きんとさんのお気楽ゴクラクのーと

K.水谷


CGの使い方


7月 10日 (木)

久しぶりに書くことあったと思ったら、またアニメ話。
そんなんしか書くことありません・・・話題不足の自分です。

「ラスト・エグザイル」(テレビ東京月曜深夜)はすんばらしい出来ですなあ。
最初に出てきた空飛ぶ巨大戦艦で「風の谷のナウシカ」か「天空の城ラピュタ」か?と思い、ヴァンシップレースは「スターウォーズ」のポッドレースか?と思い、クラウスとラヴィのお父さんたちの写真は「紅の豚」か?と思い、マントと長髪なびかせたシルヴァーナの艦長には「キャプテンハーロック」か?と思い、美人の女性副官(艦長に恋)にはなんだ「不思議の海のナディア」のネモ船長ラブのエレクトラさんぢゃないか!と思ったんだが(長くてすんません)、そんな様々な「どっかで見た」を差し引いても、映像のすばらしさに引き込まれてしまう。
映像が素晴らしすぎて、お話の方はちょっと集中力を欠いているような散漫な感じが見受けられるんだけど、最近はだんだんお話の全貌が明らかになってきてあまり気にならなくなってきた。
CGの使い方がすごくうまくて、CGでできる表現は最大限活かし、しかもセルの部分にはちっとも邪魔してない(もしかしてセルじゃなくてセルっぽく見える所もCGなのかな)。
そんでもって、淡色の色遣いがとてもきれいで、背景だけでもボーッと眺めていたくなる。
こんなスゴイ作品、いきなり出来るのかいなと不思議に思ってたんだけど、タチアナの顔を見てまた「どっかで見たことあるな〜」と考えて思い出した。
あー、「青の六号」だ!
そうかそうか、あのスタッフが作っているのね、どうりでうまいはずだ。
「青の六号」はOVAなので見てないのだが、当時話題になって、宣伝PVはよく見ましたよ。

最近のアニメはCG処理が当たり前になってきたけど、セル部分とかみ合ってないアニメはまだまだ結構ある。
それにフルデジタルアニメの方が結構お安く見えてしまうのだよね。
ディズニーとかのフルデジタルはそうでもないんだから、実際お安く作っているのかもしれない。
つまり、画像処理の便利さにおぼれて努力を怠ると、とってつけたような映像にしかならないんだろうな。
「BS漫画夜話」の再放送で「最終兵器彼女」の回を見た時、あの漫画は作者氏がCGを使っているけれど、それが使ってるとわからないほど自然に使っている、つまり作者氏がCGを完全に道具として使いこなしているからだ、という解説があった。
その感覚って、画像処理をやる人には大事なことなんだろうと思う。
こういう処理が出来るからじゃあそれを使ってやってみよう、というのではなく、自分がこういうことをしたいからそれに使える処理を使うということだ。
それは画像処理の使い方をよく知らないとできないことだし、自分の表現したいものがはっきりと見えてないとできないことだろう。
「ラスト・エグザイル」でも、人間の表情、機械の質感、空の広がりなど、まず表現したいものがはっきりしていてそれに合わせてCGを使っているということがよくわかる。
だから、見ている目にも〈CGの絵〉ではなく〈表現されたもの〉として違和感なく映るのだ。

「こういう処理が出来るからじゃあそれを使ってやってみよう」的なCGの使い方をしているのは他にもある。
歴史関係のNHKスペシャルだ。
最近やたらとCGを使って昔を再現しているが、あれがどうもいただけない。
ちゃんとしたデータを基に作り上げている映像だから、資料的にも価値はあるし、説得力のある映像ではあるのだが、「どうだ、すごいだろう」とNHKがリキを入れて紹介するほどの迫力は見受けられない。
なんだかなあ、感動がないんだよなー。
それよか、ちっちゃい箱や工作で作ったジオラマの方がよっぽど迫力あるし感動するんだよなあ、実際。
奈良の平城京の資料館にいったとき、本物の平城京の何百分の一?かのジオラマが展示してあったんだけど、細部にわたるまできれいに細かく作ってあって「うわあい、かわいい!」なんて思いながら四方八方からいつまでも眺めていたですよ。
ここはこうなんだー、とか、あそこはそうなってるんだー、とか納得しながら、頭の中には想像の世界が広がるのだ。
まあ、映像と実物の違いはあるけれど、これもやっぱり〈CGの絵〉と〈表現されたもの〉の違いじゃないのかなあ。
CGを使うなとは言わないから、もう少し工夫して表現することに力を入れてみたらどうでしょう。
見る人の想像をかき立てる、そんな「昔の再現」であってほしいものだ。

このように偉そうなことを言っている私だが、画像処理は苦手だ。
フォトショップは未だにうまく使えない。
あーでもないこーでもないとさんざいじくったあげく、下絵をめちゃくちゃにしてしまう。
道具に弄ばれているのである。
私が画像処理ソフトを真の道具として使いこなすにははるかな年月が必要であろう。


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