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メジャーリーグ年間最多安打記録を塗り替えたイチロー

[日本生まれの魔法使い]

ついに日本の生んだ魔法使いイチローがその魔法のバットでメジャーリーグ年間最多安打記録を塗り替えた。鋭く振りぬいたバットから放たれた打球は野手を避けるかのように綺麗にセンターの前で弾んだ。実に84年の時を超える記録更新の瞬間だった。

しかしこの記録に関してアメリカでは様々な声が挙がってきている。つまり文句無くすげぇよという声と大したことないという声と。この大記録にどうしてすごくないという声が挙がるのかと言えばそれはイチローが日本人だからであるのだが。しかしその気持ちは僕も分からなくは無い。僕だって日本でローズやカブレラが王さんのシーズン55本塁打の日本記録を破りそうだった時心のどこかでは複雑な気持ちがあったから。そしてイチローが記録を達成した時にこの話は絶対出ると思っていたんだけれど、案の定物議を醸し出したのが試合数の話。

これまでの記録保持者だったシスラーがプレーしていた1920年当時試合数が154だったのに対し現在は162。イチローが記録を破ったのが160試合目。つまりイチローも154試合目までの記録で比較すべきでその後の試合での記録なんて意味が無いという意見だ。これに関して僕の意見を言わせてもらえばあくまでこの記録は年間最多安打を競う記録であって、試合数で区切って競う記録では無いからイチローの記録は正統なものであると思う。これは僕が日本人だからではなく、あくまで記録の定義を考えてみての結論だ。そもそも試合数で区切るくらいなら打席数で区切ったほうがよっぽど平等だと思う。でもまあ154試合経過した時点でシスラーがイチローの上にいたことは確かだし、そういう意味で年間最多安打の記録上では抜かれてもシスラーが伝説の選手であることにはなんら変わりはない。大体考えてみたら154試合制の時代に作った記録を162試合制になった後にも誰も抜けなかったんだから凄い。ただシスラーのいた時代ってのは今とはだいぶ野球のレベルが違っていたから、一概にイチローとどっちが上かを比べることは出来ないけれど。4割打者も多くいたし60歳までプレーしてる選手もいたし。まあ僕の勝手な予想を言わせてもらうと今のイチローがシスラーの時代に行ったら300本くらい打つんじゃないかと思う。しかしそんな議論はめちゃくちゃで、その時代その時代の中で残した記録同士平等に比べるから評価できるし歴史となってゆくのだ。

そしてその歴史の中で確かに頂点に立った選手イチロー。その偉大さに議論の余地など無い。

'04/10/04


 

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