作者にも言わせて!!

―― 第2回 ――

名 前

名前。人の名前、物の名前、土地の名前……。名前にはいつも苦労させられます。物語の雰囲気を決める重要な要素にもなるので、もっとよく考えて付けなきゃと思うのですが、思うだけ。私の名前の付け方はとてもいい加減です。だいたい架空の世界のお話なのだから、既存の名前は極力避けるべきですよね。それなのに、ヨーロッパ系の名前をバシバシ使っている。やっぱ、問題アリかなぁ……。

こうなってしまったそもそもの原因は、主人公の名前をユリウスにしてしまったことにあるのです。東方の種族の血を引く、黒い目に黒い髪の主人公を考えた時、私は名前を迷わずユーリと決めてしまいました。ここまで書くと、私が何に影響されたのか、ご存知の方がいるかも知れません。その時はそれほど意識してなかったけど、結果的に私は私の一番大好きな漫画にあやかって、名前を付けていたのです。そんでもって、主人公からしてヨーロッパ系の名前なのだからと、ドンドンそれ系の名前を付けていってしまいました。土地だって、ヨーロッパをなぞらえているのだから、いいかと……。そうなるとエルボラーズやセムでは、アラブ系の名前がバシバシ出てくることになりますが……。まっ、いっか、開き直っちゃおうっと!!

ちなみに、この世界では名字にあたるものはありません。名前の後ろに「アル+○○(父の名)=○○の息子」「アリア+××(父の名)=××の娘」と付けます。回りの人が付けたあだ名を通り名として付ける場合もあります。名門貴族が「○×家」と名乗る場合、その○×は自分たちの祖にあたる人の名前で、これも名字ではありません。これはアラブの名前の付け方を真似したものです。ケルトでもこういう名の付け方があるようですが……。父親が自分の子供に無責任ではいられない、そういう社会を示しています。でも、それでも捨て子はいるので、そういう子は代わりに「アルエイロス(神様の子)」「アリアエイロス(神様の娘)」を付けます。もっとも、普段はアル〜を付けて呼ぶことはないので、皆あまり意識していません。

それから、植物の名前なんかは実在のものもあれば、架空のものもあり、いろいろです。知識があれば、もっとそれらしく書けるのですが、ないのでいい加減にデッチ上げるしかありません。こないだ、架空のつもりでウラジロガシなんて書いたら、実在していて、しかももっと暖かい所に生えてる木だったので、やっぱりウラジロモミにすればよかったなんて、変な後悔をしてました……。

高見の丘

さて、次回は『キリスト教的なものからの離脱』について書きます。