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岩隈を簡単に打つボンズ


[異文化対決]

日本の3連勝で始まった日米野球も、後半はメジャーの逆襲に遭い、終わってみればメジャー側の4勝3敗で幕を閉じた。それにしても日本、立場的にはチャレンジャーなんだからもっと我武者羅にいってほしかったな。ロクな実績も実力も無い岩隈(近鉄)とか先発させてんじゃないっつの。見てて「うわー失礼〜」とか思ってしまった。確かに一流投手の故障やメジャー流出で現在日本の投手陣はかなり層が薄いという事情もあるんだろうけど、本気で勝ちに行ってるようにはちょっと思えなかったね。

さて今回の対決、僕は選手の力対力の勝負以外に、日本の野球とメジャーのベースボールの異文化決戦でもあるなあと思って見てた。それくらい野球とベースボールは違う。まず日本の野球では「不動の4番打者」という代名詞が存在するが、メジャーではそれはほとんど存在しない。打者の調子に合わせて打順をころころ変えるのが普通だ。だから一昨年メッツで新庄が終盤4番の座に座ったのも、日本の感覚で考えればものすごいことのように思えるがメジャーではよくあることなのだ(と言ってもメジャーに定着し一時でも4番に座ること自体素晴らしい功績だが)。

ではなぜ打順をコロコロいじるのか?それはメジャーではそこが監督の一番の腕の見せ所なのだ。メジャーではプレーヤーの意思が日本よりも遥かに尊重されるため、日本のように監督がこまめに作戦面の指示を出したりしない。特に5回までに送りバントやヒットエンドランのサインが出されることはまずない。では野球が粗いのか、と言えばそうではなく、サインは選手同士で出されているのだ。そのため日本のように選手がバントを失敗して監督の責任が問われるということもない。選手の失敗は選手の責任であり、だからこそメジャーの選手は誇り高く感じられる。それも日本の選手がメジャーに憧れる理由の一つなんじゃないかと思う。

だから今回の日米野球を見てても、松井が絶不調にもかかわらず全試合4番で出場したのに対し、ボンズがチームが連敗するや否や4番から3番に打順を変えられたところとか面白いなあと思って見てたし、メジャーの監督が前半大量点取られたりチャンスの場面が来たりしてもベンチでぼけーっとしてるの見て「ああ、メジャーっぽい〜」とか思いながら一人でニヤニヤしたりしてた。え、変態?

'02/11/19


 

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