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保坂和志拡散マガジン
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第2号
『猫に時間の流れる』の西井は内藤剛志?

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こんにちは、「ぴょんかつ」発行人のあかまです。
第2号の今回は、『猫に時間の流れる』(新潮文庫・保坂和志著)から
拡散していきたいと思います。
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◆はじめに◆

前号、創刊号の反省をすこし。
自分でも、メルマガというよりただ個人的にだれかにメールを書いてる
ような気分になっていて、ということを書いたけれど、それでもいいんだ
ろうけどやっぱりもうちょっとメルマガらしくということで、今回は中見出し
のようなものをちょくちょく入れていってメリハリをつけてみたいと思い
ます。

◆西井=内藤剛志のイメージ◆

西井というのは『猫に時間の流れる』で主人公「ぼく」のとなりの部屋に
住んでいて、パキという猫の飼い主である登場人物です。
内藤剛志は俳優のあの内藤剛志です。

それで僕は『猫に時間の流れる』を読みながら、漠然と頭の中で
情景をイメージしてたんですが、西井さんがまさに内藤剛志そのもの
になっちゃってたんです。
なんとなく西井というひとは内藤剛志に似てるなあというのではなく、
自分の知らないあいだに気づいたら僕の頭のなかでは西井の役を
内藤剛志が演じていたというか。

◆なぜそのイメージが植え付けられたのか◆

正直言って僕は、内藤剛志という役者は嫌いというわけではない
けれどとりたてて好きというわけでもないんです。
それでなんで西井が内藤剛志になっちゃったのか考えたのですが、

1.『猫に時間の流れる』の西井の描かれ方が、メディアを通して観る
 内藤剛志と共通する部分があった。

2.『猫に時間の流れる』を読み手(あかま)が読む直前に、テレビか
 なんかで内藤剛志を観ていて、無意識のなかになんか残っていた。

というようなことが考えられるのだけれど、1.の西井の描かれ方という
のは、最初のほうで西井の飼っているパキと野良のクロシロが喧嘩
する場面があり、けがをしたパキを西井は「強かった」「がんばった」
という言葉でいたわり、「かわいそう」という言葉はたぶん意識的に
使わなかった。とあるあたりからもう読み手(あかま)のなかでは完全
に内藤剛志になっているわけで。
でも最初読んだときからもうすでにこの場面で内藤剛志になっちゃって
のかなと考えると疑問ものこる。
もしこの時点で、すでに内藤剛志だったのなら 2.の読み手に残って
いた内藤剛志像がよほど強烈だったのかなとも思えてくる。

まあ、なんのことはない「あかま」という読み手が『猫に時間の流れる』
にでてくる西井という登場人物と内藤剛志をだぶらせた、と言ってしま
えばただそれだけなんだけれど。
でもなんか面白そうじゃないですか?
そうでもないかなあ。ちょっと不安。

だいぶ前に、高橋三千綱の『真夜中のボクサー』のなかで、ラストあ
たりにでてくる、主人公がスクーターに乗って北へ向かって走って
いく場面があるのだけれど、そのスクーターは何色だと思うかという
ことで友達と話したことがあったけれど。
そうゆうのと似ているというか。

◆作家のイメージ、読者のイメージ◆

たぶん作者の保坂さんは、西井という人物を保坂さんの知ってる
だれか実在の人物をモデルにイメージしてつくりだしているのだ
ろうし。
たまたま読者のひとりが西井という小説上の人物を内藤剛志と
だぶらせた。
それで作家である保坂さんの西井のイメージと読者であるあかま
の西井のイメージが全く同一かというとたぶんそんなことはなく、
でも違っていたからといってそれは作者の責任とかでは全然なく
て。
また保坂さんの内藤剛志に対するイメージとあかまの内藤剛志
に対するイメージもたぶん微妙にか大きくかずれているのは明ら
かだろうし。
『猫に時間の流れる』を百人の人が読んだら、西井さんのイメージ
も百通りあるのだろうとは思う。
でも文字として描写された西井という人物がいるのだから、それ
ほど違った百通りにはならないとは想像がつく。
微妙な違いの百通り。
それじゃあその微妙な違いはなにかというと、個人個人の今まで
の経験やら意識の構造やらとかになっちゃうんでしょうね。
でもその微妙な違いのなかにも、たとえば百人のなかの三人が
非常に似たイメージをもっていたと気づいたりすると、共感し嬉しく
なりますよねえ。

◆余談、テレビ『人気者でいこう!』◆

内藤剛志の話をしたついでといってはなんだけれども。
僕は最近テレビを観る機会は減ってきているのですが、特に
バラエティ物はほとんど見なくなってしまったのですが。
そうなんだけれど『人気者でいこう!』だけは時間の許す限り
観るように(?)しています。
あの番組は面白い。
何がおもしろいのか。
いろんな要素はもちろんあるんだろうけど、ひとつだけあげると、

K2(?)の堀部さんが面白い。

これも不思議であの人、他の番組でもたまに見かけるけど
ぜんぜんおもしろくないんですね。
『人気者でいこう!』にでてるときだけ面白い。
あの眼を隠すところがポイントだとは思うのですが。

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○編集後記○
結局なにが言いたいんだ?と問われれば、いやそれは、あのー、
となってしまいそうなんですが、まずはメルマガ発行を継続して
いくことが大事と考えているのでおおめにみてください。
本当は猫についてもちょっと書こうかと考えていたのですが、また
次回以降ということで。
それではお元気で  また     あかま

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発行人  あかま としふみ mailto:akama@din.or.jp
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