「ダイエーが優勝して、喜んだ博多の人々が川に飛び込んでいる所をテレビでやっていた。それも一人や二人じゃなくて、20人位が橋に並んで、一斉に飛び込んでいた。圧巻で凄かった」
最初からこう言えばいいのに、「すごかった」としか言わないので、聞く方はいちいち質問しなければならない。
これはまだ短い方で、ひどい時は20分くらい色々質問しないと、話の全容がわからない時もある。
前に聞いた話だと、こういう話し方をする人を「ズーム・インな人」と言うらしい。
会話の述語部分しか言わないことは、いきなりズーム・インから始まるのと同じで、カメラを引かないと全貌が見渡せない、つまり色々聞かないと全容がわからないということだ。
何を隠そうこの私、立派な「ズーム・イン人間」で、はぎさんは私の話を理解するのにいつも苦労している。
はぎさんは面倒くさがり屋なので、あれこれ質問しないと通じない話には、できるだけ付き合いたくないようだ。
質問がうまく的を得ていれば会話もスムーズだが、時々方向が違ってしまう時もある。
そういう時は、「ちがうよ、だからぁ」が連発されて、堂々巡りになって、しまいにはイライラが募って怒ってしまう時もある。
こないだ、会社から帰ってきて「もう爆発寸前だったよ」こぼしていた。
私だけでなく、「ズーム・インな人々」はあちらこちらにいるらしい。
なぜ爆発しそうになったのかというと、最近「はぎさんちのページ」が盛況なおかげで、質問メールがたくさん来るんだけど、その質問がズーム・インなんだそうだ。
つまり、「わからないんです、教えて下さい」とか「動かないんです、教えて下さい」などと訴える文章しか書かれてなくて、何がどうわからないのか、どういう環境でどういうことをしたら動かないのか、をちゃんと書いてきてくれないのだそうだ。
「ただ動かないって言われても、条件によって色々違ったりするだろう。だからそれをいちいち質問し返したり、これの場合はこう、あれの場合はこう、といちいち書かなきゃならないんだ。状況を書いてきてくれれば、何回もメールをやり取りせずに1回ですむし、文章だって短くてすむのにィ」とぼやく。
そういうのが重なって、爆発しそうになったようだ。
一人や二人のズーム・インならともかく、忙しい仕事の合間にそんなんが何人も来たら、はぎさんでなくても「キィーッ!」となってしまうだろう。
代表して一つ言い訳させてもらうと、質問の仕方がわからないということもあるのだ。
特に初心者は何をどう説明したらいいのか、慣れてないのでわからない。
でもはぎさんは「初心者はまず初心者用の勉強してから来い」とそっけない。
たしかになぁ、動かないってさんざん騒いだあげくによくよく見てみたら、ただ単にスペルが間違ってただけとか、タグが閉じてないだけなんてことはよくあるし。
質問する前に質問の内容をよーく検討すれば、そういう恥ずかしい思いはしなくてすむかもしれないし。
とにかく、私も気をつけなくっちゃね。
5W1Hは基本です。
「聞いた方が早い」なんて気持ちで気安く聞くのは、聞かれた方が気を悪くします。
人の労力を煩わすわけだから、ちゃんと敬意を払って、よく調べてそれから質問する。
なぁーんて言っても、やっぱり「ねえねえ、聞いて聞いて!」という会話はなくすの無理だろうなあ...
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