2005年10月30日 ころん♪
名前!呼ばせていただきます
今から10年程前のことです。
私は銀行で窓口を担当しておりました。
それは、ものすごい繁忙日に起こりました。
年の頃50才前後かと思われる男性のお客様が来店されました。
あからさまに電波が漂っているのを察知した私は、自分の窓口に来ないことを祈っていましたが・・・
・・・はい、やってきましたね。
「いらっしゃいませ。本日はごのようなご用件でしょうか」
「両替!」
両替するためには両替依頼書を書いて頂きますので、その旨お願いしました。
まあ、しぶしぶ書いてくださっていました。
一風変わったお客様でしたので「あぁ 良かったぁ、ちゃんと書いてくれた・・・」と、思っていました。
途中までは。
「はい、書いた」
「ありがとうございます。ではご希望の金種をご用意致しますので、お掛けになってお待ち頂け・・・」
・・・ん?
なんだこれ?
「あのー、お客様、お名前の欄ですが、これは・・・?」
「あぁ、そこに書いた通りに呼べよ」
「はぁ・・・ですが、本当のお名前も教えていただけないでしょうか?」
「いやだ! だめだ! そのとおり呼べ! 絶対だぞ、大きな声でだ、そう呼ばなかったら許さねぇからなっ!!」
・・・・・。
「はい、かしこまりました・・・」
しょうがないので一応承諾し受付しましたが、これには参った(。-_-。)
だって、お客様は自分のことを・・・
「河童さま」と呼べとおっしゃったのですから・・・
数分後。
私は大きな声でお呼びしましたとも!!
「河童さまぁ、カッパさまぁーーーっっ」
満足げなお顔の河童さまは、無言で用事をすましお帰りになりました。
あの方は一体誰だったんでしょう?
住所を書いても名前はどうしてダメなんでしょう?
今でもほかのお客様の怪訝な目が忘れられません・・・(-ι- )
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