mpman

DATE : ( 1999/11/16 )

mpman を買った。日曜日、ふと秋葉原に買い物に出掛けたくなり、出掛ける前に Akiba PC Hotline (impress) を見てみたら、TSUKUMO パソコン本店でセールをやっていて、開店だか閉店だかの記念に mpman の型落ちか知らないが 9,999円で販売しているみたいだった。現在最新の mpman は三万円ぐらいするので、これはかなりお買い得だと思ってそわそわしてきた。これは急げと秋葉原に向かった。でもよく考えたら、これは何か欠陥商品の可能性もあるなとも思っていた。

店についてみたら、レジの前に箱が何個か置いてあって、まだ品はあるみたいだった。私は店員さんに、バッテリーの持ち時間だけを確認してから買った。8時間ぐらい持つらしい。店員にしてみれば、なんだ音質やインタフェースについて突っ込まれなくてよかった、などと思っているかもしれない。結末から言えば、一時間半後ぐらいにまた店に来てみたら、まだまだ在庫があるらしく、私の買ったときよりも多くの製品がレジの前に詰まれていた。何か裏があるのだろうか。

家に帰って早速使ってみた。特徴は以下のとおり。
 

1. 本家 mpman の SAEHAN 社の製品だった

どこかマイナーな会社の製品だと思ったら、本家 SAEHAN 製だったので嬉しかった。のちに http://www.mpman.com/ に行ってみたら、現在 mpman は二種類あって、私のは最初の製品らしかった。つまり型落ち品なことは確かだった。
 

2. インタフェースはパラレルだった

実際に mp3 ファイルを転送してみると、やはりパラレルだからサクサクとは転送できなかったが、使用に耐えないほど遅いわけではなかった。ただし、やはり転送したい複数のファイルを同じフォルダに置いて、まとめて転送したほうがストレスはたまらないだろう。いちいちファイルを一つ選択しては転送、選択しては転送なんてしているとさすがに体感的に時間が掛かる。
 

3. 本体が驚くほど軽かった

本体は軽い。バッテリの方が重い。バッテリは普通のウォークマンに使うガム電池を二個入れる。これで八時間持つそうだ。私の持っているウォークマンは、ガム電池一個でやはり八時間だったから、これは多分思ったよりバッテリの持ちがいいと考えていいだろう。DSP (デジタルシグナルプロセッサ) という高度ながら単純な電子回路を動かすわけだから、それなりにバッテリが必要なのも分かる。
 

4. メモリサイズは 64MB ただし着脱不能

メモリサイズが 64MB あれば通常の使用には足りるように思える。ただし、着脱不能なので、テープならテープの入替え、CD なら CD の入替えみたいなことは出来ない。しかしいまのところフラッシュ系のメディアは 32MB で一万円近くするので、内臓ながら 9,999円で 64MB あれば御の字なのではないかと思う。でも、私の現在の一日の通勤時間は往復で四時間余りなので、これでは同じ曲を一日に三四回聴く羽目になる。音質を落とせばもっと聴けるのでそうしようかとも思っている。しかし、それだとパソコン用と mpman 用とで高音質のデータと低音質のデータを二重に作らなくてはならず、管理が面倒になる。現在検討中である。

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携帯型MP3 プレイヤーの一般的な特徴も実感できた。まず第一に、可動部が少ないのは良いことだと思う。私が二年近く使用していた SONY 製のこれまた本家ウォークマンは、現在半分以上壊れている。どこが壊れているのかというと、テープを送るモーターの部分がおかしいのである。テープを再生すると、キュルキュルと鳴る。しかもおもしろいことに、モーター二個のうち一個が特にひどい壊れ方をしている。オートリバースのウォークマンには通常二個のモーターが付いているか、あるいはモーター一個で二種類のホイールのうちのどちらか片方を回すことが出来るようになっているものだと思うのだが、そのうちの片方が特に壊れていて、そっちのホイールが回っている時には音が変な風になる。専門的に言うと、いわゆるワウフラッター状態である。回転速度に偏りがあって、音がゆがんでしまうのだ。しかたがないので私は、オートリバースなのにも関わらず、片面を聞き終わるとわざわざテープを裏返し、比較的まともな方のホイールで再生するようにしている。しかしこちら側で再生しても、音質はまともなものの外ではキュルキュルいっているので、こちらも確実にワウフラッターが掛かっていて音質が悪いものと思われる。

ただし、私の買った mpman には現在一個だけ難点がある。それは、説明書にもちゃんと明記されているのだが(裏を返せば外箱には書いてあったかどうか覚えていない)、パラレルポートを共有するマシンでは動作保証をしていないのである。これはどういうことかというと、私のマシンで具体的に説明した方が早いのだが、私のマシンではパラレルポートによって FDD を接続している。こういうマシンでは、おそらくドライバがかち合ってしまうのだろう。私のマシンでも、なぜか explorer が頻繁に例外を起こして使い物にならない状態になってしまった。そして FDD を接続するとエラーが止まることから、やはりドライバがかち合っている可能性が高いなと思ったのである。しかし、この問題はおそらく現在は解決した。それは、http://www.mpman.com/ に行ってみたら新しいドライバが置いてあり、そいつをインストールしたからである。こいつの作成日付は、製品に添付されていたドライバの製品日付のわずか六日後だった。

音質に関しては、まだあまり聴いていないのでよく分からない。よく雑誌とかで言われているのは、製品に付属しているヘッドフォンは品質が悪いので交換したほうが良い、といったことである。これに関してはまだ試していないのでよくわからないが、付属ヘッドフォンも中音域に関しては非常にクリアな音が出ている気がする。私は実は軽度のオーディオ好きなのだが、最近は音質の劣化していたウォークマンぐらいでしかヘッドフォンで音楽を聞いていなかったので、この点に関してはもう少し時間が必要だと思われる。しかし、やはりコンポの CD Player でヘッドフォンをつないで聴いた方がおそらく音質はずっと良いだろう。mpman の音質に関する現在の私の感想は、なんというか「仮にテープと同じように CD が劣化してくるとしたらこういう劣化の仕方をするんだろうな」といった感じである。なんとなく聴いていると CD を聴いている気がするが、耳を澄ますとちょっとひっかかる点がある。

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ともかくこれで私のオーディオデジタル化計画が進んだわけである。テレビやラジオの音もこれから wav 録音 ⇒ mp3 化 ⇒ CD-R 焼き付け といった手順で管理していこうかと思う。ハードディスクの容量も作業用として必要になるのだが、mpman を買った同じ日にノート用の 2.5inch 10GB の HDD を買っておいたので問題はないだろう。

これまでテープでためてきた音楽などは既にかなり劣化していて悲しい。


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