まくらのそうじ 別巻

「たまごっち」より「パソコっち」だ!


下記の文章は「たまごっち」が流行ったとき、その社会的影響と今後、というテーマで先生にご意見を伺ったときのものです。
時事ネタなので風化してしまいましたが、莫談先生がどういう人物かおわかり戴けると思います。


今日は大ブレイクの「たまごっち」について考えてみたいと思います。お話は、書道家であり、大東亜戦略研究所所長の
石川 莫談(いしかわ ばくだん)先生に伺ってみたいと思います。

作者「やあ、どうも。先生お久しぶりですねぇ」
莫談「うむ。ビックバン以来じゃのう」

作者「・・・・・ところで先生、「たまごっち」より「パソコっち」だ、なんて言っちゃっていいんですか?全国の女子高生の恨みを買いますよ」

莫談「だからおまえは、スニッカーズのように甘いというのだ!確かに女子高生に恨まれてしまっては、援交が出来なくなって困るおやじが
   出てくるだろう、だが私はあえて言う、「たまごっち」はだめだ!!

作者「援助交際してるんですか?」

莫談「・・話をそらすな!!ゴホン。いいか、「おばけっち(死んでいる状態のこと)になったらみんなどうする?リセットして、最初から始めるだろ?
   だが、実際のペットでそんなことが出来るか?できるとしたら、それは生き物に対する冒涜の何者でもないではないか?

   「たまごっち」を代表とする「デジタルペット」と総称されるものは、ペットという人間と動物の関係を安易に「仮想化」してしまう。
   その結果、自然を身近に感じることのない都会の子供は生き物の「生死」に疑問を抱かなくなる可能性が大いにある。
   そんな子供にしてはいかんのだ!!

作者「・・・たまにはまともそうなことを言いますねぇ」
莫談「何だその言い方は!!ヒトラーを暗殺したのはこのわたしだぞ!!」

作者「はいはい(だからじいさんは嫌だ)ところで、先生が言う「パソコっち」って何ですか?「たまごっち」のバッタもんですか?」

莫談「違う。おまえももってるだろう。ただのパソコンのことだ」
作者「・・・はぁ?」

莫談「まったく、だからおまえはワシのチ○チンのように頭が固いと言うのだ。つまりだ、パソコンを「人格化」したほうが、
   「たまごっち」より数段おもしろいってことじゃよ」

作者「パソコンを人格化ですか・・・。具体的にはどうするんですか?」
莫談「まず名前を付ける。ちなみにわしのPC−98は、「ICOREENA(イコリーナ)」と名付けておる。ほら、上着の襟に写真もはってある。」

作者「(ただのアニメオタクじゃねぇのか・・)そういえば、先生PC−88も持っていましたよね。88の名前は何というんですか?」

莫談「CORETOUMO(コレトモ)と名付けておる。その心は・・・」
作者・莫談「「もう、つかえない・・・」」

作者「・・ちょっとローカルネタでしたね。わからない読者のみなさんごめんなさい」(莫談注:コレトモとは、奴の学生時代の担任の名じゃ)

莫談「別にどんな名前でもよかったんじゃけどな。COAGURA(コアグラ)とかDO(ドゥー)とか・・・」

作者「(ふるいなー)それはともかくとして、他に「人格化」するのにどんな事をするんですか?」

莫談「普段とかわらんよ。ただ、意識の問題じゃ」
作者「というのは?」

莫談「パソコンにソフトをインストールしたり、周辺機器を接続し機能を拡張するということは、パソコンが「成長」するということだ。
    「たまごっち」で言えば、エサだな。ただ、エサの中にはウイルスという毒が入っていたり、パソコンによって好き嫌いがあるからな。
    「エサ」を吟味するのもなかなか大変だ。

    この間なんて、食べあわせが悪かったらしく、うちのイコリーナが起き上がれなくなってしまった。
    文字通りOSが起ち上がらなくなってしまったんじゃ。修復セットアップをかましたり、怪しいドライバーを外してみたりとなかなか骨が折れたわい。
    
    これが、「たまごっち」でいう「注射」になるわけだが、たまごっちとは比べものにならないほど手をかけておるじゃろ?
    苦労したほど子は可愛いと言うからなぁ。いやーしかし、久しぶりにイコリーナの看病で徹夜したんだが、さすがにこの歳ではしんどいわい。
    昔は、「抜かずに3発の莫談」と言われたもんじゃったが・・・」

作者「(後半無視)たしかに、そうすることで親しみが湧くかも知れませんねぇ。そうすると、さしずめコンパネは「しつけ」で、
    「ゴミ箱をからにする」は、うんち流しってとこですか?」

莫談「うむ。パソコンは「たまごっち」と違ってゲームができるので、育てる側も楽しいからのう。それになんといっても、
    あのピーピーうるさい呼び出し音がない。あのおかげで、仕事が手につかんOLがどれだけ・・・」

ピーピーピー

莫談「なんじゃ?携帯か?ワシと話すときは電源を切っておけとあれだけ・・・」

作者「あっ、ピーちゃんおっきしたの?今ご飯あげるからねー。ご飯食べたら「あっちむいてホイ」であそぼーねー」
莫談「・・・貴様、たまごっちなんぞ持っておったのか!!しかもレアな「しろたま」ではないか!!これはワシが没収する!!」

作者「ああっ、先生なんて事するんですか!これ買うのに徹夜で並んだんですよ!」
莫談「おまえはワシの話を聞いておらんかったのか!!たまごっちは日本を滅ぼすぞ!!

作者「・・・先生、本当は「たまごっち」ほしいんじゃないんですか?」
莫談「(ギクッ)そっ、そんなことは談じてない!!ワシはただ、研究対象として「たまごっち」に興味を持っているにすぎん!!」

作者「いいから返してください!!」
莫談「研究には常に犠牲が付きものなのだ。我慢しろ!!・・こら、手を放せっ。あっ・・」

バサッ

作者「・・・たまごっち母子手帳・・・」
莫談「い、いや、こ、これは孫がだな・・・」

作者「先生に孫なんていないじゃないですか!!全く、頑固なんだから!!」

莫談「くそー、バ○ダイめ!!わざと出荷量を制限してワシの研究をじゃまするつもりだなっ!!ワシは権力には屈せぬぞ!!」

作者「責任転嫁するなっ!!」

 ・・・数日後、バン○イの配送コンピュータが何者かにハッキングされ、中国の工場から約一万個のたまごっちが行方不明になろうとは、
   神ならぬ私に知りうべくもなかった。



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