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オスカーのゆくえ 2002

作品賞 Best Picture

A Beautiful Mind A Beautiful Mind
ビューティフル マインド
Oscarノーベル経済学賞受賞の実在の天才数学者、ジョン・フォーブス・ナッシュ・Jr.氏の波瀾と激動の半生を描いた感動作。天才の片鱗を見せる学生時代、軍に利用され徐々に精神を病む時代、病気と共生し偉業を達成する安らかな精神の時代。いつも傍らにいた妻の物語でもある(本人達は一度離婚しているらしいけど)。ゴールデン・グローブ賞受賞。
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Gosford Park Gosford Park 舞台は1932年、イギリスの瀟洒な館で催された週末の華やかなパーティーの裏で繰り広げられる階級格差、人間模様、殺人ミステリー。虚栄の華やかさを当然のように享受する階上の人々、生まれつきの地位に矛盾を感じつつ自我を押し殺すことを強いられる階下の人々が入り乱れる。一回見ただけでは誰が誰だか分らない、予習必須の群像劇。SAGベストアンサンブル賞受賞。
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In the Bedroom In the Bedroom 最愛の一人息子を悲惨な事件で奪われた初老の夫婦と息子の恋人の、行き場のない深い悲しみと怒りの行方をニューイングランドの小さな漁村を舞台に淡々と描いて共感を呼んだ話題作。最後に夫婦のとった行動を責められるだろうか。LA批評家会賞受賞。
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The Lord of the Rings The Lord of the Rings: Fellowship of the Ring
ロード オブ ザ リング
指輪物語3部作の最初を飾るSFファンタジー大作。不思議な力を持つ指輪を悪から守り抜く大役を任された少年の壮大な道程と冒険と成長の物語。13部門ノミネートはあのタイタニックに次ぐ快挙。燃えないゴミは正しく捨てないといけないという教訓は有史以前からあるという話でもある(ちゃうちゃう)。AFI賞、英国アカデミー賞受賞。
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Moulin Rouge Moulin Rouge
ムーラン ルージュ
19世紀末のパリの劇場を舞台に売れない詩人と売れっ子の踊り子の悲恋を描いたミュージカル。演じるのはブリットとオージー、歌は80年代ポップスという破天荒ながら壮快に楽しめるエンターテイメントの快作。ゴールデン・グローブ賞、NBR賞受賞。
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「バニラ・スカイ」「シッピング・ニュース」「The Majestic」などオスカー狙いの作品がコケていく中、低予算家族ドラマ、SFファンタジー大作、ミュージカルなど普段の年なら見られないようなバラエティー豊かな顔ぶれで賑やかなノミネートに。唯一の正統派「ビューティフル・マインド」が一歩リードと言われたが「事実を曲げ過ぎ」との批判も聞こえてきてちょっと失速。代わりに13部門で候補に挙がった「ロード・オブ・ザ・リング」に俄然勢いがついてきた。このまま雪崩れ現象が起こるかも。

ダークホースの声もあった「シュレック」は新設の長編アニメ賞に甘んじる。米軍によるソマリア襲撃失敗を描いた問題作「ブラックホーク・ダウン」、様々な解釈を呼び難解さも評判だった「マルホランド・ドライブ」、ムハマド・アリの激動の10年を描いた「アリ」、コメディーの中に家族を描いて評価の高い「The Royal Tenenbaums」、斬新さが衝撃的だった「メメント」などが選外に。


やはりというか正統派の「ビューティフル・マインド」にオスカーがわたる。最多部門ノミネート作品が作品賞を逃すのは異例な事。「ロード・オブ・ザ・リング」には、「3部作が全部の公開が終わってから『作品』を評価しよう」という投票者の期待感があったのかも。プレゼンターはトム・ハンクス。


監督賞 ◆ Best Director

ron howard Ron Haward (A Beautiful Mind)
ロン・ハワード(ビューティフル マインド)
Oscar現実と幻覚の狭間で苦闘する主人公の心の中に引きずり込まれるような力強い演出で観客をぐいぐい引っ張る。オスカー本命と思われた「アポロ13」でノミネートを逃してから7年越しの初選出。2回目のDGA賞も獲得して勢いあり。
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ridley scott Ridley Scott (Black Hawk Down)
リドリー・スコット(ブラックホーク・ダウン)
1993年、米軍のソマリア侵攻失敗の実話を再現した問題作で3度目のノミネート。やたら派手に見せることに関しては他の追随を許さない?
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robert altman Robert Altman (Gosford Park)
ロバート・アルトマン
アルトマン監督と言えば群像劇。今回も個性のある登場人物を見事にさばいて力量を見せつける。5回目の監督賞ノミネートで初の栄冠獲得なるか。ゴールデン・グローブ賞、NY批評家会賞、AFI賞を受賞。
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peter jackson Peter Jackson (The Lord of the Rings)
ピーター・ジャクソン(ロード オブ ザ リング)
スプラッター・ホラーものでカルト的人気のジャクソン監督が一転ファンタジー大作でフロント・ランナーへ。イマジネーションが豊富な人は何をやってもすごい。ノミネートは「乙女の祈り」の脚本賞候補以来で、監督賞は初めて。英国アカデミー賞受賞。
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david lynch David Lynch (Mulholland Drive)
デビッド・リンチ(マルホランド ドライブ)
文字通り真っ直ぐだった前作からがらっと変わって、曲がりくねった迷路のような独特の世界を映し出して16年ぶり3度目の監督賞ノミネート。ノミネートが監督賞のみという作品はアルトマンの「ショート・カッツ」以来8年ぶり。LA批評家会賞受賞。
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そうそうたる顔ぶれだが、意外なことに誰が獲っても初受賞となる。他の巨匠たちを抑えてハワード対ジャクソンの初候補同士の争いになりそうな予感。今までの実績をまとめて評価する感じでアルトマンが票を集める可能性も。「作品賞候補に挙がらなければ監督賞なし」のジンクスがあるのでスコット、リンチはちょっと苦戦。

リンチとカンヌ監督賞同時受賞だったジョエル・コーエン(バーバー)が落選で明暗を分ける。「俳優の監督処女作」に甘い伝統が今年は通じず、作品賞には推されながらトッド・フィールド(In the Bedroom)が選外。同じく作品賞候補ながらバズ・ラーマン(ムーラン・ルージュ)も苦杯。クリストファー・ノーラン(メメント)、ジャン・ポール・ジュネ(アメリ)、マイケル・マン(アリ)も一歩届かず残念賞。


「アポロ13」の雪辱でロン・ハワードがオスカー獲得。水気の無い顔ををほころばせてとても素直に嬉しそうだったのが好感度大。謝辞のなかで特にラッセル・クロウの演技を絶賛していた。最近逆風気味で主演賞も逃したラッセルくんへの思いやりだったのだろう(あるいは言わないと殴られると思ったのかも)。プレゼンターは自ら監督賞受賞経験のあるメル・ギブソン。


主演女優賞 ◆ Best Actress

berry Halle Berry (Monster's Ball)
ハル・ベリー(チョコレート)
Oscar夫を亡くし職場もクビになり、孤立無援の絶望のなか一人息子を抱えて奮闘する若い母親を緊張感のある演技でこなして初ノミネート。息子が事故にあった時のテンションの高さは特筆もの。AV顔負けのSEXシーンがすごいし、おしりの入墨も印象的。NBR賞、ベルリン最優秀女優賞、SAG賞受賞。
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dench Judi Dench (Iris)
ジュディ・デンチ
進行するアルツハイマー病と闘いつつ創作活動と愛に生きた実在の作家アイリス・マードックの晩年を相変わらずの存在感で演じて2回目の主演賞ノミネート。英国アカデミー賞受賞。
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Kidman Nicole Kidman (Moulin Rouge)
ニコール・キッドマン(ムーラン ルージュ)
19世紀パリの劇場ムーラン・ルージュの歌姫を華麗かつ妖艶に演じて初のノミネート。意外に(失礼)歌がお上手なのにびっくり。ジュリア・ロバーツでは無理な役だった。前夫トム・クルーズ製作の「アザーズ」も評価が高く充実の年。ゴールデン・グローブ賞受賞。
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spacek Sissy Spacek (In the Bedroom)
シシー・スペイセク
最愛の一人息子を突然失い、悲しみの淵に落とされた母親の苦悩を見事に表現して各映画賞を独占の勢い。周囲の気遣いにも疲れ果て、行き場のない怒りを夫に爆発させるシーンが心に刺さる。15年ぶり6度目のノミネート。ゴールデン・グローブ、NY・LA批評家会賞、AFIの各賞を総嘗め。
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zellweger Renee Zellweger (Bridget Jones's Diary)
ルネ・ゼルウィガー(ブリジット・ジョーンズの日記)
気がつけばお局予備軍になっていた30代独身OLの焦りと幸せ探しを体当たりで演じてコメディーでは異例の主演賞ノミネート。役作りのために9Kg増量、英国アクセントもこなした甲斐があったというもの。カラオケシーンでの音痴ぶりは「ベスト・フレンズ・ウェディング」のキャメロン・ディアズと肩を並べるほどお見事。
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各賞総嘗めの実力派スペイセクが本命。「アザーズ」の力強い演技との合わせ技でキッドマンが追う展開。実在の人物+ハンディキャップというアカデミー賞好みな役どころのデンチも有力…と思ったらSAG賞受賞でハル・ベリーも浮上してきて大混戦模様。

下馬評に上がっていたナオミ・ワッツ(マルホランド・ドライブ)やオードリ・トトゥ(アメリ)が残念賞。逆境にめげないヒロインを活き活きと演じたリース・ウィザースプーン(キュティー・ブロンド)も届かず。コメディーで認められるのは難しい。


名前が呼ばれた瞬間「Oh My Gooood!」と叫び、身体が震えて椅子から立ちあがれなかったハル・ベリー。言葉に詰まって一言も発せられなかった時に、立ちあがって拍手した旦那がかっこ良かった。その後、メモを一切見ずに泣きながら一気に謝辞を言い(弁護士にもお礼を言って場内爆笑)、「扉が開かれた」と黒人初受賞という意義についてもきちんと言及したりっぱな(且つ非常に長い)スピーチだった。思わずもらい泣き。ルネ・ゼルウィガーも泣いていた。それにしてもプレゼンターのラッセル・クロウはどさくさに紛れて抱きつき過ぎ。ジュディ・デンチだったらどうしたんだろうか。


主演男優賞◆Best Actor

Crowe Russel Crowe (A Beautiful Mind)
ラッセル・クロウ(ビューティフル マインド)
3年連続の主演賞ノミネートは85〜87年のウィリアム・ハート以来15年振り。逆境を克服して偉業を達成した実在の数学者、ジョン・ナッシュ氏の波瀾の生涯を熱演してゴールデングローブ賞・SAG賞・英国アカデミー賞を次々と獲得。女性に声もかけられないナイーブな彼を見られるのも貴重な体験(か?)
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penn Sean Penn (I Am Sam)
ショーン・ペン
ある日突然「父親失格」の烙印を押され、わけのわからないまま最愛の娘の養育権を必死で取り戻す闘いに巻き込まれた心優しい7才児の知能のサムを、時にユーモラスに時にシリアスに演じて通算3回目のノミネート。娘の幸せだけを願う純粋な心が胸に突き刺さってくる。
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Smith Will Smith (Ali)
ウィル・スミス(アリ)
ボクシングのカリスマ、イスラム教への改宗と改名、偏見、ベトナム戦争拒否……、ムハメド・アリの激動の一生の中でももっともドラマチックな10年間を、本人が乗り移ったかと思うほどの溢れる激情で熱演して初のノミネート。
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washington Denzel Washington (Training Day)
デンゼル・ワシントン(トレーニング デイ)
Oscar「オレ流」のやり方で新米警官の教育係りを努める、汚職・裏取引なんでも来いの強烈な悪人警官を迫力で演じて主演賞3回、通算5回目のノミネート。アカデミー賞は悪役に厳しい傾向があるのがちょっと気がかり。「グローリー」以来の2度目のオスカーに輝くか。LA批評家会賞とAFI賞を受賞。
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wilkinson Tom Wilkinson (In the Bedroom)
トム・ウィルキンソン
一粒種の息子の命を残酷に奪われた失意の中、埋められない悲しみの溝に苦悩する夫を静かに力強く演じて初ノミネート。自然に振舞おうと努力してもかえって寂しさの反動が襲ってくる、行き場のない悲しみを見事に表現してNY批評家賞受賞。
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アカデミー賞好みの役柄でラッセル・クロウが一歩リードするも去年獲ってしまったのがマイナス材料に働く可能性も。対抗は「初の悪役」のワシントン。シドニー・ポワチエ以来の黒人主演賞をスミスと争う。ポワチエ氏は既に今年の名誉賞が決まっているので、二人のどちらかが受賞すれば演出としては申し分なし。果たしてそれほどうまくことが運ぶのか。

ゴールデン・グローブ賞受賞で有力視されていたジーン・ハックマン(The Royal Tenenbaums)が落選。3本の主演作それぞれの役作りの評価が高かったビリー・ボブ・ソーントン(バンディッツ、バーバー、チョコレート)は票が割れてしまったのか選外へ。意外な?美声を聞かせてくれたユアン・マクレガー(ムーランルージュ)も残念。ガイ・ピアース(メメント)は映画の公開が早すぎて投票者の記憶に残っていなかった模様。忘れる前に入墨しておかないと。


封筒を開けた瞬間「生きててよかった!(←訳し過ぎ)」と言ったジュリア・ロバーツの正直なコメントで世界中の人が分ったデンゼルくんの受賞。「マルコムX」「ハリケーン」に続いて文字通り3度目の正直で38年ぶりの黒人俳優の主演賞。客席にいた名誉賞受賞のシドニー・ポワチエとオスカー像の見せ合いっこが微笑ましい、明るい受賞風景だった。昨年のゴールデン・グローブ賞ではジュリアを抱き上げて祝福したデンゼルくんは今年はお返しを受ける番に。

投票者の流れが「ビューティフル・マインド」に行っていたのに受賞を逃したラッセル・クロウの無表情の仏頂面が対照的。去年受賞した事が少なからず影響していたと考えると皮肉な話である。まぁ世界中に映像が流れていると分っているのにあの表情しかできないってことは意外に裏表の無い素直な性格なのかも。「デッド・マン・ウォーキング」の時もそうだったけどショーン・ペンが今回も欠席。アカデミー賞嫌いなんだっけか。


助演女優賞 ◆ Best Supporting Actress

connelly Jennifer Connelly (A Beautiful Mind)
ジェニファー・コネリー(ビューティフル マインド)
Oscarひたすら奇跡を信じて幻覚に苦しむ夫に献身的に尽くす妻。無償の愛を支える精神力にひたすら敬服してしまう。教授を色仕掛けで?落す学生時代の美しさは目を見張るほど。晩年婆さんになってからも崩れない体型にも感心。ゴールデン・グローブ賞、AFI賞、英国アカデミー賞を受賞。
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mirren Helen Mirren (Gosford Park)
ヘレン・ミレン
Gosford Park館の階下を仕切る「完璧な使用人」ミセス・ウィルソンを凛と演じて2回目のノミネート。生まれつきの身分に矛盾を感じつつ、自己を殺して職分を全うする彼女がとうとう耐えきれずに起す悲劇が胸を打つ。NY批評家会賞、SAG賞受賞。
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smithm Maggie Smith (Gosford Park)
マギー・スミス
階級格差にこれっぽっちの疑問も持ち合わせていないばりばりの上流夫人を隙のない貫禄の演技でこなして6度目のノミネート。使用人をあごで使い、アメリカ人を軽蔑する、徹底した化石ぶりは痛快でさえある。
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tomei Marisa Tomei (In the Bedroom)
マリサ・トメイ
元祖番狂わせの彼女が実力で帰ってきた。年下の恋人を前夫に殺され失意と自責の念に苦しむシングル・マザーの心の痛みを淡々と演じて2回目のノミネート。二人の交際を快く思ってなかった母親とのわだかまりが解ける日はくるのだろうか。
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winslet Kate Winslet (Iris)
ケイト・ウィンスレット
晩年はアルツハイマー病に苦しむ実在の作家の青春期を演じて3度目のノミネート。ちょっと痩せたような。LA批評家会賞受賞。
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番狂わせと言えば伝統的にこの部門。でも今年は誰がとっても納得の顔ぶれが揃う。奇跡を信じて献身的な愛を捧げる妻を力強く演じて感動を誘ったジェニファー・コネリーとヘレン・ミレンが頭ひとつリードか。

浮気のツケは高くつくと世の男性を奮えあがらせたキャメロン・ディアズ(バニラスカイ)は映画の評判が祟ったのか惜しくも落選。 個性豊かな銀行強盗コンビの逃避行にとけ込んだ奔放な主婦(バンディッツ)など、今年活躍が目立ったケイト・ブランシェット、トラウマ体験を記憶に封印して北国に生きる老嬢を静かに演じたジュディ・デンチ(シッピング・ニュース)、知的障害の父の愛情を一身に受けた聡明な少女を巧みに表現したダコタ・ファニング(I Am Sam)他は一歩届かず。


授賞式しょっぱなの部門は、事前の各種予想ではがちがちの大本命だったジェニファー・コネリーが他のノミネート・受賞経験者を抑えて見事オスカー初獲得。このカテゴリで本命が受賞するとは番狂わせなこと(なんのこっちゃら)。若い割には芸歴の長い彼女ではあるが、意外にもスピーチはメモの棒読み。相当緊張していたのか最後までメモから顔が上げられなかった。少しやつれた感じがちょっと心配な感じ。


助演男優賞 ◆ Best Supporting Actor

broadbent Jim Broadbent (Iris)
ジム・ブロードベント
Oscarアルツハイマー病が進行していく妻を包み込む愛で精神的に支える実在の作家ジョン・ベイリーを感動的に演じて初ノミネート。ムーラン・ルージュでの「ライク・ア・バージン」も捨て難い実力派。ゴールデン・グローブ、NBR、LA批評家会賞受賞。また英国アカデミー賞を「ムーラン・ルージュ」の演技で獲得。
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hawke Ethan Hawke (Training Day)
イーサン・ホーク(トレーニング・デイ)
新人一日研修の担当の先輩がとんでもない奴だった、という可哀相にも不幸な男。脚本をもらった時に「自分がきっちり仕事をすれば、デンゼルがオスカーを獲れる作品だ」と思ったのだとか。健気だね。ダークホースながら、SAG賞でもノミネートされたように俳優仲間からの支持が高い。
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kingsley Ben Kingsley (Sexy Beast)
ベン・キングズレー
引退していたかつての仲間を再び悪の世界に呼び戻して、大仕事を画策する残忍非情なギャングをハードボイルドに演じて新境地を開拓。通算3回目のノミネート。
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mckellen Ian McKellen (The Lord of the Rings)
イアン・マッケラン(ロード オブ ザ リング)
指輪を悪から守るためホビット族の少年フロドに託す魔法使い、ガンダルフ役の存在感あるれる演技でゴッド・アンド・モンスター以来2度目のノミネート。SAG賞受賞。
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voight Jon Voight (Ali)
ジョン・ボイト(アリ)
イスラム改宗・ベトナム戦争回避で批判の渦中だったムハマド・アリを一貫してサポートしていたスポーツキャスター、ハワード・コッセルを演じて4度目のノミネート。言わずとしれたアンジェリーナ・ジョリーのパパ。
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ブロードベントが最有力。これで助演女優がコネリーだったら今年は「介護の年」になってしまうが。「強烈な個性の主人公に振りまわされる役」は地味なだけに認められるのは大変な事。そういう意味でイーサン・ホークのノミネートは立派。

名前で言うよりファーゴの"変な顔の人"と言った方が分り易いアメリカ版"ハムの人"、スティーブ・ブシェミ。ゴースト・ワールドで演じた孤独な男でノミネート有力と言われたが惜しくも落選。A.I.のジュード・ロウ、Life As a Houseで屈折した思春期を熱演したヘイデン・クリステンセン、早口でまくしたてる都会の弁護士が出色のトニー・シャルホウブ(バーバー)、ラッセル・クロウにいつまでもまとわりついていたエド・ハリス(ビューティフル・マインド)などが残念賞。


助演女優賞と同じく、病んでいく最愛のパートナーを辛抱強くサポートする役に票が集まった。テロ以降、地味に周りを支える人達の勇気と強さにスポットを当てたいという時代の流れの現れかもしれない。


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