きんとさんのお気楽ゴクラク日記

K.水谷


売れる(?)本


11月 28日(水) 晴れ

昨日、用事で街に出たついでに本屋さんに寄った。
おっきな本屋さんのPC書籍売り場へ行くと、ありました、ありました。
さすがに出たばっかりなので、本棚の前の2列の平積みの手前側にドーンと。
はぎさんの努力の結晶、『使える JavaScript & DynamicHTML サンプル大全』がありました。
いやー、表紙のサンプル画像見た時はイマイチと思ったんだけど、実物は良かった。
ケバ過ぎず、清潔感があって、それでいてちゃんと目を引く表紙だ。
その実物を手に取ったら、思わず顔がニヤけてきた。

なんかさー、やっぱりうれしくって!
自分の身近にいる人の創った物が、メジャーな場所で売られてるってことがね。
はぎさんの場合、本を出したのは初めてだし作家としての実績もないけど、Web のJavaScript の世界じゃ、知る人ぞしるって人でしょ。
今さら、本出したからって何か得するってこともないし(もちろん印税はもらえるけど)、Web 上で注目される以上の注目を受けるってこともないだろうし(なにしろ部数が多くないから、書店からはすぐに消え去る運命だ、いやいつまでも売れ残って書棚の片隅に忘れられるかもしれない――いずれにしろ、それほど人の目に触れることはない)。
でもやっぱり、公に売られているってことは、すごいことだよ。
普通の人はできないもん。

そう、物書きの端くれとしては、ちょっと妬けるのだ。
私なんて、どう転んだって、メジャーで出版なんてできないもの。
自費出版がいいとこよ。
「私の西遊記」を自費で作った時はお金がなくて、小冊子形式の安い製本しかできなくて、それでもお金が足りなくて、優しい印刷屋さんにオマケしてもらったのだ。
それを読んだ友達がとても気に入ってくれて、出版社に持ち込んでくれたのだが(その会社は売れそうならメジャー出版してくれて、ダメなら自費出版でどうぞという審査をしてくれる会社だった)、やっぱり自費出版でどうぞの方で、しかも費用は百万〜二百万もかかると言われた。
自費出版なんてお金がかかるばっかりで、まるっきり自己満足自己陶酔の世界なのよね。
まあ、好きで書いてんだからいいんだけどさ。
とにかく、メジャーという世界は売れるという要素が第一の厳しい世界で、好きだからは全然通用しないのだ。

メジャーにかかわっている人達は、ホントに厳しくて、何が売れるかをよく知っている人達だ。
物書きの場合は様々な懸賞があって、メジャーになるためにはそれに応募するのが早道なのだが、何千何万という応募作品の中から選ばれるのは、佳作も含めてたったの数本なのだ。
いったいどこをどう見て審査しているのだろうと不思議に思うが、プロの目が見れば、善し悪しがちゃんとわかるのだろう。
彼らの目を引く、売れそうな文章を書くためには、よほどの天賦の才があるか、よほどコツを知っているか、とにかく才能と努力と運を持ち合わせていないとできないことなのだ。
私は応募したことないけど、自分の文章はそれなりであっても、それ以上に人の目を引いたり説得力があるというわけではないので、メジャーデビューは夢のまた夢だ。
それは自分でよくわかっている。

はぎさんの本は果たして売れるのだろうか?
実は、同じ JavaScript 本でも、中上級者向けなのであまり売れないだろうと予想している(本を買うのは大抵初心者だから)。
でも、一方で本を出すことを勧めてくれた出版社を信じたい気もする。
彼らにとってはメシの種、売れない物を作ったりはしないし、その辺の見極めもプロなはずだからだ。
本に関してはプロな彼らが、コイツは売れる! と目を付けてくれたのだから、イイ線いってるはずなのだ、たぶん……。

いーなー、はぎさん、出版社の方から目を付けられるなんてさ、まるでスカウトマンに掘り出されたルーキーピッチャーみたいじゃん、とひがみつつも、ニヤけたまま隅から隅まで立ち読みしてしまった(いや、読んだのではない、眺めただけ。だって script 読めないんだもん)。
そのままお買いあげしたかったけど、ウチは出版社から直販してもらうもんねー、なんてったって作者の関係者だもーん(自慢!)、とそのまま帰ってきた。
でもね、きっと万が一いや百万が一、自分の本が本屋さんに並ぶ時が来たって、ニヤけて眺めたりなんかしないぞ。
自分のだと恥ずかしさ百倍だからねー、人の目にさらされているのを見るのなんて、耐えられないよ、きっと。
ちなみに、はぎさんの本には私も参加してます。
表紙の左上にきんととの絵がついてるのと、あるサンプルに私の自画像が採用されてるの(それだけ f(^^;)。
本屋さんで見てみてね。


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