RULE ROOM
−DETROIT AGENCY−




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オヤジだね、うん

目 次 
 その小さな旅行会社の入り口、カウンター脇のロビーには一つの人影があった。
 ソファに座り、漫然と考え事をする初老の男。着ている服装からするに事務関係者だと解る。
 初老の男はふと、彼に振り向き、小さく笑った。分厚いサングラスへ蛍光灯の明かりが笑みのように反射する。
 精悍な声が、出た。
「デトロイト出張所へようこそ。どのような用目を?」
「あ、えーと、ここは一体、どのような……」
 彼の要領を得ない物言いに表情一つ変えず、初老の男はロビーのテーブルに置いてあった一冊の本を取る。
−INDEX−
・序章−当出張所存在意義
・二章−利己禁止法
・三章−先生禁止法
・四章−公認禁止法
・五章−接続規定法

「私は副所長のGustovだ。上のINDEXを選びたまえ。さすればいかなる質問にも答えよう」
 と、グスタフは、悠然たる口調でそう言った。