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第19号 哲学への道(後編) (6/27)

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「自分がこのような時代に生きていることは驚くべきことだ」というの
は、だからそういう進歩の先端の知識と関係しているのではなくて、自
分が宇宙の一画にいることや人間が生物全体の進化の一環であることや
一千年前の人間もどういう形であれ確かに生活をしていたんだという、
そういうことに何らかのリアリティを持ったということなのかもしれな
いが、それをリアリティと言えるだろうか。このときに何かを感じたと
しても、それもまた普通の意味での「実感」や[リアリティ」とはほど
遠く、具体性を欠いている。
          
           『二つの命題』
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こんにちは〜
ちょっとまた時間空いちゃいましたね。

仕事もプライベートも忙しい日々を送っております。
ほんとは、前号と今号の「わたしが哲学に興味をもった理由」というの
も、これだったら前に一度考えたり書いたりしてたから簡単に発行でき
ちゃうなと思ってたんだけど、ん〜やっぱり駄目ですね。

でもひとが哲学に興味をもった理由なんて聞いておもしろいかなぁ〜。
ちょっと不安。
今号がまだ始まったばっかりなのに次号以降のこというのもあれなんだ
けれど、ぴょんかつで取り上げたいことはいっぱいあるんですよ。
そのことについて、考えることはべつに問題ないんだけどそれを文章に
書いてまとめるとなると腰が重くなる部分はでてきますね。
なんだろう、文章にしちゃうと、いやほんとうはこう思ったんじゃない
や、とか出来るだけ正確に伝えようとしたいのにこれじゃなんか全然感
じが違っちゃってるとか。

ん〜、でも自分の思いとか考えをうまく文章にできないというのは、じ
つはいろいろ考えていたと思っていたけど実際は何も考えてなかった、
ということなのか、いや、そういうわけではないとも思うけど、ん〜、
わたしは結構、物事を断定することができない、んだけど、なぜかって
いうと断定するだけの絶対的な理由なんてそうそういつもあるようには
思えないし、いや、なんだろう。
あっ、「物事を断定することができない」って断定してるじゃん、と突っ
込まれそうだけど、あれ、おれってけっこうやっぱり物事を断定するこ
とも多いなあ、っていうことは「断定することができない」っていうこ
とは断定できないなあ・・・

ちょっと混乱してます。

うがぁ〜〜〜おえぇ〜〜〜きょえぃ〜〜〜

気を取り直して本題に。

◆或る新聞記事◆

哲学に興味をもった第一の理由というかきっかけは、或る新聞記事なん
です。
ちょうど黒磯の中学生が先生を刺した事件があり、ナイフを持ち歩くこ
とが社会問題になっていた頃に「キレる」という現象について書いた記
事があったんです。

そのなかで、ある大学教授によると、ということで
『「キレる」は新しい造語ではなく、かなり前から若者の間で一般的に
なっていた。急激に広まったのは、3.4年前からだという。(中略)
社会的な状況が言葉を生み出す反面、言葉があることによって、人間の
行動に一つの流行が生まれることもあるという。』
と書かれていたんです。

言葉というのは人間の感情や気持ちを伝達したり表現したりするために
あるもんだと思ってたんだけど、そうかぁ、その言葉が存在することに
よって自分のなかの感情がつくられるというか、気持ちを言葉に当ては
めるんじゃなくて、言葉を気持ちに当てはめるというか、そんなふうな
構造があるんだなぁと面白がったわけです。

ラサール石井が以前言ってたんだけど、18.19で大学に入って自分が何
を勉強したいかなんてそうそうわかるひとは少ない。
30ぐらいになってやっと、こういうことを勉強してみたいと素直に思え
るようになるんじゃないか、と。

そんでもって、そうだよなぁこんなこと勉強するというか考えていくの
は面白そうだよなあ、と思ったわけです。

でもこうゆうことが、学問的にはどういう分野なんだろうというのがわ
からなくて。
国語学とかそういうのなのかなぁ、とか、そのまんま忙しさにかまけて
ほったらかしにしといたんですけど、ある日だいぶ経ってから、そうか
哲学が扱う分野なんだろうなぁ、と気づいたのです。

だいたい哲学なんて、自分はどうやって生きていくべきかというのを、
それぞれ哲学者と呼ばれるひとが自分の好き勝手なこといってるぐら
いにしか思ってなかったんで、あぁ哲学けっこう面白そうだなぁと思っ
た訳なんです。

◆スコットランドの旅で想ったこと◆

それで、二番目の理由にはいるわけですけど、前回もちょっと書いた
けれどこれは三番目の理由かもしれないです。
保坂さんの小説を好きになって読むようになったのは『もうひとつの
季節』が朝日の夕刊に連載されてた時で、スコットランド旅行はその
ちょっと前だったんですね、たぶん。

まあ順番はさほど重要じゃないんですけど、とにかくわたしがスコッ
トランドへ一人旅した時のはなしです。

仕事辞めて二週間ほど行ってきたんです。
働いてると行きたくてもなかなか行けないし、いい機会だと思って。
それに仕事の引継ぎがうまくいかなくて、なかなか辞めさしてもら
えなかったんで、さっさとチケットとって決めちゃったんです。

なんでスコットランドかというと、ん〜『ローカル・ヒーロー』と
いうスコットランドを舞台にした映画があって、その舞台への憧れ
というか、田舎でのんびりしたいなぁというのがありました。

仕事で肉体的にも精神的にも疲れてたし、べつに観光というんじゃ
なくて、ただのんびりしてこようと思って。

だから、あんまり計画も立てずに行き当たりばったりでちいさな港
町を移動してました。
なんかわたし、いなかが小さな漁港だったもんで、潮の香りとか港
の油の匂いとかがするとうれしくなってきちゃうもんで。

それでたいした目的もない旅をしてたんですけど、その日も安い
B&Bを決めてひと安心し、夕方海岸沿いの道を散歩しました。

その時ふと、「あれ、俺なんでこんな北の果てみたいなとこでぶら
ぶら歩って、なにしてんだろう」って思ったわけです。
まあ、一人旅をすると多かれ少なかれこんなちょっとセンチな気分
に浸りたいと思うところが誰でもあるとは思うし、わたしも以前な
んども思ってみたものです。

でもその時はそんなセンチな気分だけでは終わらずに、もうちょっ
と発展したんです。

わたしの前からは地元民らしきひとがのんびり歩ってきていました。
「あのひとは地元のひとだからここにいて当然だけど、俺がこんな
ところに居るのは不思議だよなぁ。ん〜、いやでもまてよ、いくら
地元のひとだといってもあのひとが今ここにいるというのも不思議
といえば不思議じゃないか?」

「ん〜、ここで生まれて育ったからそのまま居付いちゃったのかも
しれないし、よそからやってきたのかもしれないけれど、たとえこ
こで生まれたとしたってなんでここであの人は生まれたんだろう。
そりゃべつに理由なんてないけど、ん〜」

「でも俺がいま住んでる埼玉県の八潮市にしたって、なんでこんな
とこに俺は住んでんだろう?そりゃひとつひとつ考えていくと理由
があってここにたどり着いたんだけれど、ん〜、ほんとに微妙な偶
然の積み重ねだなぁ〜」

「いまスコットランドのちいさな港町をひとりで歩いてる俺ってい
うのもほんと偶然が積み重なって今ここに在るんだよなぁ」

ってなことを想った訳です。
そん時は、それが哲学と直接には結びつかなかったんだけど、あと
から、ああそうか、あのとき想ったことも哲学の領域なのかなあと
気づいたんです。

◆まとめ◆

え〜と、とりあえずつまんないかもしんないけど、『わたしが哲学
に興味をもった訳』をまとめてみますね。

1.社会的な状況と言葉の関係に興味をもった。

2.スコットランドまで行って、自分はなぜ今ここにいるんだ、とい
う直感めいたものを感じた。

3.『もうひとつの季節』を読みながら、哲学って面白そうだなぁと
思った。

ん〜、まとめちゃうとこうなっちゃいますね。
でもたぶんこれが真実じゃないんだろうなぁ。
いや、ある部分というか大部分は真実なんだろうけど、こうやって
自分でまとめちゃうことで「これが哲学に興味をもった理由なんだ」
って決め付けちゃうのも違うようなところがあって・・・

まあ、今回はこんなところです。

◆執筆後記◆

ん〜、でも大学生っていいですよね。
特に哲学専攻ってやっぱりいいなぁ。
どこの学部ですか?って聞かれて、経済学部じゃつまんないけど
(経済学部のひとすいません。でもわたしも以前は経済学部でした)
哲学っていうと自分でうれしくなっちゃうなぁ。
おかしいかなぁ。

そいじゃまた〜

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