1999年12月29日 FOX−兄貴
日米!交流決裂(後編)
あの事件から数年。
何もかも懐かしく感じていた頃、その電話はかかってきました。
「アンタのとこのパソコンを買ったんだけどね」
「はい、ありがとうございます」
「○○○って機種なんだけど、これにはウィルスス○ャンってソフトが最初から入ってるよね?」
「えーっと・・・(カタログで確認)・・・そうですね、入ってます」
「ないんだよね」
「は!?」
「いや、入ってないんだよ。今買ってきて、開けたところなんだけど」
そんなはずは・・・カタログの記述ミスってことはないだろうし・・・
「型番は○○○で間違いございませんか?」
「間違い無い」
「削除されたというご記憶もございませんか?」
ここでお客様、噴火。
「買ったばかり、開けたばかりだと言っているだろう!」
「あ、これは失礼しました!」
「ちゃんと調べたんだ! 普通はプログラムメニューの中に入っているのだろ!?」
「ええ、そうですね」
「上から下まで確認したんだが、ウィルスス○ャンという名前が無いんだよ!」
ここで若干、不安になりました。
お客様の購入されたのは新機種で、さすがにプログラムメニューの内容までは覚えていなかったからです。
ひょっとしたら、プログラムメニューに載っていないのか!?
もしかしたらカタログの記載ミスか!?
ますます不安になった私は、
「お客様、実際にこちらでも確認しますので、少々お時間をいただけますか?」
と申し上げ、保留にさせていただき、パソコン置き場に走りました。
さて、実際に起動し確認してみると・・・
あるじゃん( ̄- ̄;)
しっかりとプログラムメニューに「Virus○can」と書いてあります。
ん?
ま、まさか、これが読めなかったというオチなんじゃあ・・・
「Virus」は、ちょっと見では「ウィルス」とは読めないし・・・
「大変お待たせいたしました。あの、お客様・・・」
「あったか?」
「はい、ございました。それでですね・・・」
「んじゃ、私のだけに入っていないのか!? 不良品なのか!?」
「・・・もう一度プログラムメニューを見ていただきたいのですが、アルファベットで『Virus』と書いてあるのですが、ございませんか?」
イヤな沈黙が数秒。
「なんで英語で書いてあるんだ!!」
「・・・商品名ですので」
「しかもこんなに分かりにくく! 分かるはずないじゃないか!」
はい、大噴火です。
しかし私も、もう見習いではありません。撃墜モードに入ります。
「これはソフトメーカー様が付けられた名前です。私どもで変更できるものではありません。また、英単語ですので、分かりにくいと言われましても・・・」
私がこのように説明すると、お客様は思いっ切りイヤミったらしく、
「はいはい、そうですね。私に英語の能力が無いのがいけないんでしょうね!」
などと言い出しました。
よっぽど「ええ、そうですね」と言ってやろうかと思いましたが、ここは耐えて、
「確かに見つけにくいとは思います。その点に付きましては、申し訳ございませんでした」
と、円満解決に向けて進むことにしました。くぅ。
結局、なんとかお客様の気を静め、クローズとなりましたが・・・
以前の「なんで英語じゃないんだ!」のお客様といい、今回の「なんで英語なんだ!」のお客様といい・・・
世の中には、いろんな人がいるもんですね( ̄▽ ̄;)
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