2009年8月26日 とびび
慈善!助け合いの精神?
とある地方都市で、国際交流協会に参加しているとびびと申します。
こんな出来事があったので、投稿させていただきます。
その日、協会事務所に訪ねてきたのは、限りなくお爺さんに近いおじさんでした。
開口一番、
「××と○○(どちらも国名)から人がいっぱい来てんだ。で、ここは何をしてくれる?」
と、大声でがなるように言われました。
その勢いに凍り付きそうになりながら・・・
ともかく笑顔で「こんにちは」と受けつつ、あまりにざっくりとした質問なので、まずは来訪主旨をタイトにせねばならぬ、と感じました。
「どのようなことでお困りなのでしょうか?」
たいていの場合、何かに困って尋ねて来られる方が多いのですが、
「いっぱい困ってるに決まってるだろ? 大変なんだ」
お返事もざっくり感いっぱいです。
仕方ないので、各個撃破開始。
「では、日本語はいかがですか?」
「少しは話せる」
少しは、という答えは、おそらくもっと日本語ができた方がいいという気持ちがこもっているだろうと踏んで、こう聞きました。
「日本語教室には通われてますか?」
「行ってない」
「そうですか。人数が多いとのことですが、何人くらいいらっしゃいますか?」
ここで人数を聞いたのは、日本語教室を紹介するにしても、ボランティアベースの教室(大抵受講は無料)は規模が小さく、一度に3人以上新人を受け入れられないところが多いからです。
その場合、有料の日本語学校を薦めなくてはなりません。
「何千人といるんだよ! 大体なんで人数が関係あるんだ!」
即座に教室事情を説明しつつ、内心首をひねりました。
だって、市内在住の××と○○から来た方の外国人登録数は、合計200人いないんです。
いつのまにうちの市は不法滞在者の巣窟になっていたんでしょうか。
しかしこの方は、有料を勧められそうなことが気に食わないご様子。
「なんだよ、ここは日本語教室斡旋所なのか? だったら日本語教室斡旋所って名前に変えろ!」
「いえ、そういったわけではございま・・・」
「じゃあなんで日本語教室のことなんて話すんだ!」
「日本語に困って教室をお問い合わせになる方が多いからです」
「だから、その必要はないんだよ!!」
「それは失礼いたしました。では、他に何かお困りのご様子はありませんか?」
「全部困ってるよ! 文化が違うんだ!!」
日本語は「全部」のうちに入っていないんですか、それはまた珍しいですね。
と返しそうになり、言葉を飲み込みました。
いちいち怒鳴り声で返されるようになってきて怖いですし、ここでざっくりパターンに戻られたら困……あれ、戻ってる?
「お仕事はされているんでしょうか」
外国人労働者の派遣切りがちまたをにぎわせている昨今です。今度は仕事面での各個撃破を狙います。
「してるよ」
「同じ会社にお勤めでしょうか」
「いや違う。そんな個人的なことを言う必要はないだろう!」
集団就職で同じ国の人を引き受けたら、文化摩擦が起こって職場が大混乱ということでもない模様。
となると、この方は一体どんな立場で相談に来られたのかが気になります。
「では、あなた様とは、どのようなご関係でらっしゃいますか? 職場のご同僚かと」
個人的なことを聞くなと言っただろうとまた怒られるかと思いきや、あっさり返事をくれました。
「親戚だ」
しかし、この方は生粋の日本人に見える。
ということは縁戚かな?
心の中で思いながら念のために確認することに。
(日本人との血縁関係で在留資格(ビザ)が変わるからです)
「ご親戚・・・全員の方がですか?」
「当たり前だ。人類皆兄弟っていうじゃないか!」
・・・・・。
それは「アカノタニン」では。
そう思ってしまった私の心が見透かされたのでしょうか、
「お前たちは全く役に立たねえな! これから市長に会いに行くんだ、全然ダメだ、あんなのやめさせろって言っておくぞ!」
という捨て台詞でお帰りになりました。
・・・それよりも、不法滞在者の巣窟になっているってことを伝えた方が良いのでは?
その言葉を私が飲み込んだのは、いうまでもありません。
後で他の職員に聞いてわかったのですが、この方、市の窓口に軒並み怒鳴り込んでくる有名なクレーマーらしく。
本当は外国人の知り合いなどいないのではないか、ということでした。
窓口にあわせてああいった質問を考えているのかと思うと、努力しているのだろうとは思いますが、迷惑な努力だと思います。
たまたまネット設定の業者さんが来られてて、彼の退室後、
「ああいう方に派遣された先で会うことってありますか?」
などと話に花が咲きました。
業者さんの場合は困ったら「そういったことは上の者にお伝えください」と言うそうです。
うちの場合、「上」って、それこそ市長なんですけどね(^^;)
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