きんとさんのお気楽ゴクラク日記

K.水谷


東風吹かば...


3月5日(金) 晴−春一番!

東風(こち)吹かば、思い起こせよ梅の花、主なしとて、春な忘れそ...(うろ覚えなので多少間違えてるかも)
自分がいなくなっても、春の風が吹いたらちゃんと忘れずに咲きなさいよ、と菅原道真公が自分ちの庭の梅に語りかけ、この歌ができた。
その梅が主人を慕って、彼の居る大宰府まで飛んでったというエピソード付きのこの話は、全国の天神様のお社に梅の木が植えられる由縁となった。
でも梅の木は道真公が言い聞かせなくても、春まだ浅い頃、ちゃんと春の息吹を真っ先に感じ取り、咲き始める。

私は、梅の花が大好き。
私にとっては、清楚な花の姿も、馥郁たる高貴な香りも、花の中で最上にランクされる。
暦は春でもまだまだ寒い日が続くのに、待ちきれないように咲き始めるのも、可愛らしくてよろしい。
毎年、梅が咲くと、どこかの梅園に出かけて、その姿を愛で、香りを楽しむ。
けれど、ここ数年、その私の行事は決死の覚悟が必要となった。
東風吹かば、思い起こすのは梅の花だけではない。
杉の花もちょうど同じ頃、一斉に開花する。

こちらはちっとも可愛くない。
私はバリバリの花粉症である。
梅の花が咲き始めたなぁ、と思ってると、やがてじわじわと目がかゆくなり、鼻がムズムズし始める。
梅園なんて、山に近い所に多いから、梅の花を愛でに行って、杉花粉もふんだんに付けて帰ってくるという始末になってしまうのだ。
大好きな梅と大嫌いな杉花粉が連動してるなんて、ひどい話だと思いません?
なーんて、別に連動してるわけではなく、ただ単に同時期に開花するというだけなんだけど、やっぱり杉を怨んでしまうなぁ。

もっとも、杉に罪はない。
全然ない。
悪いのは、杉花粉に敏感な私の体である。
梅や杉の開花センサーがどういう仕組みになってるのか知らないが、自然の中から何かをセンサーが感じ取り、それがスイッチになって開花するように、私の花粉センサーもとても敏感に花粉を感じ取る。
花粉は目に見えないから(山の杉林に行くと、バサバサと花粉を飛ばしているところが見えるらしいが)、どうしてわかるのか、我ながら不思議に思える。
本人は意識してないのに、梅が咲く頃きっちり始まって、桜が終わると徐々に終息する、というリズムを毎年繰り返しているのだ。
春の一番良い季節に、辛い思いをするのはとても嫌なんだけど、でも自分が目に見えないものに反応し、まるで植物のように季節を感じ取るということには、なんだか生命の神秘を感じる...。
なんちゃって、ちょっと大袈裟。(^_^;)

もっとも、悪いのは自分の体だけではなく、環境にも問題があるという説がある。
杉花粉だけなら、全然問題はなく、大気汚染とかに体が毒されてて、それで杉花粉に敏感になってしまったんだって。
実際、バリバリの花粉症患者の人が空気のきれいな所に移住して、回りは杉林だらけなのに花粉症が治った、なんて話も聞いた。
でも、環境なんて、そんなに簡単に変えられないし。
気功は体質改善にも役立ちますよ、て先生に言われたけど、2年続けてもまだまだ効き目はない。
長年の環境汚染プラス自分の不摂生による体質悪化はそれほど根が深いのだ。
で、どうするかというと、ひたすら耐え忍ぶしかない。
梅の花見はまだ花粉初期なので我慢できるが、桜の頃は花粉バリバリ全開の頃なので桜の花見は極力避ける。
よい天気でも布団は干さない。
マスクとティッシュ(それも柔らかいやつ)、目薬と小青竜湯は欠かせない。
今日は春一番が吹きまくっていた。
こういう日はもちろん外出を控える。
そうやって、明るい春の日々を暗く暗く過ごすのだ...
嗚呼!!


戻る (C) Copyright 1999 K.Mizutani.All rights reserved. メール