きんとさんのお気楽ゴクラクのーと

K.水谷


サッカーのエバンジェリストたち


6月7日(金) まだ6月なのに夏の日!

毎日サッカー漬けである。
以前からJリーグの試合などはよく見ていたけれど、これほど毎日サッカーを見ることは今まで一度もなかった。
しかも毎日毎日、どの試合も面白いのだ〜。
Jリーグだと退屈で寝てしまう試合も多いけど、さすが一流の選手たちの試合だもの、ほんと見せてくれるのだ。
アメリカ人がサッカーをあまり見ないのは、点がなかなか入らなくて退屈だから、だそうで、その理屈から言えば昨日のフランス対ウルグアイ戦なんて0対0の引き分けで最もつまらない試合なのだろうが、とんでもない!
あんなに目が離せない試合はないってぐらい面白かった。
どちらもちょっと荒っぽかったけど、どちらも負けたくないから必死で、あのフランスチームでさえいつもの華麗さはどこへやら、目の色変えてボールを追っかけてたものね。
テクニックを駆使した華麗なプレーも面白いけど、あんな勝ちにこだわった必死なプレーも気持ちがよく伝わってきてハラハラさせる面白い試合だ。

考えてみれば、世界の一流プレーヤーが日本にやってきてプレーしているなんて、ほんとうに夢みたいなことだ。
そこに日本代表チームも堂々と仲間入りをしているということも。
全然人気のなかったスポーツがよくここまで成長したな。
こないだ「プロジェクトX」でJリーグ発足のプロジェクトをやっていたのを見たけど、サッカーを愛する男たちが日本にサッカーを広めようとして貫いた理念と地道な努力がよくわかって感動した。
地域のスポーツ振興と結びついた活動は確実にサッカー人口のすそ野を広げたし、どのクラブチームにも平等なリーグ構成は選手たち子どもたちに頂点を目指す夢を与えた。
Jリーグの向こうにはさらに世界が広がっている。
スポーツにはやはり夢が必要なのだ。
やる側にも見る側にも。
サッカーは大きな夢が描けるスポーツだ。
だから人々を引きつけるのだ。

そういうスポーツだからかどうかわからないが、サッカー選手はプレーする場所には割とこだわらない。
自分の力が発揮できる場所なら、どこででもこだわらず出かけていってプレーしている。
Jリーグ発足当初から、世界の一流選手が招かれて日本にやってきたのには本当に驚いたものだ。
ジーコなんて本当によく来てくれたな、と今でも思うけど、おそらく極東のサッカー後進国のプロチームを一から作るという試みが面白くて来てくれたんだと思う。
他にもジェフに来たリティとかグランパスに来たリネカー、ストイコビッチ、ジュビロに来たドゥンガ、他にもたくさんたくさん(名前がぱっと浮かばないくらい)、皆それぞれ求めに応じ快く来日し、私たちに一流のプレーを見せてくれ、そしてサッカーの面白さ楽しさを残していってくれた。
選手たちには技術やスピリットや学ぶべき多くのものを残していってくれた。
そして選手たちは成長し、私たちはサッカーを見る楽しさを覚えたのだ。
彼らはこのサッカー後進国に福音を授けたエバンジェリストだったのだなーとつくづく思う。
Jリーグ発足から10年経ち、彼らの残したものは確実に育ったのだ。
日本はついにここまで来た!

ワールドカップは4年に一度のサッカーの祝祭だ。
外国からやってくるサポーターたちも無礼講ではしゃぎ回っている。
サッカーに興味のない人にはアホらしいバカ騒ぎでも、サッカーのお祭りはこうやって楽しむもんだよ、なんて教えてくれているようにも見える。
心を解放し、心ゆくまでサッカーを楽しみサッカーに酔う、ちょっと酒に酔い過ぎってとこもあるけど、それでも彼らは本当にサッカーで楽しむことを知っている人たちだ。
バッカスたちの饗宴を一生に一度のお恵みと思い、私も楽しみたい。
日本はまだまだ一流チームから見ればおミソだけど、でももはやサッカー後進国じゃない。
成長したことを世界の人に見てほしい。
がんばれ、ニッポン!


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