★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 保坂和志拡散マガジン  ∧ ∧   ★ぴょん吉くんはかつおぶし中毒★ =〆ェ^=          略して『ぴょんかつ』 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 映画『さゞなみ』鑑賞記念 第44号 フォーカシング(12/29)  ♪あなたは〜 もう 忘れたかしら〜  赤い てぬぐい マフラーにして〜 は、フォークソングだけど、 きょうのテーマはフォーカシング。 ================================================================  フォーカシングとは、からだを使って、自己の気づきを促し、こころ を癒していく、独特のプロセスです。それはひどく単純なことです。あ なたがどんなふうに感じているかに注意を向けて、その感じと会話をす るのです。     (『やさしいフォーカシング』アン・ワイザー・コーネル) ================================================================ こんにちは〜 すっかり半年刊となってしまいましたが、今年ももうすぐ終わり。 2002年はみなさんにとってどんな年だったでしょう。 ●フォーカシングとは● 臨床心理学の技法のひとつで、 クライエント中心療法を確立させたカール・ロジャースと共同研究した 哲学者ユージン・T・ジェンドリンによって発見されました。 と、くわしいことは興味のあるかたは調べてみてください。 ようするに、あることを考えたときに論理的に自分でもはっきりと説明 できない感情、感じ、言語化以前の身体感覚、なんか胸のあたりがもや もやするとか、お腹のあたりがざわざわしてくるとか、ふだんはあまり 気にもとめないそんな自分の体の感じに興味と関心をもってあたたかい 気持ちで接することにより、自分のいまの問題を理解し解決していこう という自己治癒力を信じたセルフヘルプの方法です。 日常生活では、なんとなく、うまく説明できないけどもうひとつしっく りこない、 というようなことが結構あると思います。 というか、瞬間瞬間に流れていく自分の感情を、すべて客観的論理的に 説明できるというひとはいないはずです。 むしろ、うまく説明できない感情のほうがほとんどすべてだと思います。 小説や映画や絵画は、単純な言葉だけで説明できないようなそんな感覚 を表現していく手段ととらえることもできると思うけれど、フォーカシ ングはそんな普段見過ごされて見捨ててしまいがちな自分の微妙な体の 感覚とうまくつきあっていこうということだと思います。 ●いま、ここ、瞬間瞬間を大切に● ================================================================ 「自己」や「経験」は変化しつつある現象なのです。これは抽象論では ありません。私たちの身体感覚や感情は実際に刻々と変化し生成してお り、一瞬たりとも同じではありません。  感情は動き、変化するものです。経験も同様に変化していきます。出 来事そのものは変えることはできません。しかし、出来事に対する見方、 感じ方は刻々と変化します。個人にとって経験とは、その時点で再構成 された見方、感じ方にほかならないのです。   (『フォーカシングで身につけるカウンセリングの基本』近田輝行) ================================================================ 時間が解決してくれる というのはある意味真実です。 そのときおこった自分の感情や経験に、ある程度の時間を置かないと、 どうしても冷静な判断ができない場合が多々あります。 でも、時がたつのだけを待っていたのでは、現実の生活ではもう手遅れ になってしまうことがあるのも事実です。 いまの感情、それがたとえ自分にとって否定したい感情だとしても、 その感情を認め、それと対話して友達になることによって、なんらかの アドヴァイスがもらえるかもしれません。 こころのさざなみを無視して日常生活に埋没するのではなく、わずかな さざなみでもそれに関心を示して欲しい。 そうでないとさざなみがいつか津波になってしまったときには手遅れに なりかねない。 稲子ちゃんもフォーカシングやってみるといいかもしれないですね。 ●ああ、そうかぁ という感じ● ================================================================ 自分の経験を正確に表現できたかどうかは、そのことばによってことば と経験に相互作用が起こり、その結果生じる、例えば胸のつかえがとれ る、腑に落ちるなどのからだで感じられる変化によってわかるのだと。 つまりぴったりなことばがみつかることによって経験は変化し前に進ん でいくのです。これは特別なことではなく、言いたいことが言えて胸の つかえがとれる、言いたかったことを言えて次に進める、など日常的に 生じている現象を指しています。この場合、言いたかったことが言えた から胸のつかえがとれたのではなく、胸のつかえがとれたことによって、 それが言いたいことだったと分かるのです。   (『フォーカシングで身につけるカウンセリングの基本』近田輝行) ================================================================ うまくことばでは説明できなかったことが、なにかのきっかけで、ふい につながり、ああ、そうかぁ というふうに納得できる、という経験は よくあることだと思うけれど、 でも納得できたというか、体では納得したようなつもりでも、それを 言葉で論理的に説明してみろと言われるとなかなか難しい。 しかし、ああ、そうかぁ と気づく前と後とでは明らかに自分の中に 変化が生じているのはわかる。 そんな気づきをさせてくれるのがフォーカシングだと思うんです。 =============================================================== フォーカシングは人々が自然に身につけている技能ですから、発見され たのであって、発明されたものではありません。それは、人が好ましい 方向に変化している時にしていることを観察する中で発見されました。 フォーカシングをする能力は誰もが生まれながらに備えているものです。 私たちは、その瞬間瞬間に自分がどう感じているかがわかる能力をもっ て生まれてきます。しかし、ほとんどは、子ども時代にあるいは文化の 影響で、傷つき疎外される経験を経て、からだや感情への信頼をなくし てきています。ですから、フォーカシングを学習しなおす必要があるの です。      (『やさしいフォーカシング』アン・ワイザー・コーネル) =============================================================== ●執筆後記● 私自身、フォーカシングに関心を持ち始めたのはつい最近で。 うまく説明できていないと思いますが、興味のあるかたは調べて やってみてください。 なにはともあれ、来年もよろしくお願いします。 ○○○お知らせ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★『2003年 羊をめぐる冒険』 http://www.k-hosaka.com/ ★出来るだけ等幅フォントでお読みください。 ★「ぴょんかつ」では読者の皆さんのご意見・ご感想・投稿などを大募集 しております。 出来る限り返事もかいていきたいと思っています。 いただいたメールはこちらで勝手に「ぴょんかつ」にとりあげさせてもら う場合もあると思います。もしとりあげられるのが嫌な場合はその旨お書 き添えください。 出来れば、公表してもいい名前(本名なりハンドル名なり)を書いて頂け ればうれしいです。 ☆ご意見・ご感想・投稿などはこちらへ   akama@din.or.jp (まぐまぐから配信された方は、このメルマガに「返信」すれば  akama@din.or.jp宛に届くみたいです) ★ぴょんちゃん倶楽部もよろしく。ぴょんかつ掲示板もあるよ。         (http://www.din.or.jp/~akama/) ★「ぴょんかつ」は『まぐまぐ』( http://www.mag2.com/ )と E-Magazineを利用して発行しています。( http://www.emaga.com ) ★「ぴょんかつ」の登録・解除は上の『ぴょんちゃん倶楽部』か 『まぐまぐ』(マガジンID:0000019217) 『E-Magazine』(マガジンID:akama) のそれぞれで各自お願いします。 ★「ぴょんかつ」は転載自由です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 保坂和志拡散マガジン   ぴょん吉くんはかつおぶし中毒 略して「ぴょんかつ」                       第44号 発行人  あかま としふみ akama@din.or.jp               http://www.din.or.jp/~akama/ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆