帝国歴1001年
新たなる皇帝としてジェラール殿下即位。
クジンシーを討伐に成功。その後南に位置する格闘家達の助力を
得るべく話し合いに赴く。
「スライム達にてこずっている、ヤツらさえ倒せればボスはなんとか
するのだが・・・。我らが術を使えれば早いのだがそうもいかなくてな」
との意見を受けスライム討伐に赴く。
こちらのパーティーにも術師はいないが。
「我らが術を使えれば早いのだがそうもいかなくてな」
とはジェラール皇帝の名言である。
この後、レベル上げに2時間を費やした皇帝の遺言により、パーティ
ーに一人は術師を入れるようになったという。

帝国暦1163年
件のレベル上げの余波により一発目から160年が経過。二代目皇帝
「格闘家」テリー即位。これより後、代々の皇帝は体術をメインとするこ
とに。どんな事態も拳で解決。

即位後、隣国カンバーランドに赴く。世継ぎ問題の助言をするためだ。
だが。
その最中、国王が長子ゲオルグを世継ぎにすると告げたその夜に国王
崩御。
作為の匂い。
それも嫌な匂いだ。彼自身「ボクも皇帝になれるかな」と無邪気にはしゃ
ぐ子供に告げた事がある。
「皇帝になんかならない方が幸せだぜ」
未だ幼い末弟トーマを利用しようとする宰相サイフリート。どうするべきか、
答えは己が拳が知っていた。
「離れるなよ」
そう言って彼は駆け出した。待ち受ける私兵もモンスターも彼を止める術
を持ちはしなかった。打ち、払い、あるいは彼に仕える四人の勇者が切り
裂いた。
サイフリートは最も敵に回してはならぬ男を敵に回したのだ。
「あの世で悔い改めるんだな、サイフリート」
実のところ、未だ彼の拳は未熟であった。だがそんなことは関係がなかっ
たのだ。なぜなら彼は間違いなく正義であったからだ。彼と彼らは勇まし
く襲い掛かった、約束された勝利と共に!

こうしてカンバーランドの争いは幕を閉じた。兄らの後見と共に国王とな
ったトーマは領土を帝国に献上、皇帝名代として領地を治めることとなっ
た。後に名君として名を残す彼の第一歩であった。

帝国暦1235年
格闘メインで行くと言った矢先に「宮廷魔術師」ジェミニ即位。皇帝に回復
手段が付くことになった。でも拳。

 「操る者」ボクオーン。
 術をもって、薬をもって、あるいは力をもって全てを操らんとする七英雄の
一人。
人を操る者は往々にして自らを晒しはしない。彼もその例にもれず巨大な
戦艦を(陸上であるにも関わらずだ!)操り草原を蹂躙していた。さしもの
皇帝も手をこまねいていた、だがそこに軍師から一つの提案がなされ、そ
れはすぐさま実行された。それはこちらも地上戦艦を建造する事であった。
しかし敵もさるもの、戦艦の完成間近となったそのときを狙い、配下たる
モンスターを送り込んできた。
 だがそれすらも軍師の計略だったのだ。
目前の巨大な戦力に対し手勢を送り込むボクオーンに対する真の作戦。
それは帝国最強の兵、すなわち皇帝自らが敵戦艦に乗り込む事であった。
ボクオーンにしてみれば信じられない思いであったろう。彼にとって自ら
を危機にさらすような真似は愚か以外の何者でもない、そんなことをする
者がいるはずがない、そう思い込んでいたところに敵方の最重要人物が
乗り込んでくるなんて!
 虚を突かれた相手に対し、ジェミニは容赦をしなかった。彼の作った麻薬
によって苦しむ民を救うために。そして二度とそんな薬を作らせぬために。
 まさしく彼は最強の兵であった。ほどなくしてボクオーンが崩れ去った後、
残ったわずかの兵は抵抗する気力のかけらも残ってはいなかった。誰が
彼に勝てるというのか。それを試そうとする者はことごとく打ち倒された。も
はや勝敗は明らかであった。
 帝国はまた一つ勝利を刻んだのだ

帝国暦1371年
再び「格闘家」ベイダー即位。拳。

 「クィーン」
 「それ」はあまりにも異質であった。
 短いとは言えない冒険の中で、彼らは多種多様なモンスターと出会って
きた。
 空を飛ぶもの、地を這うもの、中には体の一部が剣になっているものも
いた。だがそれらでさえ「それ」の前では霞むように思われた。
 ―「引き返すべきだ」―
 その場にいた誰もがその言葉を口にしかけた。
 ―そうだ、引き返そう。何も見なかったことにして、アバロンの満月亭で
大盛りのランチを頼もう。あそこのランチは絶品なんだ―
 だがそれは出来ない相談だった。誰かがこいつを倒さねばならない、誰
が?自分たちがだ!
 震える腕は各々の武器を握り締めた。震える足は前に向かい突き進ん
だ。やがてフォーメーションを組むに至った彼らの瞳には一片の怯えすら
残ってはいなかった。その瞳にたたえた決意のなんと雄雄しいことか!
 事実クィーンとの戦いは熾烈かつ過酷なものであった。だが残念ながら
その戦いを正確に書き記す術を私は持たない。ただはっきりと言えること
は、彼らは幾度となく倒れ、それでもなお立ち向かったということ。そして―
彼らが勝利したということだ!

帝国暦1425年
「武装商戦団」マゼラン即位。

 彼が彼女に再会したのは全くの偶然だった。
 新たに領地となったナゼール地方の視察の後、ふらりと立ち寄った酒場―
元々が海の男である彼には豪華な自室よりくつろげるのだ―そこで出会った
踊り子は、彼の目を釘付けにした。彼の仲間たちは「また悪い病気だ」と思っ
たが口には出さなかった。いくら誇りあるアバロン帝国皇帝とはいえ、彼もま
た一人の男であることに変わりはないと思ったからだ。彼らは休暇を申請し、
思ったより多くの休暇を手に入れた。
 帝国皇帝の仕事は戦うことだけではない。領地の視察や、新たな施設の
建設、果ては侍女達に支払われる給料の決済まで。いわゆるデスクワーク
の類は彼にとっては苦痛でしかなかった。しかもここのところツキジマ、サバ
ンナと立て続けに領土が増えたために彼のデスクには常に山積みの書類が
詰まれていた。彼がそれでも投げ出さなかったのは皇帝としての自覚と、海
の男の意地の賜物であった。彼は休暇を手にしたことを海の主に感謝した、
海の男は信心深いのだ。
 彼は休暇を手に入れると、とある薬を手に真っ直ぐに海に向かった。彼女
に会うためには海の底まで行かなくてはならない。彼にはその確信があった。
―彼女こそあの時の人魚に違いない―
まさにその考えは的中していた。海の底にいた彼女は驚きに目を見開き、次
にうつむいたかと思うと、彼の胸に飛び込んだ。彼女もまた彼を探していたの
だ。二人は再会という奇跡を果たしたのだ!

 だがやがて、時間という絶対的な神が彼らの前に降り立った。これ以上海
の底にいては戻れなくなってしまう。彼は帝国皇帝なのだ、伝承法によって
受け継いだ責務がある。ここに残ることは出来ない、彼は一度だけ強く彼女
を抱きしめると、振り向かずに陸上に向かった。
 だが宿に戻った彼はおかしな事に気が付いた。宿の机の上に一枚の書類
があったのだ。おかしい、まだ休暇中のはずだ、それとも何か重要な事件で
も起きたのだろうか。彼は帝国皇帝の顔に戻ると書類を手にし、すぐに怪訝
な表情になり、やがてそれは苦笑いに変わった。彼はすばやく書類に必要
事項とサインを書き込むとすぐに駆け出した。仲間達の顔が脳裏に浮かぶ、
きっと賭けにはならなかっただろう、彼らは自分の恋などとうにお見通しだっ
ただろうから。彼は海岸で一度だけ振り向き、帝国式に深くお辞儀をすると
迷いなく恋人の元へ向かっていった。残された書類の内容はこうだ。
 『−上記の者を第七代アバロン帝国皇帝に任じ、自らは退任するものであ
る。第六代アバロン帝国皇帝マゼラン―』
 突然の退任に混乱する内政官達に、四人の仲間達はただ顔を見合わせて
笑うだけだったという。

帝国歴1468 年
「ホーリーオーダー」ポール即位。
 「まさか。…こ う て い?」
「お望みどおりだろう?かかってこい!」
 不毛の大地たる砂漠を越えた皇帝一行を待っていたのは、モンスターに
よって占拠された街であった。多少腕に覚えがあったとて、モンスターの闊
歩する塔に挑むのは危険すぎたのであろう。街の男達は新たな力を求め、
旅立ったという。しかし、旅立った男達には悪いと思うも、彼らは早晩にも塔
に挑むことを決定していた。いかなる困難であろうとも一番槍を獲るのは彼
らでなければならないのだ。戦場で兵の背に隠れる将に誰が付いていくとい
うのか。彼らが先陣に立つからこそ、アバロンの兵は誇りを持って死地にさ
え赴くのだ。
 そして夜が明ける頃には決着がついていた。七英雄が一人、ノエルを後ろ
盾に偉ぶる程度の魔物に敗れる皇帝ではない。街の人々も安堵の表情を隠
せなかった。
 だがまだ問題は残っている。力を得るために旅立った戦士達が未だ戻らな
いのだ。野生のモンスター等のためにも戦士は必要だ。だが、遅すぎる。再
び不安が漂い始めた街の人々に必ず探し出すことを告げ、彼らは再び砂漠に
足を踏み入れた。しかしそれはここにたどり着くまでの比にならないほどの難
航ぶりであった。目的地は移動湖。その名が示すように、いくつもの場所に蜃
気楼として現れ、旅人を惑わすのだ。そして彼らの体験したことのない暑さ、強
大なモンスター。それでも彼らは歩みを止めなかった。目的地には故郷を守る
ため旅立った戦士達が待っているのだ。それは友を救うのに似ている。その志
は皇帝達となんら変わるものではないのだ。

 「もはや愛想も尽きました。わたしは帝国に投降します」
その閉じられた襖の奥で、さも得意げに愚かな策を披露する王に侮蔑の表情と
言葉を吐き、何人ものかつての忠臣たちが去っていった。

−それも致し方なしか−

最後に残った臣、セキシュウサイはそう一人ごちた。
 確かに驚異的ともいえる早さで領地を拡大する帝国に不安はある。だが、そ
れに抗するためとあのような魔物と手を組むなど…。
 王の浅知恵などワグナスには筒抜けであろう。共倒れを狙うことはおろか、
帝国もワグナスも止めることもできずただ滅び行くだけなのは火を見るよりも
明らかであった。
 
 だが。
 
 だからこそ彼はどちらに降ることもできなかった。
 
今彼が国を去れば、何も知らぬ民達はどうなるだろうか。
 日々の糧を得ることに汗を流し、ただ家族の団欒に喜びを見出す彼らになん
の罪があろうか。
 彼は己の住む町を思い出していた。威勢のいい万屋、物静かな女将の宿、日
が沈むまで遊ぶ子ら。そして己の全てを伝えた愛弟子。
 ただ一度しか会うことのなかった帝国皇帝だが、彼の者ならば、国を正しく
導いてくれるだろう。

 先王よ、私は死に場所を、ブシドウを見つけましたぞ…。

 すでに剣戟の音はすぐそこまで来ている。魔物たちの叫びも消えた。そして、
最後の襖が、開く。

 「武勇の誉れ高き皇帝ならば、相手にとって不足なし。いざ!参る!」

 ……。
 先王よ…、そして国の礎となったかつての友たちよ…。
 あの頃のように…、
 酒を、酌み交わしましょうぞ…。

帝国歴1469年 ヤウダ地方
アバロン帝国領地となる。
 
 余談ではあるがアト王はセキシュウサイの嘆願により命を救われる。その後
は自ら全ての権限を辞退。各地での復興作業に従事したという。

  伝承法。
 それは呪いにも似ている。
 幾人もの歴代皇帝の鋼の意思。
 幾多の戦士達が世界中を駆け巡り磨いた技。
 全てを背負い、皇帝は立つのだ。誰が為でなく、ただ世界の安寧のために。
 そして今、かつての初代皇帝レオンがしたように、ただ伝承法に技を刻む為
だけに一人の戦士が選ばれた。
 
 奥義『テンプテーション』

 いかなる男性をも魅了し、逆らうことを許さぬ魔性の技。かの『ソウルステ
ィール』にも比肩しうる技であり、誰かが封じねばならぬ技であった。鋼の意
思もて立ち向かわなければならぬのだ!
 だがその術を前にしたとき、その威力の凄まじさは歴戦の猛者たる彼をも怯
ませるのに十分な力を持っていた。
 彼の脳裏にはいくつもの幻覚が走った。
 
 『殺すのです』

 甘い声が囁く。

 『民を』

 逆らうことを許さぬ鎖のように締め上げる。

 『友を』

 …否。

 『そして帝国を』

 否!
 
 彼の瞳に揺らめく炎は遂に熱く燃え上がった。二度と揺らめかぬ炎を彼はそ
の瞳に宿したのだ!
 最早彼に恐れるものはなかった。その鋼の意思は二度と揺らぐことはない。
そして歴代の皇帝は、その鋼の意思を受け継ぐのだ。

 ヒトは自然の前では無力である。
 だが、愚かにもヒトがそれに気づくのはすでに手遅れになってからである。
そういった観点からすれば今回は僥倖だったといえよう。
 ツキジマ。
 常に噴火を続けていた火の山に蓋をすればどうなるか。それは自明の理で
あった。
 皇帝は己の持つ権限をもって人々を避難させた。だが。
 火の民サラマンダーはそれを拒んだ。
 我々は火の山と共に生きる。それは常に変わらないと。
 ならば皇帝の成すことはひとつであった。誰一人として見捨てはしない。
ましてや今回の騒動には帝国も関わっているのだ。己の命よりも重い使命。
そのために歴代皇帝は生き続けるのだ。
 それは過酷な戦いであった。足元より登る陽炎は見えない鎖となって彼
らを苦しめ、火からは無限とも言えるモンスターが現れた。そして。
「崩れる!全員構え!!」
号令と共に各々が術や防具をもって溢れ出る溶岩から身を護る。それでも
大きな負傷は防ぐことはできなかったが、それでもなお、彼らの表情は満
足げであった。
 全てを終えた後火の民は問うた。何故我らを護ったのか、と。
 皇帝は答えた。やらねばならないと思ったからだと。皇帝だからでもな
く、ただ一人の戦士として、立ち向かわなければいけないと思ったからだ
と。
 そうか、と火の民は答えた。
 戦士が必要になったのなら、我らを訪ねろ。
 去り行く皇帝の背中に彼らはそう言った。
 種を越えた、誇りという名の絆が、彼らを結んだのであった。

 歴代の皇帝達、彼らの全てを背負い、最終皇帝『ジェラール』即位。栄え
ある初代皇帝の名を戴き、彼が背負うは伝承法の限界という重責。
 彼は即位すると同時に、歴代の皇帝が眠る墓所へと向かった。長きに
渡る戦いを終わらせるための彼なりの儀式であった。
 だが、そこに現れたのは、異形のモンスターであった。
 リアルクイーン。
 かつての皇帝を苦しめた魔物の牙は、彼の愛する臣民に向けられよう
としていたのだ。
 これもかつての皇帝達の導きか。その異形の『仔』が撒き散らされる前
に彼は気づくことができた。あとはただその異形を倒すのみ。彼は彼のた
めに鍛えられた剣を抜いた。もはや彼にとって最終皇帝であることは重責
ではなくなった。彼の目はまぎれもなく、皇帝のそれであった。それは彼に
仕える戦士達にも伝わった。
 歴代の皇帝、そして戦士達が磨き、鍛え上げた技を前に、異形は倒れる。
 彼らの目は、すでに間近に迫った最後の戦いに向けられていた。この程
度の敵に臆することは許されないのだ。

 人の住まうことなき雪原を彼らは歩いた。そこにモンスター達が集結しつつ
あるとの報を受けたからだ。今まで各地に散っていたモンスターの集結。それ
は七英雄との最終決戦を意味していた。

『最終皇帝』ジェラール
『インペリアルガード』ハンニバル
『イーストガード』レンヤ
『アマゾネス』トモエ
『ホーリーオーダー』ソフィア

各国の精鋭から厳選に厳選を重ねた戦士達。いや彼らだけではない。この日の
ために編み出され鍛え上げられた数々の技と術。全ての戦士達の魂が彼らと共
にあると言えた。
 吹きすさぶ吹雪と、七英雄を守らんと襲い来るモンスターを振り払いながら彼ら
は進んだ。間違いなくこれが最終決戦になるであろう予感を誰もが抱いていた。
 思えば永い永い戦いであった。およそ2世紀にも及ぶ戦い。その途方もない戦
いはおよそ平坦なものではなかった。敵は七英雄だけではなかった。同じ人間同
士で争ったこともあった。自然現象との戦いもあった。剣を振るう戦いだけでなく、
政治の場で戦ったこともあった。ある意味でそれは剣を振るうよりも厄介な敵であ
った。
 そして今。
 アバロン大陸はひとつとなり、七英雄という強大な敵に立ち向かわんとしていた。
 眼前に立つは七英雄随一の剣士ノエル。
 彼もまた気づいていた。目の前に立つ5人が人類の切り札であることに。遂に敵
が切り札を切ったことに。
 ゆっくりと刃を抜く。彼にも負けられぬ理由がある。その背には七英雄の本体が
眠っている。これを討たれれば七英雄といえど死を免れることはできない。
 「ラピッドストリーム!!」
皇帝の指示に一糸の乱れも無く陣形が組まれる。彼らもまた自らの得物を構えた。
 戦いが、始まった。

 〜はるか昔の物語〜
〜国々は麻のように乱れ、魔物が跋扈する時代〜
〜大陸の端、小さな国から物語は始まる〜

 それは大陸を纏め上げ、七英雄という大いなる脅威に立ち向かった勇士達の物
語。吟遊詩人のみならず、大人達も、子供達も。このアバロン共和国に住む者なら
誰もが知り、心から愛する歌である。
 歴代の皇帝が。そして彼らに仕える戦士達がいかにして戦い続けたか。いかにし
てこのあらゆる種族が手を取り合える国を築き上げたか。その歌は共和国に住む者
達の誇りであった。
 詩人は歌う。その2百年に及ぶ戦いを。
 詩人は歌う。幾つもの国々の歴史を。
 詩人は歌う。名も無き人々の生活を。
 
 そして歌は終わりを告げる。皇帝が国を民に託し、いずこかへ去ったと語って。

 彼がどこへ行ったのか、それは誰も知らない。
 だがその歴史は人々の心に刻まれ、忘れられることはない。
 今日もまた日が沈む。
 だがアバロン共和国の人々は知っている。
 日はまた必ず昇ることを。

 吟遊詩人の歌は、今日もまた、響く。