前のページ

でぃましゅく
ウラ通り事情 f(^^;

その7

その6・人の名前は難しい

人物設定に関連して、登場人物の名前を決めるのもなかなか大変な作業なのだ。 この物語にはアラブ人、ペルシア人、トルコ人が出てくる。一部キリスト教徒やユダヤ教徒の脇役もいるけれど、ほとんどがムスリムなので皆アラビア語のイスラーム名だけで済ませてしまっている。たぶん本当はペルシア語やトルコ語の名前も持っているはずなんだけどね。なにしろペルシア語やトルコ語の名前なんて、よくわからないんだもの。付けられないよ、そんなの。

アラビア語の名前だって結構難しい。ほとんど聖書関係者の名前で済ませてしまっているなあ。(^^;

聖書関係者の名前は旧約、新約に出てくる人物がクルアーンにも出てきていて、皆アラビア語の読み方で表されている。実際、それらの名はよく耳にする名だし、支配者の名前もそういう名前が圧倒的に多い。ちなみに、ユースフはヨセフ、イスハークはイサク、スライマーンはソロモン、ムーサー(ユースフの弟、第3話に登場予定)はモーセ、ハールーンはモーセの弟アロンなのだ。

ムハンマドやアリー、ハサン、ジャーファルなどはイスラームの著名人で、その他女性の名やシュフラ、あるいはラカブと呼ばれる通り名(アルが頭につく名前)はアラビア語の辞書から拾った名詞形容詞なんかを使っている。その人にぴったりな名前が見つかるとうれしいんだけど、見つかるまでとても手間がかかるのだ。

ちなみにちなみに、ハールーンの本名ハルワはハールーンと音が近いけれど、それだから付けたわけじゃないのです。アラビア語の音ではハの音もルの音も違っている。全く違う音を持つ言葉なのだ。日本語にはない音をそう表記せざるを得なくて混同しているだけ。なにしろアラビア語、ハ行、サ行、ザ行は3つ(フとスは4つ)、ア行、タ行、ダ行、カ行、ラ行は2つとたくさん異音同表記があって、日本語で書くとどれも同じになってしまう。全く不便なことだ。


前のページ ウード その7