あなたは毎朝新聞を読むだろうか? 私は読まない。新聞など読んでいる時間がない、とは言わない。なぜなら、私は毎朝、前日とかに録画しておいた番組を見るからである。
私が新聞を読まなくなりはじめたのは、週刊誌を読み始めた時期に一致する。通勤に一時間掛かる電車の中では、新聞よりも週刊誌の方が読みやすいということが大きい。週刊誌を毎朝毎夕少しずつ読んでいれば、このあと家に帰って新聞を読もう、などという気にはなれない。もっとも、自分の会社の株価が気になるときがあるので、そのときばかりは日本経済新聞を広げて読むことにしている。
私が読む週刊誌は、もっぱら週刊文春である。なぜこの週刊誌に落ち着いたかといえば、他の週刊誌の程度が低かったからである。現在、週刊誌の中でもっともシェアを獲っているのが週刊ポストであるが、この週刊誌は昔グラビアに期待していたが、いまはそれよりも記事の内容の方が重要になったので、まず買うことはない。私は連載小説にも興味がないので、恐らく週刊誌の移行には連載小説がそれなりのウェイトを締めるみたいだが、連載が終わる頃になって別の週刊誌も買ってみる、などということもない。ただ文春一本である。
この週刊文春の面白いところは、新聞を、特に朝日新聞を目の仇にしている点である。もっとも分かりやすいのが、その名もずばり「新聞不信」という名の連載である。私は朝日もとっているのだが、この「新聞不信」を読むと、いわゆる大新聞の馬鹿さ加減がわかって面白い。もっとも、朝日新聞が週刊文春を露骨に非難するようなことは無いので、たとえこの両方を購読していても、どちらがもっともだという判断を下すのはなにか違うとは思うのではあるが。
週刊誌の良いところは沢山ある。それを一つ一つ挙げていってみよう。
以上当たり障り無く解説してきたが、私が強く主張したい点を話そう。
テレビや新聞だけを見ている人間は、視野が狭いと言わざるをえない。特に、民放の朝のニュースしか見ない人間は最低である。少なくともテレビならば NHK系のニュースや報道特集や民放の真面目なニュース番組を時々見るべきである。新聞は、スポーツ新聞は新聞ではないとして、普通の新聞を読んだ方がいい。だが、テレビや新聞だけを見ているだけでは世の中は見えてこない。
それは思想面だけを言っているのではない。私は最近驚いたことがある。ずいぶん前にだが、ある大臣が戦争責任に関する失言とかでやめさせられた。その失言は、韓国に関するものだった。私は、当時テレビと新聞しか見ていなかった。大臣は要約するとこう言ったそうである。「日本は韓国にいいこともした」この部分だけが注目されて、それで世論やらマスコミが騒ぎ始めて、その結果大臣は辞任することになったらしい。だが、その大臣の発言のすべてを週刊誌で見たら、どうやらこんな感じだったらしい。
「日本は韓国に悪いことをしたが、いいこともした。(日本が韓国にした良いことを羅列)…だがかの国の誇りを傷つけた。」
この部分を載せた週刊誌が見つからないので、うろ覚えのまま書くことを容赦願いたい。だが、これだけでも一応分かるはずである。マスコミは刺激的な部分しか引用せず、新聞は右翼的だと決めつけてヒステリックに糾弾する。この、どちらかといえば良心的な物言いも、我々大衆の目に最も触れやすい大きなメディアに掛かれば、完全な悪者になってしまうわけである。
私の言いたいことは、大きく二つある。一つは、週刊誌は面白いので読もう、ということである。もう一つは、テレビや、そして新聞までも、あまり信用してはいけないのだ。週刊誌も決して信用に足るわけではないが、メディアというものは巨大になるに従って悪い方に悪い方に影響を受けるものである。みんなの目に触れるメディアは、我々大衆に与える影響力の強い分だけ、何者か(俗っぽく言えば権力者とか)の影響を受けるものだし、また我々大衆(これも俗っぽくいえば愚民とか)の影響も受けている。
どうも書き足りない気がしないでもないが、このへんでやめておくことにする。