5月の晴れた日、ボクは旅立った。
 春の暖かい日差しと、やがて来る夏を思わせる火を宿したポケモンと。

 
 とっさにつかんだモンスターボールから飛び出した『彼』。

−「野生のポケモンには気を付けるのよ」−

 母の言葉を思い出す。ポケモン達は人間と友になれる存在であると同時に、弱肉強食の中に生きる獣でもある。
自分達のテリトリーを侵した相手には容赦なく襲い掛かるのだ。それを忘れた者には相応の罰が下る…ハズだっ
た。
 恐る恐る目を開けると、ゆらゆらと揺れる火が見えた。次に見えたのは大きく跳躍する小さな体と閃く爪。二度三
度爪とくちばしが交錯した後、鳥型のポケモンは飛び去った。『今のは警告だ』とでも言いたげに甲高い声を上げて。
 あとに残ったのは、ボクを見つめるつぶらな瞳と、暖かで柔らかい体。
 それが、ボクとヒコザルとの出会いだった。



 ヒコザルに名前を付けた、名前は『エンマ』。友達にはもっと可愛い名前にすればいいのに、とか言われたけ
ど、本人(?)も気に入ってるみたいだから大丈夫。…絶対こういう名前の方が格好いいと思うんだけどなぁ。
 なにはともあれ、エンマの元の飼い主だったナナカマド博士が研究のため、ボクたちが住んでいるシンオウ地
方のポケモン達を記録して欲しいということなので、ボクとエンマは旅立つことになった。まずはエンマと一緒
に闘ってくれる仲間を探さないとダメかなぁ…。エンマも一人じゃ寂しいと思うし。やっぱりまずは近くの草む
らかなぁ。でも…。
 「…モンスターボールって高いんだよね…」
ボクはお気に入りのパラセクト型のお財布を開けて閉じる。その日は、いろんな意味で、いつもよりちょっぴり
寒い日だった。


 『ダムダム弾は近来諸所で製造するが随分高価なものであるから、いかに戦争でもそう充分な供給を仰ぐ訳に
行かん。大抵一隊の砲手に一つもしくは二つの割である。ポンと鳴る度にこの貴重な弾丸を消費する訳には行か
ん。』
 そういったのはどこの猫だったかなー、とボクは現実逃避する。あれから家にあったポケモン関係の本を全部
ひっくり返して読んだら、なんでも「ケーシー」というポケモンは成長するとすごく心強い仲間になるそうで、しかも
かなり近くに住んでいる。これはもう仲間になってもらうしかない!…って意気込んだまでは良かったんだけど…。
 
『ケーシー:ねむっている あいだも テレパシーのレーダーを はりめぐらせている。ピンチになると テレポートす
る』

そう、ケーシーはすぐにテレポートしてしまって、なかなか捕まらないんだ…。
 しかもボクのお財布で買えるモンスターボールなんて数が決まってるわけで。
「あー!また逃げたー!!」
 さっきから逃げられては投げたモンスターボールを探すという作業を延々と繰り返してる。あ、もう日が暮れそうだ
…。仕方ないや、今日はこのくらいにしておこう。まだうまく組み立てられないテントをなんとか完成させて、エンマと
ご飯を食べる。明日こそは!と心に刻んで今日は寝袋へ。一日中草むらを走り回ったから疲れちゃった。明日はゲッ
トできるといいなぁ…そんなことを思いながら、ボクは眠りに落ちていった。

 …次の日、朝起きたらエンマの隣でケーシーが寝ていた…。

 昨日あんなに苦労したのに…。思わず落ち込むボクに、ケーシーは「よろしく」と言ったんだろうか。一声鳴いて、ま
た眠った。

 初めてジムに挑戦する!そう意気込んだのはいいんだけど、そのジムリーダーのヒョウタさんは『いわ』のポ
ケモンの使い手。対するボクのポケモンはその『いわ』に弱いヒコザルのエンマと、まだいつも寝ているケーシ
ーのイナリ。…これじゃ勝ち目…というか勝負にならない…。なんとかしなきゃなー、と草むらを歩いていたら
突然目の前に野生のワンリキーが現れた!…というか、飛び出した勢いでジャンピング土下座。呆気にとられる
ボクを前に、そのワンリキーはどうしてこんなことをしたのかを話し始めた…。

 10分後

 どうやら彼は以前腕試しにジムに行ったらしいんだけど、あっさり負けてしまったらしい。そんなわけで修行
を重ねたのでその成果を試したい、と。でも前回の敗因の一つに『トレーナーの的確なアドバイス』があると睨
んだので一時的に仲間にして欲しいということだ。『かくとう』タイプのポケモンは『いわ』に強い。うん!こ
れならいい戦いができるかも!
 そしてコンビネーションを高めるためにしばらく一緒に修行。すごいなぁ、あんなに小さい体なのにボクなん
か軽々と持ち上げちゃうんだ。うーん、まだちょっとしか旅してないのにいっぱい発見があるなぁ。
 その後さらに一緒に修行していざ対決!完璧とはいえないけど、ボクたちのコンビネーションでなんとかジム
リーダーのヒョウタさんに大勝利!でも…あれがジムリーダーなんだ…。手加減してくれてたって言うけど、的
確な指示、そしてなによりもポケモン達とひとつになってるって感じがすごかった…。いつかボクも、あんな風
に戦えるのかなぁ。
 …そしてワンリキーとお別れ。ほんの少しの間だけだったけど、とっても楽しかった。ボクはその背中が見え
なくなるまで、いつまでも手を振っていた。
 夕日がまぶしかったから、ちょっとだけ涙が流れた。

  今日は、お花が溢れる町として有名なソノオタウンに到着。すごいすごい!本当に町全体がお花で一杯だ!
 …とはしゃいでいたらうっかり大人の人にぶつかってしまった。
 「ごめんなさい…」
 とい言っても無視。うぅ…落ち込むなぁ。でもあの人達は…なんだろう、うまく言えないけどちょっと怖い感
じだった。
 「大丈夫かね、お嬢ちゃん」
 と、声をかけてくれたのは村であまいミツを売っていたおじさんだ。なんでも『世界平和のために』いろいろ
しているしている人達らしい。そんないい事をしている割には怖い雰囲気だったなぁ。おじさんの話では人のポ
ケモンを奪ってるって噂すらあるらしいし。とか考えながら歩いていたらまた人にぶつかってしまう。あー、も
う今日はボロボロだー。と、今度は向うから声がかかる。
 「お姉ちゃんって、ポケモントレーナーの人?」
 …うーん難しい質問だなぁ…。まだバッジも一個しか持ってないし…。
 「えっと、ボクは…」
 そう言いかけたボクを遮って女の子が口を開く。
 「お父さんを助けて!あの発電所に捕まっているの!」
 捕まって…ってえぇ!?そしてボクは女の子に引っ張られて発電所へ。ポケモン達の必死の活躍でなんとかそ
の場は収まったけど、まだ足が震えてる。今までのトレーナー達とあまりに違っていたから。
 必要以上に相手を痛めつけて、自分のポケモンも道具としか見ていない。エンマもかなり傷ついてる、ポケモ
ンセンターである程度は回復したけど、それでもまだ数日は休まないといけない。
 …ギンガ団…もう戦いたくない。あんなに怖いのはもう嫌だ。そんな事を考えながらお花畑を眺めていた。

 なんとかポケモンのみんなも回復したので、新しい街『ハクタイシティ』を目指して出発。でもそこに行くに
は、昼間でも暗い深ーい森を抜けなきゃいけない。どうしようかなぁ…とりあえずどくけしが一杯必要だ、って
聞いてはいるけど…、うーん。とにかく前進!
 と、踏み出したところで綺麗な、新緑を思わせる髪のお姉さんが声をかけてくれた。
 「私もこの森を抜けたいんだけど…、どう?一緒に行かない?」
さっきの一歩で見事に直撃した蜘蛛の巣を振り落としながら頷くボク。縦横同時に首を振るボクに笑って、その
お姉さん−モミさんと言った−は、一緒に森を抜けることになったんだ。
 モミさんといろんなことを話しながら歩くと不思議、さっきまであんなに怖かった森がすごく綺麗に見える。
見たこともないたくさんのポケモン達。そして初めてのチームバトル!今までは一人での戦いだったから、すご
く新鮮だった。相手と仲間、一人のときよりもいっぱい考えなきゃいけないけど、それが楽しい。そうだよ!ポ
ケモンも、人間も、一緒に考えて、一緒に戦って。そうして絆が生まれるんだ。ポケモン人間の道具なんかじゃ
ないんだ。
 …そんなことを考えていたせいだと思う、急に涙があふれてきた。止めようとしても後から後からあふれて止
まらない。ダメだ、モミさんに変に思われちゃう。後ろを向いて、なんとか涙を止めなきゃ…。そのときだった。
ボクは後ろから優しく抱きしめられていた。さらさらの髪が頬をくすぐる。とっても優しい匂い。ボクはそのま
ま泣き続けた。ギンガ団のことが全部涙に変わるまで。

森を抜けたのでモミさんともお別れ。いっぱい泣いたせいかずいぶんボクの心も軽くなった。それにここハクタ
イシティには二つ目のジムがある。泣いてなんかいられない。さぁ!新しい挑戦だ!
 さて前回は属性で苦労したけど今回は大丈夫。このジムのメインは『くさ』タイプ。『くさ』タイプに有利な
のは『ほのお』属性。『ほのお』といえば、前回のジム(いわ、じめんメイン)で全く仕事がなかったせいでや
る気満々のエンマ。ちりちりしたやる気…というか火がちょっと漏れるほどにやる気らしい。っていうかもうモ
ンスターボールに戻る気もないらしくそこらじゅうに火の粉を振りまいて…ってダメー!お店の物に火がー!火
がー!お尻に火がつくっていうのはまさにこの事。なにはともあれジムに向かってBダッシュ。急げー!
 さてジムに着いたはいいけれど、どこにもトレーナーの姿がない。「すみませーん!」と声を出そうとした瞬
間エンマがボクの腕をすり抜けて猛ダッシュ。どうも文字通り野生に火がついたらしくもうサーチ&デストロイ
モード。あーもうボクがいないのにバトル始めないでよー!!
 と、いうわけで。
 なんとか二つ目のジムバッジをゲット。エンマもすっかり満足したようでやっとモンスターボールに戻ってく
れた。いつもこのくらい言うことを聞いてくれたら楽なんだけどなぁ。

 ついに!自転車ゲットー!!
 いろいろあったけど念願の自転車ゲット!!やっぱりこれがあるとポケモントレーナーって感じがするなぁ。
なんでも『通りすがりの男の子に壊されるとヒロイン確定』っていうよく分からない話も聞いたけどこれはスル
ー。壊されるのは嫌だしね。
 というわけでこれまた念願のサイクリングロードへ。ここで風をきって走るのは最高だ、って皆言ってるくら
いだからすごいんだろうなー。さぁ自転車に跨ってゴ…?ゴ…!?
 なんでみんなボールから出てるのー!!
 なんかもう皆『さぁ!』って顔で自転車に乗ってるんだけど…。ボクこれを漕ぐの?最初の段差も越えられな
いのに?せめて押すのは手伝ってよー。
 …なんやかやで無駄に注目を集めつつサイクリング開始。すごい!周りの景色がどんどん流れていく!やっぱ
り皆が勧めるだけの事はあるなぁ。すごく気持ちいいもの。…でも、重さの関係で加速が違うせいもあるんだろ
うなぁ…。脅威の一人+5匹ポケモン乗り。ダメだよオクタン!足(?)からまっちゃうよ!
 結局係りの人にこってり叱られてサイクリング終了。あー、皆『さぁもう一度!』って顔でこっち見てるよぅ
…。
 協議の結果、
○一回につき一人のポケモンしか乗せない。
○往復はナシ
というところに落ち着いた。…自転車ちゃんと整備しなきゃ…。

 この町のジムはかくとうタイプ!
 というわけで主力は勿論やっと進化したケーシィのイナリ。…はいいんだけどなんだろうこのジム。すごく
頑丈な襖が邪魔でなんだか迷路みたいだ。ジムリーダーさん以外とはあんまり戦いたくないんだけど、これじ
ゃ無理だなぁ…。無理やり突破も考えてエンマに火を使ってもらおうとしたらすごい剣幕で怒られたし。仕方
ないのでキチンと攻略。イナリの大活躍でどんどん突破してるけど、こうして見ると相性って大事なんだなぁ。
ボクももう少しチーム編成を考えた方がいいのかもしれない。たった一体のポケモンに全滅、なんて話も聞い
たこともあるけど、実際に目の当たりにすると本当だったんだなぁ、って思うもの。
 …実際イナリが一人で全滅させてるし…
 もしかしてこのジム戦て突破できない人なんていないんじゃ…、そ、そんなことはないよね!うん!きっと!
たぶん!まちょと覚悟はしておけ!

 「グワグワグワ、グワワ」
 「グワグワ?」
 「キキー、キーキー」
  …もうどのくらいたったんだろう…、この、その、問答というかなんていうか…。

 話は数時間前に遡る。
 旅を続けるちゃちゃ達の前に、道をふさぐように群れをなすコダックの大群が現れたのだ。どうやら頭が痛
いらしいのだがその後が話が続かない。一流のトレーナーはポケモンの言葉が分かるというがそこはまだ未熟
なちゃちゃ。しかも相手もは初対面のポケモン達となれば、彼女を責めることはできないだろう。ちなみに途
中からちゃちゃのポケモンたちも話に加わっててんやわんやの大騒ぎである。
 そして現在。

 「えっと、薬を取ってきて欲しい…、でいいのかなぁ」
 身振り手振りでなんとかそこまで話をしたのはいいんだけど、肝心の薬がどこにあるかが分からない。コダ
ックさんたちの必死っぷりを見てるとゴメンナサイで見捨てるのも可愛そうだし…。あーもう図鑑にも載って
ないよぅ…。確かここじゃなくてカントー地方?の図鑑に載ってるんだよね確か。テレビで見たカントー地方
のジムリーダー、カスミさんが連れていたのは覚えてるんだけど…。
 「あら、どうしたのお嬢さん」
 あの人も憧れなんだよねー、ボクとそんなに歳も離れてないのに立派なジムリーダー!すごいなー。
 「ふぅん、コダックがねぇ…」
 ボクもいつかあんなふうにカッコイイ男の子と…なんてね!キャッ!
 「じゃあこの薬を使うといいわ、それじゃあねご主人様によろしく」
 あぁいけない、思わず現実逃避しちゃった。えぇとコダ…、あれ?
 「キー、キキー、キー」
 モウカザル(この前進化した)のエンマに裾を引っ張られる。あれ?コダックさんたちがいない?え、向こ
う?
 エンマが指差した先にはすでに小さくなっている人影が…。…うわたたたたた!!お、お礼を言わないとー!
 …その後、なんとか全力疾走で走ったおかげでお礼を言うことができた。あ、危なかったー。

 さ…寒い…!もうどれくらい雪の中を進んだんだろ…。あー、おいしそうなご飯が見えるー。
…熱!
 …今ボクがいるのは216番道路。最初は雪だー、とか思ってたんだけどこれは、ちょっと…。
もう目の前を見るのもつらい吹雪。雪に足をとられて進めないし、もうどうしよう。
 腕の中でボクを一生懸命起こそうとしているエンマ。そうだ…ここで寝ちゃったら…寝ちゃ…っ
た…ら…。
 熱!熱!さっきより近い!
 うぅ…なんとかしなきゃ…。なんとか…。
 そうだ!
 突然ひらめいた!ボクはポケモンマスターを目指しているんじゃないか!こおりポケモンならこ
んなところへっちゃらで道案内してくれる!よーし!
 …いないよぅ…(泣)。
 そうだよね…今までこおりの場所なんていってないもんね…。でもさすがにエンマも寒がってき
ちゃってる…。ゲットしなきゃ!
 …で、誰が戦うの。
 あーーー!!!

 その後は、雪に迷った旅人を助けるという習性をもったデリバードが通報。ちゃちゃはなんとか
ロッジに到着し、事なきを得たという…。
 教訓、行き先の状況はしっかり考えましょう。
 ちゃちゃのポケッチにそれはそれは深く刻まれたという…。 

 急がないと…!急がないと…!!
 「テンガン山の山頂へ急いでくれ!そこでギンガ団が何かをしようとしておる!!」
 ナナカマド博士からの連絡。とても悪い予感がする。邪魔をするギンガ団達を蹴散らして走る。
今はそんな暇なんてないのに…!!
 なんとか山頂にたどり着いたボクの目に飛び込んできたのは、予想を遥かに超えたものだった。
一体の巨大なポケモン。それが怒りの心と共に咆哮する姿だった。…そしてその前に立っている
ギンガ団のボス、確か名前はアカギっていったはず。その人が手に紅い鎖をもって立っている。
 …止めなくちゃ。
 まずはあの人を倒さないといけない。
 モンスターボールを構える。今までの全てを賭けて、勝たなければいけない戦い。
 「…行って!エンマ!!」

 キィ…ン。
 高い音をたててアカギの手にした鎖が砕け散る。彼はまた、己の野望に身を焦がし続けるのだ
ろう。それはカタがついた。だが。
 「おお…これが、時を操るという伝説のポケモン、『ディアルガ』…」
遅れて到着した博士が喉の奥から言葉を搾り出す。鎖の束縛から開放されたディアルガは、今や
本能に従い、世界の時を大きく歪めようとしていた。神を無理やりに召喚した代償に、世界は滅びよ
うとしていた。
 その嵐の中、ちゃちゃは一人立っていた。
 目の前に立つディアルガの怒りは、痛いほど伝わってきた。
 眠りを妨げられた怒り。
 無理やりに力を使わされた怒り。
 そしてなによりも、人間に裏切られた怒り。
 「…ごめんなさい」
 ゆっくりと腰のモンスターボールを付けたベルトを外す。彼女を想い飛び出したポケモン達は時の
嵐に吹き飛ばされ近づくことが出来ない。
 「許してなんて言えないけど、でも」
 両腕を広げ、敵意がないことを示す。
 「……」
 最後に動いた唇は何を語ったのか。ちゃちゃは時の嵐に飲み込まれていった。

 それから数ヶ月。ちゃちゃはチャンピオンリーグの入り口に立っていた。
 腰のモンスターボールには鍛え上げた仲間たち。そして…ディアルガ。
 あのとき、ディアルガが何を想ったのか。それは誰にも分からない。だが、気がついたちゃちゃの
前には、ディアルガが入ったモンスターボールがあった。その場にいた博士達が言うには、時に嵐
が収まったとき、倒れたちゃちゃとそのボールがあったらしい。
 その後、何度呼び出そうとしても開かないボールは恐らくもう一度人間を観るため。
 ちゃちゃの旅を通じて彼はもう一度ヒトを試しているのだろう。
 そして。
 ちゃちゃはいくつかの困難を越え、チャンピオンリーグに立った。
 鍛えたポケモン達との絆をもって彼女は立ち向かう。
 ディアルガは、その絆をどう見るのだろうか。それは誰にも分からない。
 だが。
 きっと。彼らの想いは伝わるだろう。
 これまでに出会ったトレーナー達と、これから出会うトレーナー達。
 誰もが皆、ポケモン達を愛しているのだから!