2000年問題

DATE : ( 2000/1/6 )

あっけなく 2000年が来た。

私は一応情報関係の仕事をしているので、自分たちの業界についてはあまり信用していない。だから、必ず何らかのトラブルはあると思っていた。停電が起きてもおかしくないと思っていた。五分ぐらい停電してもいいかなと思っていた。なにせ、このまえ自衛隊機が河川敷に墜落したとき、あっけなく停電して、なおかつ 20分ぐらい復旧しなかったことがあったからである。

日本はあれだけ世界特にアメリカから、2000年問題に対する対応が甘いとか言われていたが、結局全然大丈夫だった。むしろアメリカの方が駄目じゃないか。私がいま関わっているプロジェクトで、前バージョンの製品が 2000年問題を起こしたらしいのだが、原因は Outlook 97 のせいだった。こいつを直すにはマイクロソフトのホームページから 30メガぐらいあるファイルをダウンロードしなければならないそうである。アホか。友人に言わせれば、Outlook なんてウィルスチェッカーで自動的に消されるべきなんだそうである。

無事に 2000年を迎えた事で、コンピュータ業界は不良債権を一掃した。いや、もちろんまだ大きな不良債権が残っている。マイクロソフトをなんとかしなければ。まあ、最近の新興企業はもはやあまりマイクロソフトを相手にしていないみたいなので、自然にうまくいきそうな気もする。それに対して、日本の経済界はいまだに不良債権を処理できていない。こういうことを考えると、やはり理科系人間の方が優れているとしか思えない。理科系人間が硬直した人間だなんてのはマスコミのひがみである。

JR のオレンジカードの販売機が止まったのはなんというか分かりやすい 2000年問題だった。でも他に目に見えて害はない。電車自体は 2000年が来る前後で少し止めたらしいが、関西では普通に電車を走らせていたらしい。いかにこの 2000年問題があおられたものであるかが分かる。油田とかのプラントで埋め込まれた IC とやらはどうなのだろう。

ちなみに、2000年問題が起きる理由は、コンピュータの内部の時計や時刻管理の問題である。しかし、笑えることに私が現在仕事をしている時計会社では、2000年問題なんてほとんど影響がないらしい。

友人の話によれば、あとは 2039年問題というのがあるらしい。これは、C言語などで書かれたプログラムに特有の問題らしい。C言語では、1970年だか何年だか忘れたが、その年からの時間を秒で記録していて、その秒が 32bit だか 64bit の範囲を超えてしまうかららしい。一時間は 3600秒で、1日は 86400秒、1年は約三千万秒、32bit は約二十億までの正負の数をあらわせるので、七十年経つとあふれてしまう。ただ、友人によれば、C言語で書かれたプログラムは 32bit を 64bit になおして作り直すのが非常に簡単なので、この問題はあっさり解決されるのではないかということらしい。現に既にこの対応を行っている OS もある。

ただ、その彼はこうも言っていた。その頃になるともう自分は定年だろうからどうでもいい、だそうだ。彼もまたこの春コンピュータ業界に就職する。
 



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