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破損!僕と母と、父と

2005年4月21日  灰キュア。


私が高校生の頃です。
家に帰ると、が正座してうなだれていました。

「どうしたの?」

と聞くと、プリンタが壊れたと言うのです。
嫌な予感がして見ると、インクカートリッジを抑える役目をするはずの物体ありません

「・・・母さん、部品が無いよ?

と、努めて冷静に訊ねると、正座したまま手を差し出します。
何も言わずに掌を差し出すと、案の定その部品でした。

ですが、「取れた」のではなく「もげて」います。
切断面は惨いことになっており、まるで引きちぎったかのような・・・

「・・・なんで取れたの?」

ここで母親がリミットブレイク

「知らないわよ!!」

あっちゃーと思いつつも、今後の為にも注意をせねばと立ち向かいます。

「矢印が書いてあったから引っ張ったのよ!! そうしたらもげた!!!」

・・・・・。

メーカーが親切に記してくれていた「押せ、そして持ち上げろ」のマーク。
母にしてみれば「そのまま引っ張れ」だったようです。

「・・・なんでひっぱるかな」
「だって書いてあるじゃない!!」

・・・あーあ、と思いつつもどうしようかとプリンタを眺めます。
すると、背を向けたその態度が気に喰わなかったのかさらに猛攻撃をしてきます。

「だいたい、なんであたしがインク交換しなきゃいけないのよ!!!」

・・・うわぁ。

父さん、さっきから一言も喋ってない。
インク交換って、自分が帳簿を印刷したからだろうが。
と、思いつつも私の頭の中には、「よりによって黒インクを固定していた部品がなくなってどうしようか」と、それしかありません。

「インク交換ぐらいあんたがやりなさいよ!! パソコンダイスキなんでしょう!?」

・・・あぁ、大好きさ。
パソコンは友達だ。

(カートリッジ)代える前に説明書見るとか、努力はねぇのかよ!?」

暴れる母を前に私もつい・・・
しかし父は、

「母さんが説明書なんて読めるわけ無いだろう?」

と言う顔をしたまま黙っています。
で、結局、

「知らないわよ!!!」

で全ては終わりました。


そのプリンタは結局、

黒インクを本体にセロハンテープで固定して使用する

というアグレッシブな対処でそのまま使用されました。
(もちろん印刷中に外れると言うアクシデント多発)


つい最近、そんな親がかわいそうでプリンタを購入しました。

せっかくだから自分よりグレードの低いものを買ってやる。
そう思って購入したのは、自分のと全く同じ機種でした。

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