2007年8月28日 まき
適職!本人の意思は
少し前に、職業相談を取り扱っている団体で雑用係のアルバイトをさせていただいておりました。
時節柄、フリーターやニートの親御さんがたまにご相談にいらっしゃっていました。
その日も50代後半とおぼしき男性がいらっしゃり、
「東京で契約社員をしている息子に、職業の適性診断を受けさせたい」
とおっしゃるので、相談カウンターへご案内しようとしたところ、
「いや、なんかテストみたいなのがあるんでしょう? 隣の県の同じような施設で若い人が受けているところをテレビで見たんだけれど。それだけもらって帰りたい」
とおっしゃいます。
・・・適性診断というのは「目安」なので、用紙だけ持ち帰っていただいてもほとんど意味がないのですが。
第一、そこに置いてあった適性診断は、結果の見方が難しいですし・・・
適性診断担当者に話を取り次いだところ、「私が話をします」と対応を代わってくれました。
「用紙だけ持ち帰っていただいても意味がないので、ご本人に来ていただくか、東京にはたくさんこういった施設がありますし・・・」
といった話を始めたところ、
「いやね、契約社員なんかフリーターみたいなものでしょう? やめて帰って来いって言ってるんだけど、聞かなくて。同級生が○○さん(地元ではかなり大きな企業)に勤めていて『工場でよければ正社員で入れてやる』って言ってるのに。だからね、このテスト受けさせて『おまえは営業より製造業が向いてるんだ』って見せればいいかな、って思って」
!!!
「はぁ・・・」
「あいつは製造に向いてるに決まってるんだから!」
・・・・・。
「向いているという結果が出るとは限りませんが・・・」
と、ちょっと呆然とした感じで担当者が答えると。
「向いてるよ! 俺、親だから分かるんだよ!」
同年代として、息子さんが帰ってこない理由がなんとなく分かりました。
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