5.現在なお「胸ときめきの場所」の映画館たち(後編)
大作映画なら、環境は悪いがやっぱり歌舞伎町である。新宿コマ劇場となりの「新宿プラザ劇場」、広場をはさんで丁度その真正面にある
「ミラノ座」。共に客席数はプラザが1,044席、ミラノが1,348席と広く、スクリーンも巨大、音響設備も申し分なく良きライバル映画館と
いった趣である。
そのライバルぶりを作品で挙げてみると...。
プラザ「地獄の黙示録」VSミラノ「1941」でプラザの勝ち。
プラザ「レイダース失われたアーク」VSミラノ「キャノンボール」でミラノの勝ち。
プラザ「ランボー」VSミラノ「E.T」で勿論ミラノの勝ち。
プラザ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」VSミラノ「グーニーズ」でプラザの勝ち。こんな具合である。
私は、「スターウォーズ」シリーズ、「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズをブラザで。
「ハンター」「トワイライトゾーン」「インナースペース」「太陽の帝国」などをミラノで観ている。いずれも「楽しき哉、映画なり!」
である。
そんなわけで私はこの二館に足を運ぶ時、スピルバーグの言葉を思い出してしまう。「僕の映画製作の原点は、映画は娯楽だ。自分が楽しむ
と同時にお客さんを楽しませたい。映画館に行く人が少なくなっているが、僕が映画を作り続ける限り映画館の暗闇はなくさない。」また、
スピルバーグは次のように言っている。「僕は人気の出る映画を作りたい。映画館がたくさんの人たちでいっぱいになって暗闇の中で胸とき
めかせながら、みんなで映画を観るという体験を味わってもらいたい。大勢の人たちが映画館の前で列を作って待ってくれることが、何より
もかけがえのない報酬なのです。」と。
まさしく、彼が言っているような映画を上映するのに最もふさわしい映画館こそ、この二館なのでは
ないかと思う。人気の出る映画(ブロック・バスタームービー)を上映するのにピッタリとくる映画館がこの二館であり、私が好きな理由のひ
とつもこの点にある。また、二館で買ったパンフレットの中には全部ではないのだが、映画館名が印刷されているので、「観た映画の思い出と共に映画館のことも
思い出してください。」という映画館側の願いも感じられてとても好感がもてる。
最後に大好きなこの二館の劇場には、切なるお願いがある。ある映画資料から調べたところによると、「スターウォーズ」と「未知との遭遇」
は、初公開時は新宿プラザ劇場で上映。そして、「ジョーズ」と「E.T」は、新宿ミラノ座で上映されたとのことだが、この四作品はどれも
その劇場で観ることが出来なかった。スピルバーグ作品の中でも私のベスト・ワンになっている「ジョーズ」に至っては、初公開時私は小学生
であり、生まれてくるのが遅かったと言ってしまえばそれまでだが、残念で悔しくて仕様がない。「ジョーズ」は近日完全版を公開するとの
ことではあるが、ぜひとも「新宿プラザ」さん「新宿ミラノ座」さんで公開していただきたい。今挙げたほかの作品も同様である。ぜひとも
よろしくお願いします。
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