きんとさんのお気楽ゴクラク日記

K.水谷


コンプレックス


1月 26日(金) 曇り

この間、オットに愚痴をこぼしてたら、「キミ、もうちょっと前向きな考え方ができないの?」と言われた。
私の考え方は後ろ向きだとよく言われる。
そりゃ、そーよ。コンプレックスの固まりですもの。
これでもまだ良くなった方で、まだ鼻垂らしてたガキンチョの頃から、私はいつの間にか身に付けた劣等感とともに生きてきた。

辞書で引くと、コンプレックスには二つの意味があって、一つは抑圧によって生まれた一種のゆがみを持つ感情で、マザコン、ファザコンなどはこっちに入る。
もう一つがインフェリオリティコンプレックスのことで、いわゆる劣等感の意味。
英語の辞書を引くと、スペリオリティコンプレックスというのもあって、こちらは優越感のこと。
コンプレックスの一語で劣等感を意味しちゃうのは、やっぱり日本人だからかしら。
いずれにしても、ゆがんだ感情であることは間違いない。
問題はなぜ、いつの間に、誰にも教えられないのに、そんな負の感情を身に付けてしまったのかということだ。

同じような負の感情で、恐怖症というのもある。
こっちの方が深刻なんだけど、それについて面白い話を聞いた。
催眠療法の先生が言うには、恐怖症というのは一種の自己暗示なんだそうだ。
なにかのきっかけで、「××は恐い」と自分に暗示をかけてしまう。
その後その××に遭遇すると、恐くて仕方なくなるというのだ。
なるほどな、と思った。
今までは暗示ってどれほど効き目があるのかわかってなかったけど、自分の雷恐怖症と高所恐怖症のヒドさを考えると、結構強力な効き目を持っているのがよくわかった。
だってさ、恐くないって頭でわかっていても、恐いって感情が克服できないんだよ。
勝手に動悸がしてきて、血圧上がって、落ち着きがなくなって、逃げ出したくなる。
暗示でスイッチが入るってこういうことなのね。
で、催眠療法では患者を退行催眠にかけて、そのきっかけを探り、治療するという方法を採るのだ。

恐怖症ほど顕著ではないにしても、劣等感とかも似たような仕組みで起こるんじゃないのかなあ。
物事の善悪が判断つくようになる年頃から、何らかの事情で「自分が悪い」という意識を自分で植え付けてしまうと、自己評価する時に、常に自分が悪い、劣っていると思うようになるのではないか。
だって、コンプレックスに陥ってる時も、理屈じゃそんなことないってわかっていても、どうしようもないことが多いもの。
ほんとは落ち込んだり、自分を卑下したり、エスカレートして逆ギレしたりなんてこと、誰だってしたくないはずでしょ。
私だってそんなことしたくないけど、気がつくとはまっているのよね。
しかもこういう強い負の感情って、なぜかエスカレートする傾向があるから、そうなっちゃうと始末に負えない。
本当の意味でコンプレックスを克服するには、やはりきっかけを探るところから始めるしかないのだろうか。

そう考えると、退行催眠にもちょっと興味が湧く。
自分のコンプレックスが、いつ何がきっかけで、どうやって植え付けられたのか調べてみたい。
こういうのって、親のせいとか、社会のせいとか、そういう一般論じゃ片付けられないところあるし、自分はどうなのか知りたいよね。
あー、でもそんなことオットに言ったら、また「それって人のせいにしてない? それ後ろ向きな考え方だよ」って言われそう……


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