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第5号(11/15)
    エヴァンゲリオンの衝撃
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今回は、新世紀エヴァンゲリオン テレビ版25・26話を中心に拡散していきた
いと思います。
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◆エヴァとの出会い◆

新世紀エヴァンゲリオンというテレビアニメをはじめて見たのは、たぶんだいぶ
社会的に話題になってからだとは思う。

その当時僕は新潟に住んでおり、日曜の深夜にまとめて3・4話放送していた
のを見たのが最初だった。

なんとはなしにテレビをつけて、ああこれが話題のエヴァンゲリオンなのかと
思いながら見ていたのだが・・・

ぼくはいわゆるアニメファンでもアニメオタクでもなく、ガンダムのことは全然
知らなくて宇宙戦艦ヤマトは子供のときちょっと夢中になったかなというぐらい
で、最近では宮崎駿の作品をビデオでちょっと見てるかなというぐらいのもの
です。

そんな今のアニメがどうなってるのかなんて知らない僕がはじめてエヴァと
出会ったときはやはり衝撃だった。

正直言ってこれは何?でエヴァンゲリオンってどれ?使徒ってなに?えっ、
結局どっちが勝ったの?
というような感じで、あまりにも映像の切り替えが早すぎてついていけないと
いうかなにが起こっているのか理解できない、でも映像の異常なまでの
テンションの高さにはどんどん引き込まれていく。

たぶんアニメ業界のなかでも技術的に画期的なものなんだろうけれど、アニメ
に免疫のない僕にとっては衝撃以外のなにものでもなかった。

◆テレビ版25・26話の賛否◆

それでいきなり問題の25・26話のことになっちゃうんですが、いやー、やっぱり
テレビ版の25・26話はいいです。
今回あらためて観てみたんですが、映画の25・26話より断然好きです、僕は。

保坂さんもエヴァについて「十四歳・・・、四十歳・・・」(『<私>という演算』新書
館)のなかで触れていて、メッセージを伝えるためにドラマを放棄して問いかけ
にしたのは面白いというようなことを書いています。

テレビ版25・26話というのは、いままでの24話までのストーリー展開を中断し
ちゃって登場人物の内面の葛藤・問いかけ・つぶやきみたいなものを延々つ
づけていく訳なんだけれども、はじめはかなりファンから批判があったみたい
です。
そりゃいままでストーリーにそって謎がどんどん膨らんでいってどうゆう終わり
かたをするのかというところでプツッときられちゃって、「僕ってなに?」みたい
な問いかけがなされて結局「僕は僕を好きになれるかもしれない」ってな感じ
で自分(主人公のシンジ君または庵野秀明)の内面で納得されてハッピー
エンドみたいなように終わられたら、エヴァのストーリー展開にのって観ていた
人にしてみれば怒るかもしれませんね。

でも僕はそういうことを少しは聞いてて時間的にあとになって観たこともある
からだと思うんだけど、25・26話はいちばん面白かった。
連続物でこういう終わり方をして凄いなというのもあるし、内容的にも哲学的・
精神分析的な問いがなされ、それをうまく映像や音楽と組み合わせて作品に
仕上げている。
この思いは今回見直してみてさらに強く思ったことでもある。
25・26話だけでも十分すぎるくらいひとつの作品になってるんじゃないかと思っ
て。むしろ24話までは25・26話のための予告編というか説明というかそれでも
いいんじゃないかというぐらいで。

◆庵野秀明というひと◆

でもテレビ版25・26話がああいうふうになったという一番の理由は、物理的に
時間がなかったということなのだろうけれど、それにしてもそれじゃあどうする
かという選択のなかであのような選択をした監督・脚本の庵野秀明というひと
は凄いと思う。

庵野さんは、本当の人間ドラマはそう簡単にやれない、エヴァはドラマという
よりドキュメンタリー・ノンフィクションだということを言っている。
また、エヴァのキャラクターは全員、僕という人格を中心にできている合成人格
だということも言っている。
エンターテイメントとしてのアニメで、庵野さん自身の思い・葛藤を生にちかい
形でさらけだしている。

エヴァは自分の世界に固着してしまうオタク批判だということもいわれ、それ
は庵野さん自身の自己批判的な部分でもあり、でもオタクが好きそうなドラマ
の設定をつくりあげたうえでオタク批判をやるというのもやはりたいしたもので
ある。

◆庵野秀明と保坂和志◆

この二人の共通項を無理にみつけようとしても意味ないのだけれど、僕には
ある部分かなり共通する部分があるんじゃないかなとは感じます。うまく説明
できないけれど。

ただエヴァの物語のなかでのテンションの高さと保坂さんの作品に流れるのん
びり感みたいなものは正反対ともいえるし、外見から見ても(ふたりとも実際に
会ったことはないので知ったようなことはいえないけれど)それほど似ている
とはいえないかとも思う。

似ているというかなんというか、庵野さんが、エヴァは血を流して作品作りに
没頭しているような人には理解されやすいんじゃないかというようなことを
言っていて、それで保坂さんがエヴァの終わらせ方に共感するみたいなこと
を書いていてというのもあると思うんですが。

さっき書いたことで、庵野さんが言った、エヴァのキャラクターは全員、僕とい
う人格を中心にできている合成人格、というのも保坂さんの作品の手法との
共通項だと思います。
作品のなかの登場人物に自分自身の心の葛藤を会話させるというような。

それとやはり、物語拒否という部分でしょうか。
そういう作品をつくるうえでの方法論みたいなもの。

あと、私とは何かという哲学的なテーマのところでもシンクロするようだし。

こう考えると結構やっぱり似てますねえ。
皆さんどう思います?

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父に、ありがとう

母に、さようなら

そして、すべての子供達(チルドレン)に

おめでとう
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●編集後記●

★第2号で内藤剛志のことを書いたのだけれど、じつは保坂さんと20年前に
8ミリ映画で共演してたんですね、たぶん。
それでその時の監督が長崎俊一で保坂さんとは高校の同級生、たぶん。

★ぴょんちゃん倶楽部の掲示板、まだつけてませんが今週中ぐらいにはつけ
たいと思ってます。

それではまた。


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   ぴょん吉くんはかつおぶし中毒  略して「ぴょんかつ」 第5号
発行人  あかま としふみ akama@din.or.jp
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