きんとさんのお気楽ゴクラクのーと

K.水谷


幸せの連鎖


9月16日 (火) 頭の中を六甲おろしがグルグルと (^o^;

昨日から阪神タイガース優勝で大阪もテレビも大騒ぎなのである。
私はお祭好きなので、その大騒ぎを眺めて楽しんでいる。
とゆーか、今シーズンはずーっと甲子園を眺めて楽しんでいた。
甲子園で阪神が勝利するたび、あの独特の幸せに充ち満ちた時間と空間に取り憑かれたように眺めていたのだ。

人間が幸せを感じる時、脳内には麻薬のようなホルモンが分泌しているらしい。
その人間が幸せを感じるような刺激を感覚器官に感じると、セロトニンやらエンドルフィンやらが脳みそを刺激して「幸せだ〜」と幸福感やら満足感に浸る。
と、同時に神経伝達物質ドーパミンがドパーっと出てくると、それに快感や高揚感が加わり、やたら陽気にわめきたくなったり踊りたくなったり、という情動に結びつくのである。
今シーズンの甲子園はまさにこのドーパミン出まくり状態だった。
そして、人間の感情や情動は伝染する。
例えば隣の人が怒っていると自分は関係なくてもだんだん不愉快な気分になってきたり、逆に友人が嬉し泣きにむせんでいると、自分も嬉しくなってもらい泣きしたり。
甲子園で勝利インタビューの時、選手とファンが共有する「幸せ快感波」はすり鉢状の球場全体に広がり増幅され、その波がTVを通してこちらにも伝わってきて、ファンでもないのに一緒に幸せ〜な気分に浸ってしまうのだ。
そして麻薬のように、それを求めるようになってしまうのだ〜。
あな、恐ろし。

今年、野球のやの字も知らなかった伯母が突然阪神ファンになってしまった。
お盆に祖母の家(ばあちゃんは伯父伯母と同居)に行った時、去年まで選手の名前など一人も知らなかったはずの伯母が「今岡、赤星、浜中」と選手の名前をそらんじ、根っからの阪神ファンの伯父よりもTV観戦に夢中になっている姿を見てしまった。
その楽しそうな顔といったら。
伯母は長い間精神的なトラブルを抱えていて、一時期はそれで寝込むほどだったのだ。
今はもうだいぶ良くなって普通の生活を送れるようになったのだが、それでもあんなに楽しそうな伯母の顔は本当に久し振りに見たと思った。
おそらく、伯母にとって一番心を癒してくれたのは阪神だったのではないだろうか。
推測するに、きっと伯母も何気なく見てしまったのだ。
伯父がいつも見ている阪神戦のTV中継で、あの幸せに充ち満ちた甲子園球場を。
そして伯母もまたあの強力なドーパミン効果満点の「幸せ快感波」を受けてしまったのだ。
選手の活躍に一喜一憂し、球場の人々と共に応援し、喜びを共感することで更に深く得られる幸福感と高揚感に取り憑かれてしまったのじゃないだろうか。
京阪神地区だけでなくあちこちから、一体どこにいたのかと思うぐらい阪神ファンがうようよ出てきて、ワーワー言っているのを見ていると、皆この幸せの連鎖につながって浮上してきたのだなあ、とつくづく思う。

まあなんにせよ、不幸の連鎖よりはずっとずっと良いことなのである。
ドーパミンが出過ぎて、情動に走りすぎるのは困りものですが。
うちのオットなんかは醒めた人なので、私が何回も優勝シーンを見ていると「まだ見てるの?」と呆れているが、私は快楽主義者なので、もう少し、この「幸せ快感波」を感じていたいと思うのであった。


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