53. メモリの話 (2000/3/7)


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ようやく仕事がそんなに忙しくはなくなりつつある。

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先週、ちょうどメモリが安くなっているときに 384MB 分のメモリを買った。128MB を二枚と、64MB を二枚である。もちろん種類はいまの主流の PC100 SDRAM CL=2 である。合計で大体三万円ぐらいだった。

私がメモリを買いにまず入ったのは、あきばお〜という店だった。今回のメモリ値下がりに関しては、ちょうど台湾企業の決算期だから、という噂があった。そこで、台湾系の店であると睨んでいたあきばお〜が安いのではないかと思ったのだ。案の定安かったのだが、既に売り切れていた。売り切れ、という札が目に入ったが、その札と並んで値札がそのままだったので、ついつい「これ三枚ください」と言ったら、John Myung 似の店員が申し訳無さそうに、昨日のうちに売り切れた、と言ってきた。残念である。

その足で近くの店を物色しているうちに T-ZONE の新しい大型店が目に入ったので物色したところ、ここはそんなに安いわけではなかった。しかし、午前中は朝市と称して5%引きだったため、ついつい買ってしまった。128MB のタイプだけを買うのであれば DOS/V パラダイスあたりが一番安かったと思うのだが、64MB タイプはどこもそんなに値段が変わらないので、5%引きの T-ZONE が多分一番得だったと思う。しかしいま思えば 64MB にこだわる必要は全く無かったどころか、通常の SDRAM が世代遅れになったときに使いまわすには出来るだけ容量の大きいものを買っておいたほうが良かったのではないかと思ったがあとの祭りである。

先にも言った通り、メモリを 384MB 分も買ったわけであるが、家にはこのメモリが使えるマシンは三台ある。結局、今年作った Dual Celeron マシンに 256MB 加えて 384MB にして、残りの 64MB を弟と両親に貸与しているマシンに一枚ずつ入れた。これでうちのマシンの搭載メモリは、384MB と 256MB と 128MB になった。

ニ週間使ってみて思ったのは、今回の買い物で唯一有効だったのは、両親に貸与しているマシンのメモリを 64MB から 128MB にしたことぐらいである。これまでは、スワップが頻発していたのだが、メモリ増設によってディスクアクセスは減った。まあでも 64MB でも普通に使えただろう。ViaVoice を使うには 64MB では足りなかったのは事実であるが、Windows98 にとって 64MB という容量はかなり微妙な量なので、足しても足さなくてもどちらでも変わらないというか、確かにメモリを買ったコストに見合うだけの効果は得られるのだが、対コスト比はかなり均衡しているので、買っても買わなくても良かったと思う。

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ちなみに、両親に貸与しているマシンのハードディスクも入替えた。それまではノートPC 用の 2GB のハードディスクを使っていたのだが、今回 T-ZONE の新規開店店舗で富士通の HDD が 8.4GB で 9,980円だったので思わずそれを二台買って、そのうちの一台を入れた。さすがに、5400rpm の普通のドライブでも、ノート用の 4200rpm のドライブより確実に速い。しかし、この二週間使ってみての母親の感想は「終了が早くなった」といった程度であるので笑える。

さらに余談であるが、先の富士通製のドライブ、二台買ったうちの一台は、動作チェックをしなくてはいけない都合上、私の Dual Celeron マシンにつけた。しかしやはり IDE は増設が面倒である。私のマシンのマザーには、IDE が UATA33 と UATA66 とで二系当あるのだが、面倒だったので UATA33 の方にまとめてつけることにした。つまり、IDE の Primary に二台の HDD をつなげたのである。やはり一本のケーブルで二台の IDD を接続するのは面倒である。私のケースは星野金属工業の MT-PRO1000 というアルミケースで、このケースにはフロントサイドベイと呼ばれる HDD 専用の装着部分があるのだが、どうやらここに IDE HDD を二台つけることは考えられていないらしく、ケーブルの取り回し上、不可能なようであった。仕方が無いので無理矢理通常のベイまでケーブルを取りまわして装着した。ちなみに、このハードディスク、つけたはいいが全く使っていない。

富士通製の HDD などというものは珍しい。まあ、秋葉原に行けば転がっているのも確かではある。富士通製 HDD だからといって、富士通の FMV 全てについているわけではない。私の母親が買った FMV には Western Digital 製の HDD が載っていたのは確認した。富士通製 HDD の優れた点は、恐らく動作音が静かなことぐらいだろう。それさえ、別に取り立てて静かだというわけではないのだと思う。海外で生産されているとはいえ、国内メーカー製のものだと安心できる。ちなみに、IBM 製の初期ロットの HDD の中には、日本で作られたものがごく少数だがあるらしく、その HDD はかなり質が高いらしいので、買うことが出来たら幸運だろう。

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メモリの話に戻ろう。

現在、メモリが値下がりしていることは事実である。いま現在、値下がりの反動でまた少し値段が上がっているが、私の友人はまた値下がりすると踏んでいる。ショップ側では、また値下がりするという見方のほかに、しばらくまた値上がりするとの見方をしているところもある。

少し前までのメモリの主流は 64MB であった。それが最近では 128MB になりつつある。いま PC を全部自作する人は、恐らく 128MB メモリを一枚買うだろう。私が一年前に自作したときには、64MB で十分だと思っていた。その頃、企業用のリースマシンの標準スペックが 96MB になってきたことを考えれば、64MB が主流で 32MB が補助だと考えることが出来る。いまのリースマシンの主流は多分 128MB だと思う。恐らくそれ以上追加しても仕方がないからだろう。それに、96MB あれば恐らく何の不満も感じることはあるまい。

メモリの価格というのは、主流の製品を軸に決められる。メーカーにとってみれば、一度設備さえ整えれば、64MB を生産するのも、128MB を生産するのも、大した違いはないそうである。

いま現在、メーカー製の PC に搭載されているメモリは、バリューマシンでは大体 64MB くらいで、パフォーマンスマシンでは 128MB である。で、最も売れているマシンは大体バリューマシンであるので、割り切って言ってしまえば、世の中に出回ろうとしているマシンの多くのメモリ搭載量は 64MB であると言える。だから、メモリを生産しているメーカーからすれば、64MB のものを多く作ると儲かる。あえて 128MB のメモリの生産設備を作る必要は無い。だから、128MB のメモリの生産量は、64MB のものと比べると少ないし、主流が 64MB なのだから倍くらいの値段で売れる。256MB や 512MB のメモリは、需要も生産も少ないので値段が高い。

しかし、我々たち自作PC を作る人間からすれば、また違ったことになる。我々は、もはや 64MB のメモリをあまり必要とはしていない。最初からパソコンを作る場合は 128MB 一枚買うだろうし、それ以上メモリを買う人は 128MB をもう一枚買って 256MB にする。まあ大体そのくらいが常識的だろう。一年前ならば、64MB のメモリを最初に買って、あとで不満が出てきたときにもう一枚 64MB を買う、といった流れが出来ていたはずである。

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私の記憶によれば、二年前くらいにパソコンを組んだ友人がいきなり 128MB のメモリを買ったというのを聞いて、私はちょっとその感覚を疑った。そして去年の夏にメモリが暴落したときに、その友人はまた 128MB のメモリを一枚買って合計 256MB にしたときには、感覚を疑うのを超えて正気を疑った。彼の場合、目的は決まっていて、Linux で RAM DISK を使うためにメモリを増設したらしい。が、さすがに過剰だと思ったらしく、去年の秋か冬ぐらいに組んだマシンに 128MB 割譲したらしい。

まあでもそれはマニアの話である。通常の消費者が買うパソコンには、大抵 64MB のメモリが搭載されている。また、かなり安いパソコンともなるといまだに 32MB のメモリしか搭載されていない。ちなみに、私がこれを書いている仕事用のパソコンもなんと 32MB しか搭載されていない。が、それからも分かるとおり、現時点で 128MB のメモリは大方の人にとって必要ないのである。それに、バルクではなく通常の箱入りの増設メモリを一般の消費者が購入する場合、いまだに一万五千円とか掛かってしまうので、コストに見合うパフォーマンスが得られないということもある。

ところが、秋葉原ではまた話が違うのである。128MB のメモリを中心に、メモリ価格が下落しはじめたとたん、多くの自作パソコン好きがメモリを買いに走った。少なくとも秋葉原では、すでに 128MB のメモリが主流になっているのである。しかし、これはあくまでも秋葉原での話である。秋葉原で売られているメモリは、バルクと呼ばれ、主にパソコンメーカーが横流ししているものである。

メモリには、大口価格とスポット価格があり、これらが互いに複雑な関係を示している。大口価格とは、メモリを生産しているメーカーが、パソコンメーカーに一括して売るときの値段である。その売れ残りだとか、パソコンメーカーで余ったメモリが、秋葉原で売られるときの値段がスポット価格である。だから、メモリが過剰生産されると大口価格が下がり、秋葉原にもメモリが流れてくるのでスポット価格も下がり、大変分かりやすい状況が起こる。しかし、メモリが適正に生産されていると、秋葉原には流れたり流れなかったりするので、大口価格が安定しているときでもスポット価格が変動することが多い。ことにそれが 128MB のメモリだとどうであろうか。秋葉原では 128MB のメモリはよく売れるが、大口ではまだそんなに売れないだろうから、いくら秋葉原でメモリの需要があっても、まだなかなか 128MB のメモリが主流になることはない。

それに、64MB + 64MB = 128MB という単純な足し算が出来るということも忘れてはならない。つまり、128MB のメモリが主流になるには、128MB かそれ以上のメーカー製パソコンが当たり前にならなければならないのだと私は思う。そして、128MB のメモリが主流にならない限り、128MB のメモリが 64MB のメモリと同じくらいの値段で流通するはずはなく、現状のままで 128MB のメモリが大きな値下がりをするはずはないのではないかと私は思う。

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メーカーサイドの側から考えると話はわかりやすくなる。

半導体に関わる技術者に話を聞く機会があったので色々聞いてみたのだが、工場を持つメーカーというのは、工場をフルに働かせて生産物を売るために研究開発をしていると言っても過言ではないのだそうである。つまり、工場で生産するものが時代遅れになって売れなくなっていくのでやむをえず研究開発をしている、という面が強いのだそうだ。新しいものを生産するには、まず研究費を使って研究して物を開発する必要がある。その上で、大量生産するために工場の設備を整えるために多額の資金が必要になる。だから、その資金を回収してその上で利益を多く上げるには、なるべく長くその生産ラインを維持する必要があるのである。

ことメモリの話に焦点を当てて考えてみよう。メーカーが 64MB のメモリのラインを持っていたとして、そのラインを敢えて 128MB のメモリの生産ラインに置き換えることのメリットはなんであろうか。それは、128MB メモリが主流になったときに、64MB のメモリを二つ作るよりも、128MB のメモリを一つ作る方がコストが安くつくことである。しかし、逆に言えば、128MB のメモリの生産ラインを作るために掛かる資金が、そのコスト削減分よりも多かったら意味がない。それに、128MB のメモリは、二つに割って 64MB のメモリ二つとして出荷できるわけではない。また、64MB のラインを残しつつも 128MB のラインを作るのは、いろいろな意味で無駄である。ラインを働かせるには、工場用地と人手とが必要で、その上にスケールメリットもある。

私が工場の経営を任せられているとしたら、128MB のラインに乗り移るタイミングは、やはりパソコンのメモリが 128MB 単位で増設されるようになってからだろうと思う。そうなると、もはや 64MB のメモリは生産する必要がないので 128MB ばかり生産していれば良い。そこで初めてスケールメリットが出てきて、128MB のメモリをいまの 64MB のメモリと同じくらいのコストで生産できるようになるだろう。

しかしここで思うのは、ラインの敷きなおしというのは、一朝一夕で出来るものなのか、ということである。それから、需要が出来てからラインを敷きなおすのでは遅い。だから、ことに大きい工場を持ったメーカーほど、明日の需要を見越して 128MB のラインを早くから立ち上げ、需要に応じてラインの敷きなおしを進めていくことになるだろう。そうなると、白黒ではなく、徐々に 128MB のメモリの価格が下がっていくことになる。まあしかしそれも、半年後とか一年後とかに必ずパソコンに搭載されるメモリが 128MB 単位になるという見通しが立っていなければならないだろう。

そしてそんな見通しを決める一つの要素が Microsoft Windows 2000 だったはずである。この OS がどれだけ売れるか、どれだけメーカー製パソコンの標準採用されるか、そしてパソコンのスペックを決める人間がどれだけメモリを必要だと考えるか。そのあたりを予測しなければ、とてもラインの敷きなおしのタイミングを計ることは出来ないだろう。

現在のところ、Windows 2000 が搭載されて売られているメーカー製パソコンのメモリは大抵が 128MB である。私が見るところ、これよりも多くのメモリが搭載されるパソコンがメジャーになる見通しはいまのところないと思う。それに、パソコンそのものの需要が落ちるとの見方も強い。Windows95 系の OS がプリインストールされているパソコンのメモリ搭載量は相変わらず 64MB が主流である。

半導体メーカーは、去年の夏に手痛い失敗をしている。各メーカーが過剰に生産したため、メモリ価格が暴落してしまったのである。そこで各メーカーは生産を控えたため、その後メモリの価格は持ち直した。また、台湾大地震によって逆にメモリが暴騰するようなことも起こった。だから、新しい設備だとかラインを作ることにはかなり慎重になっていると考えて良いのではないだろうか。

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ここで詳しい話をしておかなければならないだろう。

私はこれまでの話で、話を簡単にするために 64MB のメモリとか 128MB のメモリとか言ってきたが、実際にはメモリチップを製造するのとメモリモジュールを製造するのとに分かれている。メモリチップとは、メモリモジュールの基板の上に載っている一個一個の DRAM のチップのことである。メモリチップには、64MBit とか 128MBit とかがあり、1bytes はつまり 8bits なので、64MBit チップを八個載せると 64MB のメモリモジュールが出来るし、128MBit のチップを八個載せると 128MB のメモリモジュールが出来る。

いま現在広く流通している 128MB メモリモジュールは、たいてい 64MBit チップを 16個載せたものである。だから、64MBit チップを 8個使ったメモリモジュールのおよそ倍程度の値段がするのは納得できる。また、128MBit チップを八個使用した 128MB メモリモジュールも流通している。恐らく、いま現在の段階で 128MBit チップは生産量が少ないだとか設備に金が掛かるとかで、大体 64MBit チップの倍くらいのコストが掛かるのだろう。64MBit チップに代わって 128MBit チップが主流になれば、やがて 128MBit チップのコストが現在の 64MBit チップと同じくらいになっていき、その 128MBit チップを八個使用した 128MB メモリモジュールは現在の 64MB メモリモジュールと同じくらいの値段になるという寸法である。一方で、これまでかなり高かった 128MBit チップ 16個使用で 256MB の容量を実現したメモリモジュールも値下がりするであろう。

私の手持ちの 64MB メモリモジュールの中に、TWO-TOP で格安で購入したとても面白いモジュールがある。そのモジュールは、32MBit チップを 16個使ったチップである。恐らく、どこかの倉庫とかに眠っていた 32MBit チップを集めて 64MB モジュールにでっちあげた代物だろう。しかもその 32MBit チップはやたらでかく、半導体のゲジゲジの足が内側に折れ曲がっているのである。半導体の技術者の話によれば、このようなチップは、基板にチップを載せるときに意外に場所を取るゲジゲジの足を内側に曲げることにより、狭い基板に多くのチップを載せたり、基板の面積を小さくしたりするための工夫らしい。その昔、韓国の Goldstar などがよくやっていたらしい。

ちなみに、半導体チップを作るのには大型で高価な設備が必要になるのだが、チップを基板につけるのには、手作業の小さな工場(こうば)で出来るそうである。多少熟練すれば、0.65mm 間隔で並ぶ半導体の足をハンダ付けすることが出来るのだそうである。普通に考えれば、狭い間隔で並ぶ足に細かく一個一個ハンダをつけていくのは不可能なように思えて、現にほぼ不可能なのであるが、バーッとハンダを走らせて不要なハンダを取り除くだけで綺麗にハンダがつくそうなのである。というか実際にその作業の様子を見せてもらったので間違いない。

ちなみに、バルクメモリが安いのは、テストの手間を最小限にしているからだそうである。メーカー製の増設用RAM としてきっちり箱に入っているメモリは、半導体をテストするための専用の機器に掛けてテストされたものであり、当然のことながらテスト用の設備とか手間の費用が掛かる。それに対して、バルクメモリなんかは、パソコンに実際に挿してみてカウントが動いたら大丈夫、みたいな感じでテストされているのではないか、とのことである。そうすることで、小さな工場なんかでメモリチップと基板を買ってきてメモリモジュールを作ることが出来るので、人件費の安い国で安く製造することが出来るのである。

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他に私が持っているメモリの中で、BGA が使われているものがあった。BGA とは Ball Grid Array の略で、ゲジゲジの足をチップの裏にハンダの玉として格子状に配線を出して基板に接続する方式である。ちなみに、PPGA とか FC-PGA の PGA は Pin Grid Array で、これまた半導体につきもののゲジゲジの足をチップの裏からピンの形で格子状に出していることから名づけられたものと思われる。PGA だとピンで接続するため、ピンの間隔に限界があるのだが、BGA だと機械的にハンダで付けてしまうため、ハンダの制度次第で格子の間隔を狭めることが出来る。

半導体のチップの大きさというのは、半導体のコアの大きさよりもむしろ、基板と配線するために大きくならざるをえないのである。特に最近の Intel Pentium!!! の Coppermine と呼ばれる CPU のコアを見るとその小ささに驚くが、チップ全体のサイズは以前とあまり変わらない。それも、ピンの間隔上やむをえないのである。

Intel は一時期、全ての CPU を BGA にしようと考えたこともあったらしい。が、BGA には大きな欠点がある。分かりやすいのは、CPU の交換が出来ない点である。交換できるようにするには、結局ピンのようなものを付けなくてはならなくなる。それでも BGA 化によりチップのサイズは小さくなるので利点はあるのではないかと思われるが、私は専門家ではないのでよくわからない。現在 CPU はセラミックで包まれているが、BGA ではない通常のチップだと排熱面で不利になるらしく、特にセラミックになる前はプラスチックだったらしいが、プラスチックは排熱性が悪いのでセラミックになった経緯がある。BGA だとセラミックの層が薄く出来るので排熱がよくなるのではないだろうか。

その他に、BGA は検査しにくいという重大な欠点を持っている。というのは、ピンならば検査用機器のソケットに差せばよいのだが、ハンダの玉だと検査用に特殊なソケットが必要になる。下手なソケットだとハンダの小さな玉を変形させたり脱落させたりする。一昔前の検査機器は、一千万以上して、なおかつ耐用数が 500回、などという洒落にならないほど高価なものだったらしいが、最近はどうなっているか分からないと技術者が言っていた。そうなってくると、検査するよりもむしろ、不良品を製品ごと破棄したほうが安くつくので、コストを計算して割り切ってしまうらしい。

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というわけでざっとメモリの話をしてきた。

最後に予想しておこう。私は、SDRAM の価格、特に PC100, PC133 で 128MB のメモリは、値下がりしないと予想する。理由は、半年後ぐらいに DDR-SDRAM が出る可能性が高いからである。最近一時期値下がりしたのは、恐らく噂通り台湾企業の決算期だったからであり、それも過ぎると他に値下がりする理由が見つからないからである。128MB 積んだパソコンは、主流になるとしても半年後以降になるだろうし、その時は通常の SDRAM ではなく DDR-SDRAM になっているだろう。一度主流が移ってしまうと、これまでのような主流価格で流通されることはないだろう。通常の SDRAM と DDR-SDRAM は、作り方がかなり近いようなのであるが、恐らく DDR-SDRAM の付加価値の高さに流れるだろう。


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gomi@din.or.jp