日記 (98.12)

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98.12.17

今日、加害者も痛いんじゃないかと思った。

そう思ったら、被害者づらして責めまくる気も起こらなくなった。

98.12.8

僕はやっぱり人の中にいたいんだと思う。
居たくない集団の中に居るよりは一人の方がいいと思ったけど、それよりは居たい集団の中に居たい。
だから独りでいるのが一番好きというわけじゃないんだ。

ある集団の中に属しているにはその集団に属する資格が要る。
僕はその資格の欠如にいつもさいなまれていた。
子供の頃から外でみんなと遊ぶ元気な男ではなくて同世代の男に対し引け目を感じてた。
会社にいたときもその会社で幸せに働く自分の未来の姿が想像できないことに耐えられなくなった。

少し前に流行ったエヴァの中でこういう設定があった。
シンジはずっと一人で過ごしてきた。そしてエヴァのパイロットとして必要だからという理由で第三新東京市に連れてこられた。危険な戦闘を経験しエヴァに載りたくないと彼は思った。しかし「エヴァに載らなければ君はここでは必要ない人間なのよ。」と言われた。彼は最終的にこの街に居たいと思った。居たいがために再びエヴァに載ろうと思った。

集団の中にいるには資格が要る。
でもその資格を保ち続けるのが辛い場合もある。
僕はその資格を持っているかのように振る舞うことがいやになって集団から逃げた。
その集団に居続けることと異質感を抱えながら暮らすことを天秤にかけた結果集団から離れることを選び続けてきた。

僕はもう子供じゃないし環境を変えることもできないほど老けてもいない。
居たくない集団なら去ってもいい。
自分が普通に考え普通に行動していることがそのまま資格になるような集団に入り直せばいい。
僕はそれを怠っていた。いや否定していた。自分が、多数決をとったとき「却下」側の人間になることを認めたくなかったからだ。生きる上で不便だから。
でも僕はわざと自分で自分を追いつめた。どこまでピュアを通せるか、わがままを通しまくり逃げまくり孤独に追い込んだ。
結局この年になったらもうめんどくさいことはどうでもよくなった。
自分がそのまんまでいられるところに居れるのがいい。
案外自分はそれほど「普通」から離れているわけではないかもしれない。
なにしろこの窒息しそうな現代で自分みたいな人間は珍しくなくっているし。

僕はもう特に演技もごまかしもしなくていい集団を見つけてそこに属そうと思う。
人の中で生きることをやっぱりしたいから。
まだなにも決まってはいないけれど。

98.12.6

僕にも好きになった歌手、バンドがいくつかある。
それらは何気に自分の節目になってたりする。

高校3年の夏、レベッカを知った。
「ハーフポテトな俺たち」というドラマの主題歌として「フレンズ」がヒットしたためだ。
いやむしろそれは別に知ったことで、僕はそのドラマのファンだった。友達に教えてもらったのだ。
ドラマの中でレベッカの3つの曲がすごく活きていた。
ドラマはとても青い世界だったがレベッカの青さがマッチしていた。僕は地味な学生としてずっと義務教育と高校生活を送ってきたがそれらの青さによって急に自分の若さを自覚した。「冒険」という言葉がほぼ無かった自分にいきなりそれが芽生えたのだ。
大学受験を直前に控えて目覚めた世界。
地味でおとなしく過ごしすぎた反動ゆえ、それは続く大学生活で〜同時に手に入れた自由と解放と共に〜爆発したのだ。

26才の春、ミスチルを知った。
正確に言えばミスチルの歌う(それは作詞作曲して歌う桜井さんの)世界を知った。
それまでも日本中で大ヒットを連発していて当然ヒット曲として好んではいたが、自分に染みとおるものとして聴いたのはそのときが初めてだった。
当時僕は数年勤めてきた会社生活に相変わらず違和感を感じていた。
たぶん誰にもあるかもしれないもの。現代に生きる人間ならもってるかもしれないもの。「今の状態は満足してない。」「今の自分は違う。」
そのころに巷でヒットしていた「名もなき詩」を聴いた。
その曲の中の「あるがままのこころで生きようと願うから人はまた傷ついてゆく」「知らぬ間に築いてた自分らしさの檻の中でもがいてるなら誰だってそう 僕だってそうなんだ」に涙した。
大学で謳歌した自由を忘れられず、にもかかわらず中学生の時のように優等生をしようとルールを意識しすぎた会社生活。どのようにすれば人に認めてもらえる自分になれるか、と周りによって左右されていた。
でも気が楽になった。
好きにしていいんだ、と思った。
彼らはその後そのピュアさゆえか芸能界という巨大な世界の中で壊れていった。
僕も彼らによって解放された精神のまま会社生活の中で壊れていった。
桜井さんと僕は同じ年代らしい。どちらも1970年の3月生まれである。そしてそのころ直面して且つ感じていたものもなぜか同じようなものだったらしい。
ミスチルはその後長い休止期間をおいた。
周りに勘ぐられるほど長い休暇だ。しかし最近復活した。僕自身は彼らが芸能界での活動に復帰しないと思っていた。しかし長い自分回帰のすえ彼らは戻ってくることを選択したらしい。
僕は・・。

周りと自分との関係をうまくやっていくことができず小利口だがかしこくない頭で模索している自分。
衝撃的な出会いとともに彼ら彼女らの世界によってあきらかに自分は変化した。
今はもうその世界とは当時交わったきりで別の方向へと進んできているが、今でも聴くとそのころを思い出す。
たしかにそのころ受けたものは自分の中に残っている。

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