「神の国」発言

DATE : ( 2000/5/26 )

 いまやたらと森首相の「神の国」発言がマスコミを賑わしている。

私の個人的な感想から言うと、少なくとも私は日本を「神の国」まして「天皇中心の神の国」とは思わない。私からすれば、日本は「技術者中心のハイテク国家」である。技術者一流、経済二流、政治三流である。

一人の私人が日本を「神の国」だと言うのは別に構わないと思うのだが、政治家それも一国の首相が日本を「神の国」と言うのは良くないらしい。私も確かにちょっと違うなと思う。しかし別に政治家風情が「神の国」などと言ったところでどうということは無いというのが私の正直な感想である。それに、政治家や官僚なんてのはいままで散々我々国民の意識とは乖離したことを言ってきたはずである。今回はそれがたまたま「神の国」だっただけである。そこまで大騒ぎする必要は無い。

ちなみに私は、政治家や官僚が常に国民の意識とは乖離したことを言ったり行ったりしているとは思わない。マスコミだけが乖離していることもあるし、マスコミと国民が混乱して、政治家や官僚の正論を潰そうとすることもあると思っている。

ところで、ソニーのことを「出井社長を中心とするデジタルドリームカンパニー」と会長か副社長あたりが言ったとしよう。これはどうなのだろうか。会社は会社の意に添わない人間を置いておく必要は無いが、かといってそれだけの理由で辞めさせることは出来ない。もっと進めて「出井社長を神として中心にすえたデジタルドリームカンパニー」と誰かが言ったとする。これはどうだろう。社員の中には反発する人間もいるだろう。でも別にどうでもいいことだと思う。社員はこんなことを言った経営者を辞めさせようとするだろうか。まして、その「失言経営者」を辞めさせるための運動の先頭に立っているのが、社長とは対立する派閥の常務とかだったりするとどうだろう。当然そんなのは常務の野望に決まっている。民主党や共産党が何を言おうと、そんなのは野望に決まっている。

ニュースステーションでは、森首相の自伝の内容を取り上げてまで、森首相の人格を否定しようとしている。はっきりいって私も森首相の就任は民意を反映していないと思うし、さっさと解散総選挙するのが正しいと思う。まあ、前回の選挙で自民党が首相を立てられるほど勝利したのも民意なわけだから、自民党は誰を立てても民意に沿っていると言えるのであるが、今回の人事はいわゆる順送り人事というか、なぜこの人が、みたいな思いが強いはずである。ここはさっさと解散して、各政党は自分らが勝ったら誰々を首相にすると予め宣言してから選挙戦を戦うべきであると思う。

それにしても森首相の半生はすごい。正直言ってムカつく。なかなか爽快な生き方をしているのだろうが、私からすればこんな人間を首相に擁くのは日本の恥である。もっとも、この性格を特に対外政策に生かしてくれるのであれば評価できるのだが…。



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