2007年10月22日 Jun
単純!意思疎通
これは私が前に勤めていた会社での話です。
10年以上勤めた会社ですが今年、辞めました。
私は建築会社の技術部門にいました。
CADなどは扱いますが、特にコンピューター専門の部署というわけではありませんでした。
ただ、私がちょっとだけパソコンに詳しいということは、社内の上の人間も知っていました。
そんな状況で起こった話です。
私がいつもの様に図面を書いていると、電話が鳴りました。
そして、受話器を取ると、
「お〜い、ちょっとパソコンのことで聞きたいことがあるんだけど、いいか?」
ん? この声はN取締役部長・・・
創業者の血縁で、社内ではそれなりに力のある人です。
当時、私は11階、N取締役は別のフロアにいらっしゃいました。
「あ、N部長ですか? なんでしょうか?」
「あるホームページの文章を引用して社内に回覧したいんだよ。そこでこれをワープロにそのまま使いたいんだが、全部、自分で打ち込むのが面倒くさいんだよな〜。なんかいい方法ないかな?」
ん? PDFになっててコピペ出来ないのかな?
どうせPDFと言っても解らないだろうから、
「なんのホームページ見てます?」
と、そのまま聞いてGoogleで検索。すぐにN取締役部長と同じサイトに行き着きました。
普通にコピペ可能なサイトでした。そこでコピペの説明を開始します。
「まず、自分が引用したい文章の先頭にカーソルを合わせてください」
「矢印をそこにもっていけばいいんだな?」
そうそう! できるじゃん!!
これなら、行かなくても済みそうだ・・・と思いそのまま電話で説明を続行。
「そうです。その後、そこで左クリックをして、左指をマウスを押したまま、自分が引用したい部分までカーソルを移動してください」
「おう、やったぞ!」
意外と早い。
その時はN取締役は意外とパソコン使いこなせるのかなと勘違いしました。
「では、右クリックするとコピーと書いてありますよね?」
「ん? ちょっと待て・・・」
保留にされました。
それから待つこと5分ぐらいだったでしょうか。
その間、受話器は肩とあごに挟んだまま、自分の画面ではすでにCAD図面に変わり自分の仕事をしていました。
すると、大きな声でしかも若干、息切れ気味に、
「おう、やったぞ! 意外と面倒だな!」
ん? 面倒?
ドラッグは簡単にできたのに、そんなに面倒なのかな?
Ctrl+Cを説明した方が良かったかなと思いつつ、
「では、Wordにそれを貼り付けますが、N部長はWordを開いてますか?」
「おう! 下の青い部分にちゃんとあるぞ!」
ちゃんと、タスクバーに自分の作成しているレポートがあるようです。
先ほどの反省を踏まえて、今度はショートカットの説明をします。
「では、それを開いて、自分が貼り付けたい場所に行って、キーボードの下にCrtlと書いてあるキーがありますよね? それを押しながらPを押してください」
「ちょ、ちょっと待ってろ! 難しいことをいっぺんに言うな!!」
また5分ぐらい待ちました。
「できないぞ! 本当にこんなことでできるのかっ!? ちょっと来い!」
というわけで結局、N取締役のいらっしゃるフロアに・・・
そして、その机の前に行って唖然としました。
その目的のサイトがプリントアウトされており、右側にクリップの付いた書類をモニターにあわせていました。
もう、なにも言うことはありません。
結局、その場で電話で説明したことを実践をすることに・・・
さすがのN取締役もご納得されて・・・最後に一言。
「やっぱ、人間は目を見て話さなきゃだめだな」
だったら、最初から電話をしてこないでください・・・
ちなみに、これが原因で会社を辞めたわけではありません。
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