★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 保坂和志拡散マガジン  ∧ ∧   ★ぴょん吉くんはかつおぶし中毒★ =〆ェ^=          略して『ぴょんかつ』 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ いつまで続く?『残響』文庫化記念  「ぴょんかつ」もたまにはほぼ日刊化!? 第39号 おなじ川の流れに        二度足をふみいれることのできる人はいない(12/6)  ============================================================  野瀬俊夫は緑道を歩きながら、ユリノキの木の芽が芽吹いたりする のを注意深く見るようになったのはやっぱり彩子と一緒に暮らしたか らだろうと思った。もっとも、彩子とつき合いはじめて結婚して一緒 に暮らして別れるまでの十年間はほぼそのまま三十代の十年間で、彩 子と暮らしていなくてもそのような関心の変化はありえるだろうとも 思ったけれど、人生というのは一回しかないのでそうでない可能性に ついて仮定することはできても確かめることはできなかった。                                                    『残響』 ============================================================ こんにちは〜〜〜〜〜〜 なんか今日は 一瞬の重要性、っていうか、体験の一回性、っていうのか、 なんとなくそのへんのところを拡散してみたいと思いま〜す。 なんかまとまらなそう。。。 ●まったくおなじに考えることはできない● 『シンクロニシティ』(F・デヴィッド・ピート)という本から の引用です。 おなじ川の流れに二度足をふみいれることのできる人はだれ もいないように、おなじ思考を二度かんがえることのできる 人はいない。なぜなら、かんがえるという行為が、かんがえ る人をかえてしまうのだから。――――――――――――― ―――じつはかんがえる人とは、思考<そのもの>なのです。 思考が思考者をうみだし、こんどはその思考者があらたに 思考を創造する。 なるほど、と思いました。 もちろん一度考えたことを、あとからもう一度その思考過程をたどっ て、だからこういう考えだ、とかっていうことはできるし、日常よく やってることだと思うんだけれど、 そのとき、っていうのはもうすでに一度その考えを知ってしまってい るんですね。 考えをめぐらす周囲の状況も違ってくる。 そしてなにより「考える」という作業を行う脳細胞が変化している。 考えた結果としてでてきた結論は同じようなことでも、以前にその 考えの作業をした脳細胞はもうすでに入れ替わってるかもしれない。 人間はアイデンティティーがあるから、そのどちらも同じ自分の考え だ、 と思うけれど、 物質的側面からみると、一瞬一瞬変化して生まれ変わっているわけ です。 ともいえるんですね。 でもそれはべつに物質的なことだけではなくて、精神的にも変化し 続けて、常に変わっていくもんだと思うんです。 今の自分はもう過去の自分には戻れない。 今の自分はもうすでに過去の自分の経験をもった自分になってしまう んです。 「考える」ということよりも、「感じる」っていうことでみたほうが すっきりいくかもしれないですね。 その瞬間に感じたことは、まさしくその瞬間に感じたことであって、 そのあと同じような感覚を味わうことはできるけれど、 まったく同じ「感じる」ことではなくなってしまう。 ●なぜ保存したがるのだろう● ぼくは旅行は大好きだけれど、 旅行のときに撮る写真はあまり好きじゃない。 というか人に撮ってもらうのはぜんぜん構わないのだけど、 自分で撮るのはなんか気がすすまないんです。 というか、ただのめんどくさがりという部分は多分にあるんですが。 かっこよく言っちゃえば、写真をとる暇があったら、もっとそのとき そのときの一瞬を楽しんでいたい、 というふうに思っちゃうんです。 べつに写真をきちんとアルバムに整理して、あとからゆっくり眺める っていうこともしないんで。。。 でもあれですね。 久しぶりに荷物の整理なんかして昔の写真がでてくるとやっぱりなつ かしかったり、楽しかったり、いろいろ面白いです。 だから、できるだけ最低限の写真は残しておきたい気もちょっとあって、 でも写真を残すこと自体が目的じゃなくて、 その一瞬に自分がいて、意識的にでも無意識的にでも何かを感じる、 ってことが目的というか重要なんだというふうに考えることが多いん ですね。 ん〜、最低限の写真ってなんだろう。 今はカメラでもビデオでもパソコンでもコピーでも、 なんでもかんでも保存するのが便利な道具がいっぱいあって。。。 なんかぼくなんかはこれだけ便利になると、 あ〜、もういいや。 って感じになっちゃうんですね。 保存しだしちゃうと、まるでそれが義務かのように強迫観念ぎみに、 保存自体が目的のようになってしまって。 でもたぶん、保存っていう行為はあとでそれをなにかに利用するための 手段なわけであって、けっして目的ではないと思うんです。 だからって保存したものを利用するか、っていうと けっこう保存したこと自体に満足しちゃって、 結局利用しないことが多かったりしちゃう。 テレビ番組を録画してあとから見ようと思うと、 急に見る気が失せてしまうのも不思議ですよねえ。 プロ野球のテレビ中継なんかは、絶対、 録画しといてあとから見よう、なんて気は起きない。 これがドラマだったら関係ないかというとそうでもなくて、 なんかテレビっていうのは、撮影した映像が録画か生かにかかわらず、 (といってもけっこうかかわるんだけど) リアルタイムで見ないと楽しくないみたい。 で、なんでもかんでも保存したがる、っていうのは コレクターの感覚と似ているようだけどそうではなくて、 それとは別にちゃんとした「保存マニア」みたいな人がけっこういるん じゃないだろうか、 というか人間はどこかでそういう習性があるのかなあ・・・ ●まず、好きなものから食べなさい● 小学校の一年生と二年生のときは、定年前でぼくたちのクラスが最後の 担任になるバツイチ女性のH先生に教えられたんです。 このH先生、よく蹴ったり黒板拭きの裏でたたかれたりと、こどもながら にけっこう恐かったです。 その先生が授業中にはなしてくれたことで、なぜかいまでも憶えてる ことがあるんで。 ある人の夕食のおかずに、まぐろの刺身と秋刀魚の塩焼きがでた。 その人はまぐろの刺身が大好物。 さて、どちらのおかずから食べるべきか。 そういえば、むかしテレビ番組で、ゲストが食事をどの順番から食べる か当てるのがあったっけ。 で、正解というか結論は、 その人は大好きなまぐろの刺身をあとの楽しみにとっておこうとして 秋刀魚の塩焼きから食べた。 そしたら秋刀魚の骨が喉にひっかかって死んじゃって、 結局その人はまぐろの刺身を食べれずにこの世を去ってしまった。 だから好きなものは、あとの楽しみなんてとっておかないで食べれるとき に食べなきゃいけないんだよ。 と、まあこういうハナシなんですが、 骨が喉にひっかかってほんとに死ぬだろうか、 なんて疑問は小学生のぼくには思いつかず、 その当時のぼくとしては、けっこう衝撃的な寓話だったのです。 ●その瞬間を逃したら、二度と同じ瞬間はやってこない● その瞬間はこの世にその瞬間しかなくて、 べつの瞬間になってしまったら、もうべつの瞬間なんだから、 その瞬間は味わうことができない。 だから基本的に体験とか経験とかも一回こっきりのもので、 なので今のその瞬間を楽しまなきゃいけないし、 あとから・・・、そのうちに・・・、 なんて言ってると、結局いつまでたってもその時はこない。 そんなことを思うと、 「いま」を経験している今はなんか楽しいものであり、 すごく未来にも可能性が期待できそうに思っちゃったりしちゃうのです。 と、こんな感じのことを書きたくて いろいろ例をあげたけど、 なんか適当な例だったかどうか。。。 つながっているようでつながってなく・・・ ●執筆後記● と、まあきょうはこのへんで。。。 ○○○お知らせ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ★『残響』をもっと知ろう〜〜〜 http://www.k-hosaka.com/ ★出来るだけ等幅フォントでお読みください。 ★「ぴょんかつ」では読者の皆さんのご意見・ご感想・投稿などを大募集 しております。 出来る限り返事もかいていきたいと思っています。 いただいたメールはこちらで勝手に「ぴょんかつ」にとりあげさせてもら う場合もあると思います。もしとりあげられるのが嫌な場合はその旨お書 き添えください。 出来れば、公表してもいい名前(本名なりハンドル名なり)を書いて頂け ればうれしいです。 ☆ご意見・ご感想・投稿などはこちらへ   akama@din.or.jp (まぐまぐから配信された方は、このメルマガに「返信」すれば  akama@din.or.jp宛に届くみたいです) ★ぴょんちゃん倶楽部もよろしく。ぴょんかつ掲示板もあるよ。         (http://www.din.or.jp/~akama/) ★「ぴょんかつ」は『まぐまぐ』( http://www.mag2.com/ )と E-Magazineを利用して発行しています。( http://www.emaga.com ) ★「ぴょんかつ」の登録・解除は上の『ぴょんちゃん倶楽部』か 『まぐまぐ』(マガジンID:0000019217) 『E-Magazine』(マガジンID:akama) のそれぞれで各自お願いします。 ★「ぴょんかつ」は転載自由です。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 保坂和志拡散マガジン   ぴょん吉くんはかつおぶし中毒 略して「ぴょんかつ」                       第39号 発行人  あかま としふみ akama@din.or.jp               http://www.din.or.jp/~akama/ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆