きんとさんのお気楽ゴクラクのーと

K.水谷


ならず者は誰か?


12月 5日(木) 晴れ、散歩日和

「戦争中毒」絡みで面白いトピックを紹介したい。
9.11テロ事件以降、オープン・ジャパンという平和団体が展開している「グローバル・ピース・キャンペーン」のメルマガをずっと読んでいて、「戦争中毒」もそれで知ったのだが、今日のメルマガはカナダの団体がアメリカに武器査察チームを派遣する運動を始めた、というものだった。
これは読んでいて痛快な話だと思い、さっそく署名をしてしまった。

だいたい、アメリカはイラクに対し大量破壊兵器は持っていないか、核は持っていないか、化学兵器は持っていないか、生物兵器は持っていないか、とイチャモンをつけているが、アメリカはどうなのよ!
その全てを持っていて、しかも世界中のどの国よりたくさん持っているのはアメリカ自身なのだ。
人のことが言えた義理か?
アメリカは正義だから持っていてもよくて、イラクは悪だからいけない、という偽善的で独善的な言い訳がなぜまかり通っているのだろう。
わたしはもうアメリカの見え見えの正義面には辟易していて、どうせならそんなありきたりな言い訳をせずに、どうどうとやりたいことをやったらいいじゃないか、なんて思ってしまう。
自分たちが戦争をしたいのは儲けたいからだ、自分たちの力を世界に誇示したいからだ、と言ってね。
まあそれこそ、ブッシュ言うところの「ならず者」国家じゃないですか。
人の迷惑顧みず、だからねえ。

テロの問題は「やられたらやり返せ」では絶対に解決しないし、イラクや北朝鮮の問題も一方的に悪と決めつけて責め立てるだけでは解決しないだろう。
アメリカは世界の警察を気取っているけれど、そのやり方は開拓時代の西部の保安官と全然変わらない。
いや、やたらぶっ放さない保安官の方がまだマシかもしれないが、ともかく21世紀の世界は荒野のならず者だらけの西部とは違うのだ。
現代アメリカの銃社会も昔と変わらないならず者社会かもしれないが、それを国外まで持ち出すのはやめて欲しい。
みんな努力してスマートにやろうとしているのだから、アメリカだってルールを守って欲しいよね。
拳銃ぶっ放してナンボの世界はもういい加減に終わりにしてくださいよ。

というわけで、相変わらず日本もはっきりした根拠もなくイージス艦派遣を決め、アメリカの後をしっぽ振ってついていく犬状態ですが、しょうもない政府を今すぐ変えることもできないので、少しでもこういう運動がアメリカを変えるきっかけになれば、と賛同する次第なのです。
以下にメルマガの内容を転記します。
とても説得力のある面白い内容なので是非読んでください。

######## 転記始め

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★グローバル・ピース・キャンペーン★
OPEN-J BOOMERANG 261【カナダから まじめなアクション】
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◆今村 和宏◆

■米国に査察チーム派遣■

国連査察団がイラク側の協力のもと作業を続けています。3日朝にはとうとう、バグダッド市内のスジュド大統領宮殿に入りました。イラク側は「主権と尊厳の象徴」として無条件査察を拒み続けていた施設への抜き打ち査察にも協力した形です。

ブッシュ政権は、アラブの威信を傷つけるような神聖な宮殿の査察には妨害行動が誘発されると期待していたはず。当てが外れて困っていることでしょう。このまま査察が順調に進んだら、イラク攻撃に踏み切るのはむずかしくなる。その苛立ちが日に日に高まっているのは間違いありません。

査察が順調に行き過ぎたとき、米国側が勝手に決めた飛行禁止区域での爆撃を強めてイラクを挑発する行為をエスカレートさせる恐れがあります。それはいわゆる「ならず者」の手法です。

アメリカは他の国を「ならず者」呼ばわりしてたたきつぶすと言ってはばかりません。しかし、アメリカこそ「ならず者」では、と思う人は珍しくありません。「アメリカこそ大量破壊兵器の査察を受け入れるべきだ」とのまじめな冗談を言ったり聞いたりした人は少なくないでしょう。でもそれはそこまでの話、その先を考える人はいません。

ところが、その先を具体的に考える勇気ある人たちが現れたのです。アメリカのメディアによる戦争プロパガンダの嵐に一番さらされているお隣、カナダの平和団体の連合です。かれらはブッシュ自身が掲げた『ならず者』国家の定義を逆手にとって、アメリカへ査察団を送る正当性を主張し、実際に専門家を派遣する予定です。

これを読んだとき、あまりに痛快だったので、ゲラゲラ1人笑いしてしまいました。ブッシュ政権がそれを受け入れることは考えられませんが、ブッシュ政権の道徳的優位性を真っ正面から切り崩すアピール力はあり、多くのアメリカ人の目を覚ますことになるでしょう。

本文中にかかれたサイトで署名して運動をサポートしましょう。手順はいたって簡単。氏名とeメールアドレスと国を書いて“sign up”のボタンを一度押します。短いメッセージを書くこともできます。すると、数分以内に確認のメールがきますから、そこに書かれた最初のURLをクリックして、ホームページに戻れば終わりです。

署名者は4日未明現在でまだ約1400人ですが、昨日から勢いが出てきました。1万人を超えるのも時間の問題でしょう。

『戦争中毒』同様、このアクションは深刻な問題でも笑い飛ばす姿勢がいいと思いました。悲観的になりがちな状況の中でも、そんな余裕を持てた時、前進する力が湧いてきます。

森沢典子さんが『パレスチナが見たい』(TBSブリタニカ)の中で、苦境下のパレスチナ人のことばを伝えています。
「私たちにとっては、こうして冗談を言って笑いを失わないことが闘いなのです。」

笑いを忘れて攻撃性だけ残ってしまったら、こちらの負けです。

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カナダ人団体、アメリカに兵器査察チームを送る計画
2002年11月21日

(トロント)カナダの平和団体の連合はこの日、冬の終わりまでに国際的なボランティア兵器査察チームを合衆国に送る意向を公表した。「邪悪なもの根絶」連合は、新設サイトを通して査察メンバーを募集中だ。

「われわれのアクションは、他でもないジョージ・W・ブッシュが促してくれたものだ」とメンバーのひとり、クリスティ・ファーガソンは言う。「ブッシュ政権は繰り返し、『ならず者』国家の特徴を以下のように定義してきた」

1)大量の化学兵器、生物兵器、核兵器を保有する
2)国連のプロセスを無視する
3)国際的条約に署名し遵守することを拒否する
4)非合法的手段で政権を執るに至った

「ブッシュ大統領のガイドラインに従えば、現合衆国政権が世界の安全保障に脅威を与えているのは明らかだ」とファーガソン。「われわれはブッシュの手本に習い、合衆国が我が査察メンバーに対して、大統領施設を含む国内すべての施設への即時無条件の立ち入りを認めるよう要求している。それによってこのならず者国家の大量破壊兵器を見つけだすことができるはずだ」とデイビッド・ランジルが付け加えた。

「邪悪なもの根絶」サイトを訪れると、兵器査察チームの名誉会員として登録することができる。名誉査察員は当アクションに参加するだけでなく、単に署名などの形で名前を貸すことも可能。実際にアメリカ国内に入る査察団はカナダと他国から参加するボランティアの専門家によって構成されることになっている。

「邪悪なもの根絶」連合は、「グリーンピース・カナダ」「社会正義センター」「戦争と経済制裁に反対するトロント委員会」から構成され、「イラクに対する戦争を終わらせる全国ネットワーク」「グローバル・エクスチェンジ」「平和と自由を求める女性国際連合米国支部」などアメリカのグループの支援を受けている。こうした団体は、いかなる国が大量破壊兵器を開発、貯蔵、使用することにも反対する。

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(翻訳:今村 和宏、池上 陽子)

英語原文:
http://vancouver.indymedia.org/news/2002/11/23017.php

######## 転記終わり


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