40. パーツだけだとただの箱 (1999/6/14,29,30)


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最近忙しくてなかなか時間が無かった。今月は休日が三日しか無く、残業も 100時間近くに達している。それでも時間はあったので、暇も気力もある時に書いた文章を載せることにする。

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CD-R を焼くのに二回も失敗した.原因はどうやら DRAM にあったようだ.以前怪しいメーカーで怪しいチップ構成の 64MB SDRAM PC100 CL=3 を格安で買ったと報告したと思うが,問題の DRAM はまさにその品だった.というか,メモリが悪いわけではなく,このメモリを CL=2 で動かしていた私が悪いと言えば悪い.普通にゲームをやっているだけではなんの問題もなかったのだが,CD-R を焼くときになると突然固まってしまう.Windows を強制終了させる Ctrl + Alt + Delete キーを押しても固まったままなので,私はすっかり CD-R のせいだとばかり思い込んでいたのだが,CD-R のテスト書込みでも固まることに気づいたため,ようやくメモリが原因だと分かったのだった.普通の CL=3 のメモリは大体が CL=2 で動くとうわさに聞いていたのだが,私が手に入れた怪しいメモリはさすがにそこまでマージンが無かったらしい.

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そこへ,最近の SDRAM の最近の暴落ぶりはどうだ.友人は既に 128MB 積んであるのにさらに 128MB を追加して合計で 256MB にしたそうである.彼は Windows を使っていないので,Linux で 256MB も使おうということらしいが,そこまで必要なのだろうか.ramdisk に使ったとしても,一万円の価値はあるのだろうか.彼も自分で「衝動買い」と言っているだけに,実はあまり意味がないんじゃないかと私は思う.

そろそろ RDRAM やら K7 用の DRAM やらが出てきそうなので,SDRAM は消えはじめているのかもしれない.だから,私自身は,たとえ安かろうと買う気はない.

以前私の作った自作機ガルベスは,現在弟のゲーム用・レポート書き用のマシンとなっているため,私のマシンは VAIO PCG-737 だけである.そろそろまた自作したくなってきた.K7 マシンを組んでみたい.7月ごろに K7 が出るだろうから,8月か 9月ごろに値段が落ち着いてきたのを見計らって,組みたい.だけど,実はいまからでも組みたくなってきた.K7 って六月に出るんじゃなかったのか? なんて思ってもしょうがない.というかそれ以前に,BeOS R4.1 はもう出たの? なんてことも思う.とにかく私は,K7 とかインテルの新しいチップセットが出たあたりで,安い材料を買い込んでマシンを作ってみたいなと思っている.

自作機ガルベスは相変わらず熱い.結局ケースを半開きにしないとまともに使えない.やはり欠陥ケースなのだろう.Celeron 300A を普通に FSB 66MHz で動かしても,ビデオカードやハードディスクが発熱の少ないものであっても,フラットケーブルを全部スマートケーブルに交換しても,ケースが駄目なら全部駄目なのである.だから最近私は,思い切ってケースだけ買い換えようかと思っている.少々大きいケースでも構わない.5inch ベイが二つ以上あれば遊べるし,MicroATX であることはもったいないが普通の ATX のケースも使えることだし,ここは一つ面白いケースでも物色してみようかと思っているところである.が,いまは仕事が忙しくてそんな暇は全くない.今月一杯は土日も休めそうにない.

ただ,ケースを買い換えてしまうと,余ったケースをどうしようかという問題がある.そこで,Socket7 の安い MicroATX マザーを買ってきて安い PC を組もう,という計画が出てくるわけだ.最近,100BaseTX とモデムとサウンドとビデオが付いて 12,800円というとんでもないコストパフォーマンスのマザーボードがあるみたいだから,こいつを買ってくればあとはケースと CPU とメモリと HDD と CD-ROM と FDD とキーボードとマウスと… 結構買わなくてはいけないのだが,そのうちケースとメモリと CD-ROM drive ならあるので,CPU は適当に Socket7 の渋いものをチョイスし,自作機ガルベスの HDD を 7200rpm の最新の大容量のものに交換するときに古い HDD を流用したりして,手軽にサブマシンが完成するわけだ.自作機ガルベス用に新しいケースと HDD を買うには計四万ぐらい掛かるが,そのあとでサブマシンを作るには一万円以内で収まる.なんと合理的なのだ.

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いま仕事で IBM ThinkPad 600 を使っている.このマシンはなかなか悪くないマシンである.一昔前のノートの中ではかなり良い部類に入っていて,いまでも快適に使用している.キーボードも打ちやすいし,造りもしっかりしていて,IBM のノートパソコンを見直してしまった.価格が高いのは納得いかないが,値段を別にすれば非常に良いノートである.

ただし,このノートを使っていてどうにも不快な点が一つある.それは,外付けマウスの精度が悪いのである.まさかマウス関係のドライバが悪いことはあるまい.そうなると考えられるのは,私がいつも使っている自分の VAIO の USB マウスが逆に精度が非常に高いのではないか.USB マウスは聞くところによると細かい動きに対応できるみたいだから,それになれてしまうと普通の PS/2 マウスが使うに耐えなく感じてしまうのではないかと思った.自作機ガルベスは PS/2 マウスなのだが,このマウスには独自のドライバが使用されているせいか非常に精度が高い.…でも,以前仕事で使っていた Dell のマシンのマウスはそこまで精度が悪いとは感じなかった.ということは,やはり ThinkPad のマウスドライバの精度が悪いということになるのだろうか.まあ,いまの職場には 600系のノートが三台ぐらいあるので,折りをみて調べてみたいと思う.

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ハードばかりではパソコンもただの箱である。ソフトについても少しだけ触れたい。

いまパソコンといえば、ネットワークにつながっていないと話にならない。ネットワークにつながっていないパソコンはゲームマシンと同じである。

私の場合、パソコンとはおもちゃであり、たとえネットワークにつながっていなくても、ゲームソフトがなくても、十二分にパソコンの価値はある。

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一ヶ月ぐらい前に友人から、パソコン版のビートマニアもどきなゲームの曲データを作ってみたらと言われている。彼から、曲データを作るためのツールを貰ったので、このツールを駆使すれば曲データが作れる。

ビートマニアとは、コナミが開発した音楽ゲームシリーズの第一弾で、プレイヤーは曲を奏でることでゲームを進めていく。プレイヤーは鍵盤の形をした五個のボタンと、レコードプレイヤーの形をしたスクラッチボードを操作して、ステージごとの曲を画面の譜面を見ながら奏でるのである。

まず曲作りの始めは、効果音とか楽器の音を録音して .wav ファイルを作ることからである。そのためには楽器がなくてはならない。幸いにして楽器は存在する。それから、効果音は CD から部分的に録音するなりすることが出来る。CD からの部分的なコピーは合法であるが、ちょっとだけにしておかなければならない。それが嫌なら、レコード屋に行けば DJ 用の素材CD があるのでそれを買う。普通の CD と同じか安く買えるはずである。

問題は土台となるリズムや背景音楽だが、これも適当に音楽CD のイントロ部を繰り返し再生するなりすればいい。ちょっとサイズは大きくなるかもしれないが、イントロの数小節を録音して wav ファイルにすれば良い。あとは曲を作るときに繰り返しこのサウンドファイルを再生しつづければ良い。

ここまでくると、ようやく真の難題に気づく。そう。あとは音楽を作るセンスだ。こればかりはなんともできないので、適当にやるしかない。まあ、曲を作ると考えるのではなく、ゲームの面データを作るのだと考えれば、プレイして楽しい曲を作ることを心がければ良い。

これまでにもスーパーファミコンとかプレイステーションなどで曲を作るソフトがあったりしたが、ゲーム専用機では限界があった。たとえば、音はあらかじめ決められていたり、曲の長さに制限があった。また、作ったデータはそのソフト内でしか使えないし、作ったデータをゲームとして誰かにあそばせることもできなかった。パソコンなら、ハードディスクの容量が許す限り音を録音できるし、曲の長さにも制限はない。作ったデータで友達にプレイさせることも出来る。

しかも、ここで紹介した「ビートマニアもどきゲーム」「曲データ作成ツール」「録音用ソフト」は、いずれも無料で手に入るものばかりである。各ソフトの作者は、金儲けのためにこれらのソフトを作っているのではなく、趣味として作っているので、フリーソフトウェアとして公開されているのである。無料だからといって商品に劣るとは限らない。

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3DCG も個人で作れる時代になった。私はこれまでに、すばらしいフリーソフトで色々と 3DCG を作って楽しんだ。しかし、残念ながらいまのところ、普通の人でも簡単に 3DCG を作れるようなソフトはフリーソフトには存在しないように思える。だが、商用ソフトの中には気軽に美しい 3DCG が作れるようなものもあるみたいである。ただし、まだまだ値段が高いので、気軽に「パソコン買ったけどなにやろうかな。3DCG ってのは面白そうだな」と始められるものではない。

私が公開している Windows 用のスクリーンセーバー ChromeBalls のインストールパッケージの最初に出てくる画像は、私の作成した CG のなかで特に自分でもなかなかの作品が出来たと思えたものである。だが、このような CG は、高い商用ソフトを使っても簡単には作れない、とてもひねくれたものである。この CG 一枚描くのに専用のソフトを一本作ったほどである。

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だが、なんといってもゲームは面白い。プレイステーションなどには無いような知的なゲームが楽しめる。面白いゲームは市販のものしかないのだが、金を出す価値はある。それから、パソコンはウェブを見るための道具だとも言える。この二つさえ押さえておけばいいのではないだろうか。
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gomi@din.or.jp