きんとさんのお気楽ゴクラク日記

K.水谷


猫が来た!


6月12日(土) 晴れ(梅雨なのに爽やかな風)

うちは団地で、規則では動物は飼ってはいけないことになっている。
別に他所に迷惑掛けなきゃ飼ってもいいと思うんだけど、団地の規則って、大抵杓子定規に犬猫は駄目となっている。
けれど、内緒で犬や猫を飼っている家は多い。

私は小さい頃から動物が苦手で、それにずっと団地暮らしだったせいもあって、自分ちで犬猫を飼うということもなく、動物をかわいがることもなく、大人になってしまった。
だから、あんまり飼いたいと思ったことはなかったんだけど、最近になってやっと、動物にもだんだん慣れてきて、かわいいなぁと思えるようになって、それで、犬や猫が家に居るのもいいもんだなぁと思うようになった。
特に、子供のことをあきらめようと思い始めた頃から、それなら動物飼って家族を増やすのもいいかもね、とも思うようになった。

そんな折、近所の知人が捨て猫を拾ったので、飼い主を探しているという。
猫を飼っている人は、猫はいいよぉ、かわいいよぉ、是非飼うべきだ、と勧めてくれる。
私は飼ったことないし、家を空けるときも多いし、不安だからと躊躇してると、旅行のときは預かったげるし、猫は犬みたいに手間が掛からないから、大丈夫だよと自信をもって保証してくれる。
それでかなりその気になって、飼ってみようかしらと思った。
だって、結婚ン年目でさ、そろそろ夫婦二人の生活にもマンネリが出てくるかもしれないし、そんなときかわいい猫ちゃんが居ると、カスガイになってくれるでしょ。
そんな不純な動機も手伝って、とにかく一晩、その猫をお借りして、様子を見てみることにした。

まだ生後5,6ヶ月といった子猫ちゃんは、わんぱく盛りのいたずら盛り。
そこらじゅう走り回っては、猫じゃらしにじゃれ付き、人間の手にじゃれ付き、生え始めた歯でアウアウと噛みつく。
飛び掛られると出しっぱなしの爪が痛い。
でもね、出しっぱなしの爪に引っ掻かれようが、小さな牙で噛みつかれようが、やっぱり子猫はカアイイ!
こっちが構っても、気まぐれにどっかへ走って行っちゃうのに、疲れて眠くなると側に寄ってきて、足元で眠ったりして、あまりのかわいさに傍若無人に抱きしめたくなってしまう。
ミーミー鳴いてる子猫にお母さん気取りで餌やってたら、やりすぎだって夫に怒られちった。
ほっとくと、埃だらけの隙間とかに入り込んじゃうから、だめー!て言いながら追っかけまわして、じゃれ付きのお相手してかじられて、ミーミー鳴けば餌やって、ちゃんとウンコできるかしらんと心配して、そんなこんなで子猫ちゃんに振り回された半日だった。

で、その子を飼うかというと、それがその半日で結構満足しちゃって、どうしても飼いたいという気にはならなかった。
別に、振り回されて大変だったからもう嫌だと思ったんじゃない。
むしろ、私は世話がもっと嫌いなんじゃないかと思ってたから、案外自分が平気なのに驚いたくらいだ。
これなら自分でも飼えるかなと思った。
でもね、なぜかどうしても欲しいとは思わなかったのだ。
もし、他に引き取り手がいなくて、どうしても飼ってと頼まれたら、決心したかもしれない。
けど、他にもあてはあるから、無理にとは言わないとその知人に言われて、それならもっと慣れてる人の所へいけばいいと思った。
どうしても、という欲求がお互いになかったということだ。
何事にも時期というものがある。
私にとっては、猫を飼う時期がまだ熟してなかったということなんだろうな...

でも、今回は一晩でも猫ちゃんに接することができて、ほんとによかった。
人間以外の動物とひとつ屋根の下で暮らすってことが、どんな感じなのかわからなかった者にとって、これはとても興奮する出来事だった。
自分にもできそうだってことがわかったし...
きっとそのうち、縁があれば、家族が増えることだろう。
マンネリ夫婦にカスガイは必要だしね...


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