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特集 名画座よ永遠なれ!!

映画館は胸ときめきの場所

Byはしもと まさる

kasaku


3.思い出の中に消えた映画館たち

思い出の中に消えてしまった映画館。映画館自体は今も変わらず頑張っているけれども、もう 足を運ばなくなって久しい映画館っていうのもいくつかある。

そんな映画館の中のひとつ。「早稲田松竹」。ここは、私が高校、大学時代に通った映画館だ。 高田馬場から歩いて10分くらい、いわば、学生街の映画館ってやつだ。高校時代、私は数々の過去の 名作、話題作をTVで夢中になって観ていたが、先に書いたように劇場で映画を観ることの楽しさに 目覚めてしまった私のこと、それでは飽き足らなくなっていた。TVで観たあの名作を劇場で観てみたい。 そんな時、ふと、手にした情報誌「ぴあ」でそんな思いを叶えてくれる映画館を発見した。それが、 「早稲田松竹」だった。ここの映画館で最高に嬉しかったことは、そんな過去の名作のパンフを安い値段で 売ってくれたことだ。ちよっとあげてみても、「スティング」「追憶」の二本立て。「俺達に明日はない」 「気狂いピエロ」「ひまわり」「炎のランナー」。こんな映画が観れた上に、そのパンフまで手に入るなんて。 ロバート・レッドフォードのファンだったので、ここで手に入れた「スティング」のパンフをしばらく部屋に 飾っては眺めていたっけ。

高田馬場には、他に「ACTミニシアター」というホント名前のごとくわずか40席しかない小さな映画館がある。 物凄く小さいスペースなので、フィルムは16ミリなのだが、それこそ古今東西の名画(チャップリン、オーソン・ウエルズ からヘップバーンまで)の数々を低料金で見せてくれていた。その上、とっても庶民的な雰囲気のところだった。 大正時代ならいざ知らず、観客席がイス席ではなくて、座敷になっていた。だから入場時に下駄箱に靴を入れて、素足で 館内に入っていくのだ。キップを渡すと、座布団とキャラメルが配られて、それを持って席に着くといった按配だ。 まさに、「おせんにキャラメル」の世界である。「黄昏」「ティファニーで朝食を」「麗しのサブリナ」「イントレランス」 をこんな雰囲気の中で観たものだ。

他に、私のベストワン作品となった「ライムライト」を観た「テアトル池袋」。「銀河鉄道999」「さらば宇宙船艦ヤマト」 早朝上映で観た「新宿東映パラス」など、思い出の映画館はまだまだある。

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