1999年5月29日 えぬえすい〜
老婆!地域振興券の使い道
私はとある商店街で精肉店をやっております。
ある日の日中、暇な時間帯にその客はやってきました・・・。
どう見ても1人では出歩けそうも無いヨボヨボのお婆さんと、息子夫婦と思われる付き添いの方の3名が来店して、何を買おうか決めあぐねている様子。
この時点で危険な匂いを感じ取りました。
しばらくして、嫁らしき人がウチの店員に質問。
「ロースハム1本って、お値段いくら位します?」
「ええっ!・・・あの〜約8,000円程度ですが…」
たいがいの小売店で切り売りしているハムは、贈答品の小さいやつとは違い業務用なので約1.8kgあります。
こんなの買う人は、盆暮れでもまず居ません(^^;
ところが…
「じゃぁそれ1本と、すき焼き用の牛肉の美味しそうな所を1kgと、合挽肉を300g下さい」
「はい…分かりました」(・_・;;
普通の家庭で買う量ではありません。
本当は凄い大家族なのだろうか? などと思いつつも、たくさん買ってくれる良いお客さんなので、上機嫌で牛肉を切り、そろそろ会計というところで・・・・
「今の全部でいくらになります?」
「16,***円になりますが」
口ぶりから、まだ追加したそうな様子。
そして、バッグからある物を取り出しました。
それは・・・・未使用の地域振興券二万円分の束!!(爆)
「これ(地域振興券)を全部使い切りたいから、残りの分だけ鶏肉をちょうだい」
(@▽@)!!
こんな面倒な金券はとっとと使い切ってしまいたい…といったご様子。
言われた通りに鶏モモ肉3kg弱(木亥火暴)を追加。合計\20,150也。
これですんなり帰るかと思いきや…
「これからそば屋さんに食べに行くのだけど、コレ重いからしばらく預かってもらえる?」
「はぁ…構いませんが」
と言って、荷物を置いて食事に行ってしまいました。
どうやら婆さんに地域振興券が交付された物の、自分で使い道が決められないので代わりに買い物してあげた様です。
それにしても、食事代ぐらい残しておけばいいのに・・・。そして、あの大量の肉やハムを食べきれるのだろうか…と思わずにはいられませんでした(^^;
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