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梅原氏への返信1998/12/15
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1998.12.15
梅原克文様


 青山です。
 これらの書簡のやり取りで青山は幾つかの成果を得た、と考えています。一つは「サイファイ」と「スペースオペラ」「超メタ言語作品/スペキュレイティブフィクション」の明確な区分けが可能になった部分です。
 無理矢理、分類する必要も無いのかもしれませんが、現在、存在するある傾向を持つ作品に呼び名を与えるのは重要な作業であると考えます。

 また、梅原さんがSFマガジンに乱入した際の主張については納得できるものの、その攻撃性については首を傾げていたのです。
 「梅原さんが、サイファイにこだわる理由」、これもSFの代りとなる物を探していると、そして「超メタ言語的な作品を忌避する理由」についてもサイエンスフィクションを滅ぼしたためであり、これは今では「SFの残滓がある内は新しい分野を立ちあげられないため、攻撃を加えている」と解釈しています。まだ同じ行動をとろうとまでは思いませんが(もっとも、いまさらだれもそうは受け取ってはくれないでしょうが)、攻撃的になる理由は納得したつもりです。

 青山なりの取り違えや、完全なる同意には至らない部分もありますが、ま、モノ書き二人いて完全な意見の一致を見るのは不可能ですから、仕方ないでしょう。

・オウムの宗教用語化について。
 ぼく自身が出家信者であると言われると不思議な気がしますが、言わんとしている事は分かります。
 これ、なんの意味も持たないのかもしれませんが、SF大会参加者の中でも恒常的にSFマガジンを読んでいる、という参加者はそう多くないようです。正確には統計を取ってみないと分からないのですが、少なくともイコールで結ばれる関係ではないようです。「SFマガジンの読者の半分でも大会に参加してくれれば」というのはある大会スタッフの愚痴です。SF大会はマガジンの読者にも見捨てられているのかもしれません(笑)
 また、出版業界不況について、一本で四度オイシイ出版の話について、よく耳にします。
 それで早川が持つかどうか、についてはSFマガジンの掲載作の単行本化率はほかの文芸誌より高いそうです(すみません、これ、伝聞です。数値はありません)。また、早川書房自体では「ペリーローダン」と「グインサーガ」で大きな黒字を稼ぎ出しており、その受け皿としてSFマガジンを残す余裕がある、とも聞きますし、SFマガジン自身は黒字であるとも聞きます。正確な現状は早川書房に問い合わせなければならないでしょうが、短期的には比較的安定している出版社のようです。
 もっとも、長期的にはどうなるか分からないし「注文が来れば書くが、それ以上の事はできない」というものだと思います。

・SF大会の現状について。
 まったくそのとおりで、かつ、この状態は今でも続いていると私は見ています。
 余談になるかもしれませんが、SF大会の運営をプロ化すべきではないか、などという議論はあとも切らず、財団法人化などという意見も出た、と報告しておきます。(以下冗談)また、財政的には宗教法人化するのがベストなのだが、信仰の対象をどうするかが決定できず、頓挫しました(冗談、終り)。
 また、これはSFの内輪の恥をさらす事になるのですが、三年ほど前のSF大会で、ある「SF大会の運営をプロ化すべき」と主張する某氏が関与して、大規模な詐取事件に発展しました。現在、審判継続中です。

 また、これも現状を指摘するだけですが、このような地方コンも無数に開かれています。ここ数年、こうした小グループが何年かに一度、日本大会を開く、という形になっているように感じられます。無論、地方コンを開いた上に、日本大会があるのが無謀という批判も生じるかもしれません。

「金返せ」事件についても、ぼくもこの時の会場に居合わせました。
 確かにお粗末な大会でした。内部情報を突き合わせると、単純につまらない大会だったからやじが飛んだ、という図式は成り立たないようなのですが、構造的にSF大会の運営が難しくなりつつある事の現われの一つでしょう。

 またもSF大会擁護を続けてしまいましたが、放っておくというのが一つの選択だと思います。
 SF大会ファンとしては一度ぐらい遊びに来ても面白いですよ、とは言いますが、職業作家としては、面白い以上のものでもないのも事実です。

 SFマガジンが大会を押したてた事実について。
 SF大会が一番盛り上がっていたのは1980年頃です、この頃の編集長が、ファン出身の今岡清氏であったからではないでしょうか?
 その後の歴代編集長がどのようにファンダムに関って来たのか、私は知りませんが、実際にSFが力を失い、出版不況となって、低迷状態にある現状はかわりません。これ以上、低空飛行が続けば、行く先は明らかです。その原因をSF大会と直結して考えるのは早計かと思いますが、いずれにせよ、一モノ書きとしてできる事はそう多くありません。

【コミケ批判に対する返信:本題からずれるので削除】

 こうした見解の差については、たしかに経歴の違い、という部分が大きかったようです。
 反論ではないのですが、それでも、おたくに近い立場でみますと二点、まだ梅原さんに伝えなければならない事が有ります。
 一つは「本物のおたくではプロにはなれない」。もし、おれはおたくだがこれで飯を食っていると言う人物がいたとしてもどこかでバランス感覚を保った人物です。ファン出身でありながら第一線で活躍しているプロ作家も珍しくはありません。
 第二はマニアやおたくは、梅原さんが考えるほど力を持っていない、という点です。狭い範囲に深い知識を持ったおたく、マニアはその分野であれば力を持つでしょうが少数が寄り集まったところで大した力にはなりません。仮にSF大会の全参加者が青山作品の不買運動を起こしたところで、千人程度ですから、それなりの勢力ではありますが、大きなものではありません。
 もっとも、無視すれば良い、という共通原則は動きませんが。

 一般論的な分析として「ただの読者」という立場があることも見逃せません。読者は財布を緩めて本を買ったわけですから、何を言ってもいい権利があります(ただし、創作者にはそうした意見に耳を傾けなくても構わない権利をもちます)。また、どのような本を選ぶかの権利も持っています。その結果、メタ言語的な作品を選び取るかもしれず、それに対して創作者は対抗可能な良質の作品を送り出すのが最高の対策なのです。

 13日は、15日渡しの原稿があって、死んでました。

 イデア論と、スペースオペラ論について付け加えたいのですが、またもとっ散らかってしまいましたので、項を改めます。

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