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第13号(2/27) 自分の印象、相手の印象

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恵子の知っている浩二は毎朝二日酔いの顔をして会社に遅刻してきてい
た。恵子はいまでも土井さんは二日酔いで遅刻しているんだろうかと思
う。        (コーリング)
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◆『コーリング』『残響』◆

保坂さんの作品のなかで『コーリング』と『残響』は、いちど読んで
あまり受け付けなかったものだから、そのままにしていたんだけれど、
今回もういちどさらっと読み返してみたら、なかなか面白かったです。

あまり受け付けなかったというのは、たぶん三人称で書かれているとい
うのが影響しているのだとは思うのだけれど、『プレーンソング』や
『季節の記憶』のように読んでいておもわず笑っちゃうようなところは
『コーリング』『残響』にはなく、とりたてて暗い話というわけではな
いのだけれど、全体的なトーンとしてはなんか暗かったからだと思いま
す。
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『残響』に収められた二篇、「コーリング」と「残響」は基本的に同じ
モチーフで書かれている。それは、
「私が遠く離れた誰かのことを考えているとき、相手のその人は『私が
いま考えている』ということを、まったくわからないのだろうか、それ
ともわかる可能性があるのだろうか」
 ということで、            (アウトブリード)
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保坂さんのモチーフとはちょっとずれちゃうのかもしれないけれど、今
回は『コーリング』からの拡散。

◆相手が思う自分の印象◆

誰かに自分のことを考えてもらうということは、やはりうれしいことで、
でも考えるということではなくても、少なくとも私を知っている人は私
についてのなにかしらの印象があるわけで・・・

その印象というのは、もちろん濃い薄いというのもあるだろうし、自分
のことをそう思われていたのかというような、自分としてはちょっと
戸惑いそうな印象をもたれていたりする場合もあると思います。

以前、何年か振りで久しぶりにある女の子と会ってちょっと話をしたと
きに、「きょう赤間さんと会うから一緒に行かない?って○○ちゃんも
誘ったんだけど、○○ちゃんは、わたし赤間さん苦手だからやめとくっ
て」と言われたことがあったのだけれど、正直言ってその○○ちゃんと
いうひとは名前とか特長を聞いても私にはどうしても思い出せないんで
す。

じゃあどうして私が思い出せない○○ちゃんが私を苦手だと思っている
のかというと、どうも以前酒を飲んだときに、わたしに説教されたらし
いのです。
それで苦手になってしまったと。

酒を飲んだのは大学の寮にいたときのはなしで、たぶんなんかの行事の
コンパとかで大人数が入り乱れて飲んでいた時だとは思うんです。

同じ寮の人間ならだいたい顔と名前は一致するんですが、たぶんその頃
私は五年か六年生で、そんときの一年や二年のとくに女の子となると、
だいぶ顔と名前が一致しなくなっちゃってたと思います。

自分ではもう忘れている人が、自分の印象をまだきっちり持っている。
しかも悪い印象で。

ちょっと恐いなとは思いました。
自分の言動と行動に気をつけなきゃと。

でもまあ楽観的に解釈すれば、自分ではもう忘れている人が、良い印象
として自分のことを時々ふと思い出したりしてくれているかもしれない
というのもあるかもしれないわけで、そう思うとうれしくなるなという
気はしますね。

◆誰かが私を思い出してくれている◆

自分でも忘れている人というと相手も自分のことを忘れている可能性は
高くなるのだろうけれど、もちろん忘れている人じゃなくてもいいわけ
で。

学校、職場、住む場所などが変われば当然普段会う人たちも変わってい
くわけで、ほんとに実に多くのひとたちが自分のまわりを通り過ぎて
いったなという感慨めいたものをちょっと感じるときがあります。

もちろん環境が変わっても付き合いが続く人はいるけれど、普段会って
いないとだんだんと連絡も途絶えがちになり、もしかしたらそういう人
たちの大部分は、もう一生会うこともないのかもしれません。

そういうふうに思うとちょっと寂しい気もするのだけれど、普段はこれ
でもう一生会うことはないかもしれないとは思わないわけで。

でもそういうふうに自分のまわりを通り過ぎていった人たちが、もしか
したら、たまに自分のことをなにかしら思い出してくれているかもしれ
ないと思うと、なんていったらいいのか、ん〜、ちょっとおおげさかも
しれないけど生きる希望が湧いてくるようです。

まああまりそういうことを意識しすぎて自意識過剰になっちゃうとまず
いとは思うけど、たまにふと思うぶんには自分の世界がそれこそ拡散し
て形を変えて大きくなったようでいいなと思います。

◆次週につづき◆

今回は「相手が思う自分の印象」を中心に書きましたが、次回は同じく
『コーリング』からの拡散で、「自分が思う相手の印象」を中心に書き
たいと思います。

テーマ(?)が次回につづくというのは「ぴょんかつ」史上はじめて
だとは思いますがどうなることやら・・・

◆編集後記◆

突然ですが、わたしは「ほや」が好きなんですけど、たまに東京の居酒
屋のメニューに「ほや」があったりして頼んでみたりするんだけれど、
色が変わっちゃったりしてなんかもうちょっとというのが多いんだけど、
きのう食べた「ほや」は久しぶりに美味かったです。ん〜満足。

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