01−
NOVEL01

初文章全体考

制作日時:1998/7/下旬


ここに書くことは自分的小説の書き方であり、
このNOVEL・EDUCATIONの指針となることであり、
また、
自分個人として信念のように思っていることだったりします。

よって、
こから先に書かれることが自分のいる領域(一般市場のあるゲームや小説)の”平均意見”ではない
ことに注意して下さい。
これは自分の意見であり、
それを読んだ方がどう思おうと勝手です。
そして、
読んだ方の意見に対して自分がどう思うかもまた勝手
です。
意見として世に流れたモノは、
受け取った側に消化され、
作った側はもはや制御できない。
この一般的にクリエイターが持つべき理念でここから先もずっと綴るので以後宜しく、
と。




 今回は書くと言うことと、
世界観の作り方ってのを説明したいと思います(いきなり高圧的だなあ)。
 さて、
小説(もしくは一本の話)を作る際には、
どのようにすべきなのか?
 一番やってはいけないのは、
「いきなり書き出すこと」

 です。
 そしてまず初めにしなければならないことは、
「自分が何を書きたいのか、
よく考えること」

 だったりします。


■■
ものを書くと言うことは他人に何かを伝えること
どんなにささいなことでも、
どんなに下らないことでも、
どんなに楽しげなことでも

「最後まで言い切る」
「いいたいことを文章全体に提示する」

ということができなければ伝わらないです。
そしてこれを支えるのは誰が何と言おうと、
「書く側が持つ書ききると言う意志から発生する行動力」
であり、
書くための意志を阻害しない、
「書くべき自分の疑問の明確化」
が必要となります。



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疑問−DOUBT
「自分の意見が正しいか否かを問う意識・疑念」

自分に絶対の自信があるならば表に出す必要はない。
問いかけて確認したいからものを作る。



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 一体自分は何が書きたいのか?
 一言でも良いから、
メモとしてノートや画面に書き、
文字として目の前に置いてみましょう。
 その一言と自分が長い時間をつきあえるか否か(短編でも早くて1時間、
長編だと数年かかる場合もある)を考えるといいかもしれません。
 それが女房だ(笑。
 うちの女房はいける。
 と思ったならば更にそれを考えましょう。
 自分が言いたいことはどのような形をもって提示されるべきなのかを。
 そこから先がものを書くという行為ですね、
と。


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自分の言いたいことが固まったならば、
次に考えるべきは、
まあ色々ありますけど、
ここでは一例として(おいおい自分だけの信念じゃなかったのか(笑))
「世界観」
でいきましょう。
▲世界観要素                            
:物理法則の設定
:諸処限界点の設定

以下、
物理法則として、
「何故に存在できるのか、
もしくはできないのか」
を明確にしておかねばならない要素を軽く列記します。

▲▲世界観の物理法則(ライト小説版)        
:光と闇
:重力                                    
:時間
:地球(大地)もしくはその世界
:宇宙
:人
:霊もしくは人以上のもの

物理法則を設定しなくて良い話は、
無いっす。
いやマジに。

設定として、
「現実と同じ」
「不明である」
「ある・なし」

というのであろうとも、
設定としては大切なことであり、
「作者の頭の中に明記されるべき」
だということを忘れないようにして下さい。
なお、
上記の法則は自分的な一例(99年末現在)ですので、
不足分や助長分は各人で判断なさって下さい。
さて、
ここまで読まれて解ると思うけどここでいう世界観の物理法則とは、
「機械や魔法や政治ではなく、
基礎となるグローバル部分」

のことだったりします。
機械や魔法などは世界観の諸処限界点に含まれます。

▲▲世界観の諸処限界点(ライト小説版)       
:現在にいたるまでの歴史
諸処限界点とは、
この一言で全てがカタづいてしまいます。
「どういうことか?」
と言う問いには下の引用文(意訳)で応えましょう。



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「化学の実験というものには、
間違いがおきないだろう?」
「ええ、そうですね」
「だが、昔は皆、動物は土から出来ると言ったり、
火は精霊が生むと言ったのだよ」
そう言って、
ブルカ二ロ先生は辞典を広げて見せました。
「ごらん、この地図を。
紀元三世紀頃には皆が地球をこういう大地だと思っていたのだ。
しかし、それが十世紀にはこういう地図となり……、
十五世紀にもなるともう、真実と変わらない」
先生は辞典をめくって言いました。
「化学も初めは間違いつつ、同じように発展したのだよ。
だから、
もしお前がここに書いてある信仰や思いを探求したならば」
と、先生は本を閉じ、
「いずれ信仰も思いも化学と同じになる」
ジョバンニはその言葉にうなづきました。
(宮沢賢治:「銀河鉄道の夜・第三版」より抜粋変形)



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 世界観を完全に作りたいのならば、
 発明関係の本と歴史の本が最も資料になると自分は思っています。
世界とは、
「前提となる物理法則」
 を、
「人がどれだけ見つけたか」
 によって決定され、
機械や魔法とかそういう概念の発展は、
「それらを土台にして生まれる副次製品」
 でしかない、と。

 そういうものを各分野において考えていき、
相互反応させていけば、
世界観の限界点は生まれてきます。


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無論、
既存作品の世界観でガシっと作るのもアリですね。
(意外ですかね。
自分がこういうことを言うのって。
でもノベライズとかは仕事として成立していますし、
あれは本当に高度な腕が要求されるものだと思っています)
ですが、
その際に対やってはいけないことは、
「オリジナルさえも自分のものだと錯覚すること」
「世界を追求せずに作ってしまうこと」

で、
これらは模倣でもファン活動でもなく単なる盗作であり、
作者に失礼な行為です。
逆に、
作者の思想や思考を研究理解して飲んで行く、
もしくは新しい可能性を開くために既存を完全に無視するならば、
自分(個人として)は賛成する。

自分の作った世界観を理解
(無視とは理解してなければできない行為です)
してもらえるのは作家冥利に尽きますし、
そういう風な探求と発展を繰り返していった人が、
「作者の思想を受け継ぎつつもその呪縛と闘い、
いずれ自分だけのものを作っていくことが出来る人」

なのです。



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と、
短いが今回ここまで。
実はかなり大事なことを言った(気がしているだけかも(笑))ので、
何度も読んで確認して自分なりに消化(同化じゃなくて消化ね)して下さい。
あまり一気に知識を詰め込んでもしょーがないですし。
押しつけじゃないですしね。
いいと思えたらそこを拾って、
嫌なら拾わなくて、
それでいいんじゃないかと思います。
それをやっても理解できなかったら謝りますスマン。
次はキャラクターと話の流れの解説にいってみましょう。



 全体の底を作らずに
 浮かぶ船は造れない。
 今を知らなければ他を語る資格はないし、
 他人を知らなければ他人を語ることは出来ない。
 怠らないことが最も近道。



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